頭痛(筋緊張性頭痛)
症状
頭痛や後頭部から首にかけての締めつけられた感じ、圧迫感を自覚します。
・頭が締め付けられるような持続的な頭痛
・肩こり
・目がチカチカ疲れる
・首を動かすと調子がよくなったり、すっきりする
原因
後頭部から首にかけて筋肉や筋膜が硬直して硬くなり、筋肉の血行障害や神経への血流障害で症状を引き起こします。
主な原因
・仕事での首への負担
・首の姿勢の悪さ
・ストレスや精神的緊張
・疲労、目の疲れ
治療
1.内服薬、外用薬
消炎鎮痛薬で炎症を取ったり、筋弛緩薬で筋肉の緊張を緩和させます。外用薬(湿布)も局所の筋肉の炎症を緩和させる作用があります。
2.物理療法
低周波や高周波の電気治療は、筋肉の炎症を取ったり、筋肉の硬直を取る作用があります。
3.リハビリテーション
理学療法士によるリハビリは筋肉や筋膜の硬直を取る作用があり、根本的な解決につながるので最も効果的です。
4.筋膜リリース
硬直した筋肉や筋膜へ注射を行うことで、筋肉や筋膜を弛緩させて症状を緩和させます。エコー(超音波)をみながら、注射しますので神経や血管を避けることができ、安全に注射できます。
片頭痛(偏頭痛)
症状・病態
頭痛には大きく分けて、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛の3つに分類されます。
片頭痛は頭の側頭部が拍動性に痛み、嘔吐や吐き気を催します。また、チョコレートやワイン、チーズで誘発されます。
原因
病態は必ずしも全てが明らかになっていませんが、何らかの誘発がきっかけで、脳の血管が急激に拡張することで引き起こされると考えられています。
治療
治療は主に薬物療法で、トリプタン系薬剤などが使用されます。
肩が痛い
症状
誘因なく突然発症する肩の激痛や加齢や変性による慢性的な肩の痛みがあります。痛みが強くなると、腕を挙げれなくなったり、夜間に痛みが出て寝れなくなることもあります。
原因
加齢に伴い肩を構成する筋肉(腱板)が変性したり、使い過ぎによって筋肉(腱板)がダメージを受けている可能性があります。また、筋肉(腱板)付着部に炎症が起きて石灰が沈着することもあります。
治療
レントゲン撮影や超音波エコー、MRIで原因を特定します。
治療の目標は痛みを取り除き、肩の動きを改善させることにあります。
ステロイドやヒアルロン酸注射で炎症を取り除いたり、リハビリテーションで動きや痛みを改善させます。また、リハビリを行うことで再発を予防していきます。
代表的疾患
四十肩、五十肩、肩関節周囲炎、石灰沈着性腱板炎、肩板損傷、肩板断裂
肩こり
症状
首〜肩にかけての筋肉のこわばり、だるさ、重たさ、痛み
原因
首や肩は多くの筋肉で覆われており、その筋肉は頭や腕を支えているために筋肉が絶えず緊張している状態です。そのため、筋肉が疲労しやすくなります。また、同じ姿勢での作業や携帯電話の操作は首や肩周りの筋肉に負担をかけて、筋肉が固く凝ってきます。
治療
筋肉の緊張を和らげて、筋肉の硬いコリを取る必要があります。消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の内服薬で使用したり、物理療法(温熱療法、電気治療)で筋肉の緊張を和らげて痛みを取ります。症状が強い場合、筋肉のコリが強い場合は、理学療法士によるリハビリで直接的に筋肉をほぐして痛みを取っていきます。
四十肩・五十肩
症状
肩を動かすと痛みが出て、肩が上がらなくなります。悪化すると、安静時にも痛みがあり、さらに悪化すると夜間痛といって寝ているときにも肩がうずいて寝れなくなります。
原因
肩関節や関節周辺の炎症や癒着により、肩に痛みが生じます。肩関節内に炎症が起きて癒着するために、肩がスムーズに動かなくなり、肩関節が固まって拘縮します。
40歳~60歳に多いために、総称して四十肩・五十肩と呼ばれています。特にきっかけがなく、肩の痛みや可動域制限が出現し、1週間以上続くときは、四十肩・五十肩の可能性があります。
治療
