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『変形性膝関節症』の症状と予防!!

 

福岡県久留米市安武町にある「まつもと整形外科」

 

こんにちは

まつもと整形外科の理学療法士です

 

よく耳にする『変形性膝関節症』ですが、どのような状態なのでしょうか?

徹底解説いたします!!!

 

変形性膝関節症の原因と症状の解明

変形性膝関節症は、関節軟骨の損傷や変形が起こる疾患で、膝の痛みや正座が出来ないなど膝の動かしにくさを自覚します。原因としては、加齢や遺伝的要因、過重な運動や肥満などが挙げられます。また、筋力低下や関節の可動域の制限も、症状の進行に影響します。

症状は個人差がありますが、一般的には膝の痛み、腫れ、可動域の制限、関節の固さなどが起こります。特に階段の昇り降りや正座が困難になることが多いです。

治療には、痛みの軽減や関節機能の改善を目的とした薬物療法や運動療法、リハビリテーションがあり、手術が必要な場合もあります。予防策としては、適切な運動や日常生活の中で膝への負担を軽減する工夫などが求められます。

 

 

病気の進行を招く可能性のある生活習慣

変形性膝関節症の進行を招く生活習慣がいくつかあります。例えば、体重の増加や不適切な運動習慣、長時間座り続けることが関節への負担を増やす要因となります。特に体重が関節に与える影響は大きく、肥満は膝痛のリスクを高めます

また、正しい姿勢や歩行方法が身についていないと、膝や足首、股関節への負担も増えます。適切なストレッチや筋トレによって筋力不足の解消や関節可動域の維持ができます。

これらの習慣を見直すことで、変形性膝関節症の進行を遅らせることが期待できます。理学療法士から適切な指導を受け、生活習慣の改善に取り組みましょう。

 

変形性膝関節症の正確な診断方法

変形性膝関節症の診断は、患者からの症状の訴えや関節の動作確認を行った上で、レントゲンやMRIなどの画像検査が行われます。これにより、関節軟骨の損傷や変形の程度を確認し、適切な治療法を選択します。

画像検査だけでなく、患者の年齢や体型、運動習慣なども重要なポイントです。特に初期の段階では症状が軽微であることが多いため、早期発見が治療効果に繋がります。

 

保存療法の基本的概要

保存療法とは、膝の変形や関節痛に対して手術を行わず、運動や生活習慣の改善を通じて症状の緩和を目指す治療法です。膝の変形や痛みが起こる主な原因は、関節の負担が増えることによる軟骨の損傷であり、筋力の低下や体重の増加が関連しています。

保存療法は手術のリスクや費用がかからず、日常生活への影響も少ないため、軽度から中度の症状であれば第一選択肢とされます。

具体的な方法としては、運動療法としてリハビリが挙げられます。適切な運動によって筋肉を鍛えることで関節の安定を図り、痛みの軽減を目指します。また、日常生活での注意点や体重管理も重要です。適切な靴を選ぶことや、階段の昇り降りに注意を払うことで関節への負担を軽減できます。

保存療法は患者の状態や症状によって効果が異なりますが、長期的な視点で取り組むことが大切です。

 

 

膝の筋力アップに役立つ運動療法

膝の筋力向上に役立つ運動療法は、関節の動作範囲を広げることと筋肉の強化に焦点をあてたものです。運動により筋肉を鍛えることで関節の安定性が向上し、痛みの軽減や運動機能の向上が期待できます。

膝関節の周囲を支える大腿四頭筋やハムストリングスを中心に鍛える方法が効果的です。具体的な運動としては、太ももの筋肉を鍛えるスクワットや、椅子に座ったままで行う前脚の上下運動、ハムストリングスを鍛える場合、椅子に座ったままで後脚の上下運動が挙げられます。適切なインターバルを設けながら継続的に行うことが大切です。

 

スクワットの方法は以下のリンクで写真付きで紹介していますので、ぜひご覧ください

サルコペニア・フレイルについて

 

痛み軽減を目指すストレッチやマッサージ

痛みの軽減を目指すストレッチやマッサージは、筋肉の柔軟性を向上させることで関節の可動範囲を広げ、痛みの原因となる筋肉のこりや緊張を緩和する効果が期待されます。

ストレッチには、太ももの筋肉やハムストリングス、ふくらはぎの筋肉を伸ばす方法があります。ゆっくりとした動作で筋肉を伸ばし、10〜15秒を目安に保持することがポイントです。

一方、マッサージは筋肉の緊張を和らげるために行われます。適切な力加減で筋肉をほぐすことが重要です。痛み軽減を目指すストレッチやマッサージは、日常生活の中で習慣的に取り入れることで効果を実感しやすくなります。

 

日常生活で実践できる予防法

膝関節の変形や痛みを予防する方法は日常生活の中でも実践できます。

まず、適切な運動習慣を身に付けることが大切です。筋力や筋肉の維持・向上に効果的な運動は、膝への負担を軽減し、関節機能の改善に繋がります。加えて、正しい歩行姿勢を意識することが重要です。無理な動作や悪い習慣は、膝への負担を増し、症状の悪化に繋がるため注意が必要です。さらに、適切な体重管理も重要です。肥満や体重の増加は、膝関節や股関節の負担が高まり、変形や痛みが進行する原因となります。

これらの予防法を実践することで、膝関節の健康を保ち、日常生活における痛みや不便を軽減できます。

 

歩行や階段の使い方で膝に負担をかけない方法

歩行や階段の使い方を工夫することで、膝への負担を軽減できます。歩行時には、姿勢を正しく保ち、膝を柔らかく使い、足を前に出す際は、つま先を下ろして地面に接触させることが重要です。階段を使用する場合は、できるだけ膝関節に負担をかけない方法で登り降りしましょう。立った状態で上り始め、下り時には足のつま先が先に地面に着くようにすることで、膝の負担を軽減します。また、長時間立つ際は、膝を曲げることなく脚に体重を掛けることが大切です。これにより、膝への負担が低減され、関節の健康が維持されます。

 

適切な体重管理や足機能についてのポイント

適切な体重管理は、膝関節の健康を維持するうえで重要です。肥満は膝への負担を高め、変形や痛みを悪化させる原因になります。体重を適切に管理することで、膝への負担が軽減され、関節機能が改善されます。また、足の機能については筋肉や靭帯の働きが大切です。適切な運動やストレッチで筋力を向上させ、足の機能を維持しましょう。

これらのポイントを押さえ、日常生活で膝関節の予防に取り組むことが大切です。さらに詳しい情報やサポートが必要な場合は、整形外科専門医や理学療法士にお気軽にご相談ください。

 

【参考文献】

・日本整形外科学会,変形性膝関節症 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.htm

・日本理学療法士協会,変形性膝関節症 https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook07_whole_compressed.pdf

2024年05月01日