狭心症・心筋梗塞

「動機や胸の痛み」は狭心症・心筋梗塞の可能性があります

「心臓のあたりが締め付けられるような痛みを感じる」「胸がもやもやして違和感を感じる」こんな症状を自覚したことはありませんか?

狭心症・心筋梗塞は「虚血性心疾患」とも呼ばれ、冠動脈(心臓に血を送っている血管)が動脈硬化によって細くなったり詰まってしまったりすることで起こる疾患です。これらの疾患は激しい痛みを伴うばかりではなく、命を脅かすリスクが非常に高いことで有名です。実際に、心筋梗塞・狭心症の患者は70万人以上とされ、癌・脳卒中に並んで日本人の三大死因の一つといわれており、放置する期間が長くなるほどにリスクは高まります。症状に心当たりのある方は、お早めに当院へお越しください。
狭心症・心筋梗塞

狭心症

心臓の周囲には冠動脈と呼ばれる血管が張り巡らされており、心筋に酸素と栄養を供給する重要な役割を担っています。狭心症は、この動脈の血流が不足することによって、心筋が酸素不足に陥る病気です。動脈硬化などが進行すると、冠動脈の血管が狭くなり、心臓への血液の流れが滞って様々な症状が現れます。初期段階では運動時に息切れがする程度ですが、徐々に悪化していき階段を上るのも辛くなります。胸の中央部辺りが締めつけられる、何かを押しつけられているような圧迫感を感じるといった症状も強まります。
狭心症と言っても様々なタイプがあり、早急に対応しないと生命に関わるケースもあります。少しでも心当たりの方はお気軽に当院へご相談ください。

心筋梗塞

心筋梗塞とは狭心症がさらに進行した状態をいいます。すなわち、冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉が壊死をしてしまうため心臓の動きが止まってしまう命に係わる病気です。主な症状は、突然の強い胸痛です。押しつぶされる・強くしめつけられる・灼熱感といった強い痛みを生じて、冷や汗・吐き気・嘔吐などをともなうこともあります。狭心症の場合、症状は10分程度で収まりますが、心筋梗塞は20分から数時間続き、痛みも狭心症発作とは比べものにならないほど強いことが特徴です。
ただし、痛みの発作なく心筋梗塞が進行する無痛性心筋梗塞の場合には、心不全の症状が現れてはじめてわかることもあります。上記の症状に当てはまる方は今すぐに当院へご受診ください。

狭心症・心筋梗塞の検査

受診後の流れ

狭心症が疑われる方
【当日】
  • 問診
  • 外来検査(心電図、採血、レントゲン等)
【予約検査】
  • 心エコー
狭心症・心筋梗塞の検査
心筋梗塞など緊急疾患が疑われる方
問診、採血、心電図等の結果、急性心筋梗塞が疑われる場合には、心臓カテーテル(冠動脈造影)検査が必要となります。緊急性が高い場合は提携している医療機関に即時ご紹介させていただきます。

狭心症・心筋梗塞の治療

薬物療法

虚血性心疾患の治療方法は、主に「薬物療法」です。狭心症の治療において重要となるのが「再び狭心症の状態を起こさせない」そして「血栓を作って血管をふさがないようにする」ことです。下記にてそれぞれの薬についての効果を説明します。
薬物療法
抗狭心症薬
よく心臓の発作時に薬を飲み、症状が落ち着くというシーンがドラマなどでもありますが、それはこの硝酸薬によるものです。
狭心症の発作が起こった際、速効性のあるスプレー式のものや、舌の下で直接溶かすことで硝酸薬を内服し、症状の改善を図ります。硝酸薬には動脈、静脈どちらの血管も拡張させる作用があるため、発作時に速やかに使用することで、発作を抑えることができます。
Ca(カルシウム)拮抗薬
Ca拮抗薬も血管拡張作用がありますが、動脈と冠動脈にのみ効果があります。特に冠攣縮(かんれんしゅく)を抑制する効果があるため、異型狭心症にはきわめて有効です。
β遮断薬
β遮断薬は他の二つとは違い、心臓そのものに働きかけ、心拍数や血圧などを低下させることで、心臓の筋肉が必要とする酸素量を減らす作用を出します。
抗血栓薬
抗血栓薬は文字通り、血栓を予防するお薬です。狭心症の原因の一つとして、血管を血の塊である血栓が一時的にふさいでしまうことがあげられます。そのため、抗血栓薬にて血を固まりにくくすることで、狭心症の再発を予防する効果を期待します。
抗血栓薬には「抗血小板薬」と「抗凝固薬」にわけられ、主に内服による投与を行いますが、中には注射による治療を行うこともあります。

運動療法

心筋梗塞は非常に深刻な病気であり、適切な治療とリハビリテーションが極めて重要となります。運動療法はその一環として、心筋梗塞患者の生活の質を向上させ、再発リスクを低減する効果が期待できます。 医師や専門家の指導の下、段階的に進めていく必要があります。始めのうちは、軽い歩行やストレッチで心臓に負担をかけないよう注意しましょう。徐々に運動量を増やしていくことで、心肺機能の回復や心筋肥大の抑制が期待できます。心筋梗塞患者が運動療法を行う際の注意点は以下の通りです。
  • 医師や専門家の指導を受けること
  • 適切な運動量を見極めること
  • 無理をせず、徐々に運動強度を上げること
  • 運動前に十分なウォーミングアップを行うこと
  • 症状の悪化を感じたらすぐに休むこと
さらに、以下の運動療法が効果的とされています。
有酸素運動
歩行、ジョギング、自転車
筋力トレーニング
軽いウェイトトレーニング
ストレッチ
身体の柔軟性を高めるストレッチング
リラクゼーション
ヨガや瞑想などでリラックスすること
運動療法を取り入れることで、心筋梗塞患者は健康的な生活を送ることが可能になります。しかし、過度な運動は心臓に負担をかけることになりますので、常に適切な運動量を心掛けてください。さまざまな運動をバランス良く組み込むことで、全身の健康を促進し、心臓への負担を軽減することができます。また、心筋梗塞患者としては、食事や生活習慣にも注意が必要です。脂質の摂取量を減らし、野菜や魚介類を中心とした食生活を心がけましょう。喫煙は避けるようにし、ストレスマネジメントにも努めてください。運動療法を継続することで、心筋梗塞患者の心血管リスクを低下させることができます。運動療法だけでなく、生活習慣全般を改善することで、より良い治療結果が期待できます