治療の目標は痛みと動きの改善になります。消炎鎮痛薬を内服したり、肩関節にヒアルロン酸やステロイド薬の注射を行って、炎症や癒着を取って関節の動きを改善させます。また、リハビリを行って拘縮した肩関節の可動域を改善させます。肩の痛みは、完治するのに非常に時間がかかります。焦らず、根気強く通院して治療を行っていく必要があります。
首が痛い
症状
首のだるさ、痛み
原因
スマートフォンやパソコンの使い過ぎによる首周囲の筋肉の疲れや目の疲れで起きることがあります。また、首に負荷のかかる農作業や重労働も首周りの筋肉や関節がダメージを受けます。
また、加齢に伴い首の骨が変形して、慢性的な痛みを伴うこともあります。
治療
首の筋肉や筋膜に痛みの原因があれば、注射を行ったり消炎鎮痛薬(NSAIDS)を内服します。症状が強い場合は、物理療法(電気治療、牽引)やリハビリを行って首周りの筋肉を緩めて痛みを取ります。
代表的疾患
変形性頚椎症、頚椎捻挫、頚椎症
ストレートネック
このような症状でお悩みではないですか?
- いつも、首や肩が凝っている
- スマートフォンやパソコンを長時間見ることが多い
- 姿勢が悪いとよく言われる
- 肩こりから頭痛がくる
ストレートネックとは
首の骨は前弯といって前方にカーブを描いています。
ストレートネックでは首の骨のカーブがなくなり、ストレイト(真っ直ぐ)になっている状態のことをいいます。
レントゲンで確認して診断をつけることができます。
ご自身でチェックすることもできます。
・壁を背にしてまっすぐ立つ。
・踵、お尻、肩甲骨がぴったり壁に着くようにする。
・後頭部が壁につかないようであればストレートネックの可能性がります。
ストレイトネックでは、首の骨がストレイト(真っ直ぐ)になることで頭の重さを支える時に大きな負担がかかってしまい、首や肩の筋肉や関節に負担がかかってしまい首や肩の筋肉が凝って痛みがでます。悪化すると、頭痛が出現してし、筋緊張性頭痛とも呼ばれます。
なぜストレートネックになるのか
ストレートネックはスマートフォンやパソコンの使いすぎでなることが多く、別名「スマホ首」ともいわれます。
生まれ持った骨の形状のこともあれば、姿勢が悪かったり、運動不足や筋力が弱くなることでもなることがあります。
ストレスや生活習慣が悪い場合にもなるともいわれています。
放っておくと・・・
ストレートネックは放置しておくと、首や肩の凝りが悪化して頭痛を生じることがあります。また悪化していくと首の神経を圧迫して手の痺れがでてきたり、眩暈や耳鳴り、自律神経症状がでることもあります。
治療
まつもと整形外科ではリハビリと物理療法(電気治療)を組み合わせて治療します。首や肩の筋肉の緊張をほぐすと症状は改善してきます。また、筋肉の硬さや首の動き、姿勢を確認して日常生活での指導を行っていきます。
上肢が痺れる、上肢が痛い
症状
上肢の痛みと痺れ
原因
脊髄が通るトンネルを脊柱管と呼びます。椎間板に変性が生じて、脊柱管や椎間孔が狭くなり脊髄や神経根が圧迫されて上肢に神経痛を引き起こします。
治療
痛みが強い場合は、消炎鎮痛薬(NSAIDS)や神経障害性疼痛治療薬を使用します。物理療法(牽引)やリハビリを行って、疼痛の軽減を図ります。
代表的疾患
頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症
交通事故後の首の痛み
症状
交通事故後、首から両肩にかけて痛みが出てきます。事故直後は症状がなくても、受傷から1〜2日後に症状が出ることがあります。
原因
交通事故の場合、シートベルトをしているためにそこを起点として首が強く揺られます。それをきっかけに、骨折がなくても関節や筋肉がダメージを受けて痛みが出てきます。
治療
疼痛が強い場合は、外用薬(湿布)と消炎鎮痛薬(NSAIDS)で疼痛の軽減を図ります。また、事故の影響で首周りの筋肉の緊張が強くなるために物理療法(電気治療)やリハビリで筋肉の緊張を緩めます。
代表的疾患
頚椎捻挫、外傷性頚部症候群、外傷性頚肩腕症候群、バレ・リュー症候群
手足の痺れ
このような症状でお悩みではないですか?
- 手や足がピリピリする
- 手や足の力が入りにくい
- 手、足、指の感覚が鈍い
- 首や肩、腰が痛い
手足の痺れとは
手や足の痺れとは手や足、指がピリピリしたり、感覚が鈍くなったり、感覚が過敏になったりします。
なぜ手足が痺れるのか
手や足、指が痺れる原因として考えられるものには神経の影響や血流の影響が考えられます。何らかの要因で神経が圧迫されたり、血流が悪くなるといったことで痺れが起こります。
手の痺れの原因疾患としては頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、肘部管症候群、手根管症候群、橈骨神経麻痺、正中神経麻痺など、足の痺れの原因疾患として腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など様々な原因が考えられます。また、糖尿病でも手足の痺れが出ることがあります。脳梗塞や脊髄損傷なは末梢神経だけではなく、中枢神経の病気でも痺れが出ることがあるので注意が必要です。
放っておくとどうなるの
痺れは放っておくと改善しにくくなってしまいます。感覚障害や運動障害が出てしまい、手や足の感覚が鈍くなったり、感覚が無くなったりします。
当院での手・指の痺れの治療
手や指の痺れの原因はいろんな要因が考えられ、原因が特定できないこともあります。まつもと整形外科では問診や診察から痺れの原因を特定し、投薬やリハビリで改善を図ります。
手・足の痺れでお悩みの方は是非一度「まつもと整形外科」へお越しください。
手が痛い
症状
手指の曲げづらさ、手指の痛み、手指の関節の痛み
原因
腱鞘炎
手をよく使う仕事や作業をする方は使いすぎでなることがあります。
ヘバーデン結節、ブシャール結節
女性に多い病気で手指の関節が腫れて痛みを伴い、次第に変形してきます。女性ホルモンの原因として考えられています。
手根管症候群
正中神経が通るトンネルを手根管と呼びます。使いすぎやホルモンバランスなど、さまざまな要因でこのトンネルが狭くなり、正中神経が圧迫されます。
治療
腱鞘炎
テーピングやアルフェンスシーネを使用して、指を固定して安静にします。それでも改善がない場合は、ステロイド注射を行ないます。
ヘバーデン結節、ブシャール結節
関節の炎症を抑えるために、外用薬(湿布や塗り薬)を使用します。疼痛が強い場合は、消炎鎮痛薬((NSAIDS)を内服します。物理療法(レーザー治療)で効果が出ることもあります。
手根管症候群
ビタミン剤や神経障害性疼痛の薬を内服します。物理療法(レーザー治療)で手根管内に起きている炎症を抑えます。それでも、改善がない場合は手術が望ましいです。
肘が痛い
症状
肘の外側から前腕(肘〜手首)にかけて痛みが生じます。
原因
手首に負担がかかる動作や作業を繰り返すと、筋肉の付着部に炎症が起きることが痛みの原因です。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とも呼ばれ、テニスプレイヤーによく起こります。しかし、家事や掃除での負担で発症することも多く、誰にでも起こりえる病気です。
治療
症状が軽い場合には消炎鎮痛薬(NSAIDS)や外用薬(湿布)で対応します。また、物理療法(温熱療法、レーザー治療)も効果があります。湿布を貼っても効果がなく、日常生活にも支障がでるようであればステロイド注射が最も効果的です。ステロイド注射は即効性があり、当院ではエコーガイド下(超音波で画像をみながら)にピンポイントで炎症が起きている部位に注射をします。そのため、診察室から出るときには嘘のように症状がほとんどなくなっています。
肋間神経痛
症状
背中や胸、肋骨に針で刺されたような痛みが突発的に出現します。
原因
肋間神経痛は肋骨の下に沿っている肋間神経が何らかの原因で刺激されて症状を発症します。肋間神経痛は疾患名でなく症状なので、原因となる疾患がいくつかあります。原因として、肋骨骨折や帯状疱疹ヘルペスなどが挙げられますが、原因がはっきりしないこともあります。
治療
肋間神経痛の原因となる疾患がわかった場合は、その原因の疾患を治療することで痛みやしびれを改善させていきます。ただ、原因がわからないことも多く、その場合は症状を緩和させるために消炎鎮痛薬や神経痛薬を内服して疼痛軽減を図ります。
ぎっくり腰
症状・病態
急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を「ぎっくり腰」と呼び、正式な病名ではありません。重たい物を持ち持ち上げたり、腰を捻ったり、仕事で腰に負担をかけた際に起こるが多いですが、何もしないでも起きることもあります。
原因
筋肉や椎間板、椎間関節、仙腸関節に炎症が起きていると考えられていますが、画像検査で写らないこともあり、実際には完全には原因が解明されていません。
検査
レントゲンで骨、椎間関節、椎間板の評価を行います。
治療
局所安静のために簡易式コルセットを装着します。また、消炎鎮痛薬の内服や外用薬(湿布)で痛みと炎症を抑えます。痛みが強い場合は、1~2週間継続して内服することで効果が表れることもあります。腰へのトリガーポイント注射も効果的です。
物理療法として電気治療(低周波、高周波)で筋肉の炎症を抑えます。激痛の場合は少し安静にして、腰痛が慢性化してくるようであればリハビリを行っていくことで症状を緩和させます。
高齢者の腰痛
症状
起き上がるときに激しい腰の痛みが出ます。
原因
加齢に伴う腰の変形で起きることもありますが、最も注意が必要なのは腰の圧迫骨折です。腰の圧迫骨折は、転んで尻もちをついて起こすことが多いですが、骨粗しょう症がある場合には骨が弱いために転んだりしなくても突然、骨折を生じることがあります。
治療
コルセットを採型して、約3ヶ月間装着が必要です。また、骨粗しょう症がある場合には骨粗しょう症の治療も行っていきます。また、筋力が落ちて寝たきりにならないようリハビリを行っていきます。
代表的疾患
胸椎圧迫骨折、腰椎圧迫骨折、変形性腰椎症
腰痛症(腰の痛み)
症状
腰を動かしたり捻ったりした時の腰痛
起き上がる時の腰の激痛
原因
・筋肉の疲労や炎症からくるもの(筋膜性腰痛症)
・骨粗鬆症による胸椎圧迫骨折、腰椎圧迫骨折(転倒による骨折、いつのまにか骨折)
・加齢にともなう腰の変形や変性(変形性胸椎症、変形性腰椎症)
治療
・マックスベルト(簡易式コルセット)を装着して、腰部の安静を図ります。
・物理療法として電気治療や腰の牽引を行います。
・腰の痛み止めの注射として、トリガー注射を行います。
・内服薬や湿布薬で疼痛を緩和させます。
・理学療法士によるリハビリで腰のストレッチを行い、腰痛を改善させます。
坐骨神経痛
症状
坐骨神経に沿って、おしりから脚(あし)にかけて起こる痛みや痺れの症状を総称して「坐骨神経痛」と呼びます。
原因
坐骨神経は腰から足の先までつながっている、人体のなかでも最も太くて長い神経です。その坐骨神経が圧迫されることで症状が出現します。坐骨神経痛の代表的疾患として「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」、「梨状筋症候群」が挙げられます。
治療
レントゲン撮影で原因を特定し、必要に応じてMRI検査まで行います。
痛みや痺れを改善させるために、内服薬で疼痛コントロールを行い、さらにリハビリテーションにて疼痛軽減を図ります。
下肢が痺れる、下肢が痛い
症状
腰やお尻の痛み、下肢の痺れ
原因
脊髄が通るトンネルを脊柱管と呼びます。骨や靭帯の肥厚、椎間板の突出などで、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて症状を引き起こします。
治療
内服薬で神経の血流を改善させたり、鎮痛薬で痛みを軽減させます。また、物理療法(牽引、電気治療)やリハビリを行って、症状の改善と筋力の回復を図ります。
代表的疾患
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症
足が痛い
症状
痛み、腫れ、痺れ
原因
足の形状が偏平足の場合、負荷がかかりすぎて足の裏や足全体が痛くなることがあります。
治療
足の形状が悪い場合は、アーチサポーター(足底版)をオーダーメイドで作成します。また、リハビリを行うことで歩行や姿勢の異常を改善させて足への負荷を減らします。
代表的疾患
偏平足、足底腱膜炎、足根管症候群、痛風発作
膝が痛い
症状
痛み、腫れ、膝くずれ、曲げ伸ばしができない
原因
体重や加齢の影響で関節軟骨がすり減って、痛みが出てくることがあります。また、女性に多く、体重の負荷がかかりやすい膝の内側に痛みがでることが特徴的です。
治療
的確な診断をつけて、薬、サポーター、注射、リハビリなどで治療を行っていきます。ヒアルロン酸注射の際は、痛くないようにできるだけ細い針を使います。
代表的疾患
変形性膝関節症、半月板損傷、靭帯断裂
変形性膝関節症(膝の痛み)
症状
歩行時の膝の痛み、正座ができない
原因
体重や加齢の影響で関節軟骨がすり減って、骨同士が衝突したり変形して痛みが出てきます。また、男性より女性に多く、体重の負荷に影響もあるため肥った方に多い傾向があります。
治療
コンドロイチンやグルコサミンなどサプリメンは現時点では科学的に証明できていません。
内服薬、サポーター、注射(ヒアルロン酸)、リハビリなどで治療を行っていきます。ヒアルロン酸注射の際は、痛くないようにできるだけ細い針を使います。
代表的疾患
変形性膝関節症
骨折、捻挫、外傷
症状
痛み、腫れ、変形
原因
捻った、転んだ、強くぶつけた
交通事故や自転車事故、転倒など原因がはっきりしていることが多いと思います。
治療
触診、レントゲン検査、エコー検査で診断をつけます。
骨折や捻挫(靭帯損傷)であれば、ギブスで固定します。機能障害を残さないようにリハビリを行っていきます。
骨折で手術が必要な場合は、総合病院へご紹介します。
傷に関しては、縫合が必要なものは縫合処置します。縫合が不要なものは、できるだけ傷跡が残らないように湿潤療法で上皮化を図ります。
スポーツ中の怪我
症状
足の痛み、手の痛み、腫れ、痺れ
原因
スポーツ中に捻ったり、強打したりした場合はスポーツ外傷と呼びます。
オーバーユース(使い過ぎ)や持続的な負荷によって生じる場合はスポーツ障害と呼びます。成長期の子供に多くみられますが、大人でもなることがあります。
治療
スポーツ外傷であれな、安静・冷却・固定・挙上が初期治療となります。
スポーツ障害であれな、使い過ぎが原因のために安静が必要となります。リハビリをおこなうことで、関節や靭帯の柔軟性が改善されて、再発予防になります。当院ではスポーツリハビリを得意とする理学療法士もいますので、ご相談下さい。
肉離れ
病態
ジャンプやダッシュな、スポーツ動作などの急激な筋肉への負担で筋肉がその衝撃や負担に耐えられなくなり、筋肉の一部が切れたり、裂けたりして炎症・内出血が生じます。
起こりやすい部位
腓腹筋(下腿後面)、ハムストリング筋(大腿後面)、大腿四頭筋(大腿前面)
診断
・診察所見
・エコー検査
エコー検査では腱の断裂やそれに伴う内出血を確認します。
症状
腫れている、内出血している、動かすと痛い
治療
RICE処置。
R(Rest):安静
I(Icing):冷やす
C(Compression):圧迫
E(Elevation):挙上(患部を心臓より高い位置に挙げる)
弾性包帯で患部を圧迫して、内出血を防ぎます。この初期治療が、今後の早期回復期間に影響を与えます。
シンスプリント
このような症状でお悩みではないですか?
- 運動をしていると下腿(スネ)の骨が痛くなる
- 扁平足だと言われたことがある
- 靴の底の内側がすり減っている
- スネの内側を押すと痛い
シンスプリントとは
シンスプリントはスネの内側の下1/3の部分の骨についている筋肉が骨膜を引っ張って骨膜に炎症が起きて疼痛を生じる病気です。10代のスポーツをしている中高生に多く、オーバーユース(スポーツのやり過ぎ)によって起き、「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれます。走る、飛ぶ(ジャンプ)などの動作が多いスポーツをしている方に多く、スポーツを始めたばかりの方にも多く起こりやすいです。
環境や道具の影響も受けて、硬い地面で走ったり、コンクリートの上を走ったり、靴のクッション性が低かったり、急激に運動量が増えたりして、様々な要素が絡み合って発症します。
なぜシンスプリントになるのか
シンスプリントになる原因は脛骨(スネ)の下1/3についている筋肉が骨の骨膜を引っ張ることで、骨膜が微細損傷して、結果として炎症を起こして発症します。
硬い地面を走る、整っていない地面を走る、靴のクッション性が低い、急激に運動量が増えたなど様々な要因が関与しますも。扁平足・O脚、外反母趾などの足のアライメント(形)の崩れや腓腹筋足の柔軟性低下や足首の硬さや柔軟性の低下が関与すると言われています。
扁平足では足のアーチが減少しているために衝撃がうまく吸収できないために足への負担が増えます。腓腹筋や足首の筋肉の柔軟性が低下すると骨膜を引っ張る力が強まるため、足首の柔軟性の低下や筋肉の柔軟性の低下がシンスプリントを発症させる要因となります。
放っておくとどうなるの
シンスプリントは放っておくと歩くだけで痛い、じっとしていても痛い、寝ていて痛いなど日常生活に大きな支障が出ます。痛みのためにスポーツができなるなります。
また、シンスプリントは放置して運動を続けていると疲労骨折を起こし、回復までに時間をかなりの時間を要したり、スポーツの制限をしなくてはいけなくなります。
痛みが出たら早めに治療を受けることをおすすめします。当院では物理療法とリハビリを組み合わせて治療します。
妊娠中、出産後(授乳中)の手指の痛み
症状
手指や手首の痛み
原因
妊娠中や出産後はホルモンバランスに大きな変化がみられます。また、育児中は1日に何度も抱っこをするために手指や手首に大きな負担がかかります。そのために、腱鞘炎を発症しやすくなります。どの指にも起こりますが、特に母指への負担が多く、母指を動かすと手首付近が痛くなるのがドュケルバン腱鞘炎です。
治療
治療として、安静、湿布、ステロイド注射があります。ステロイド注射が最も即効性と効果が期待できますが、授乳中は母乳への薬の移行の影響から、注射へは否定的な医師も多いです。当院では授乳中の赤ちゃんに影響がでないよう、通常の1/3の薬液量をエコーガイド下(超音波でみながら)に注射しています。薬液量が少ないために赤ちゃんへの影響もなく、またエコーガイド下に注射するために少ない薬液量でも確実に腱鞘内に注射するために1回で症状が改善します。
初診時に注射できますので、頻回の受診は必要ありません。お困りの方はお気軽にご相談下さい。
巻き爪(陥入爪)
症状
第1趾(足の親指)の痛みや赤い腫れ
原因
爪が周囲の組織に食い込むと、赤く腫れて炎症を起こします。放置すると、感染を起こして滲出液が出たり、不良肉芽を形成します。
治療
当院では再発を繰り返さないようにフェノール法で手術を行っています。
手術といって、メスで切ったりする訳ではありません。親指に局所麻酔を行ないます。局所麻酔の際は少し痛みを伴いますが、その後はまったく痛みがありません。食い込んでいる爪を端っこのみ部分的に抜去して、薬品(フェノール)を使用して根本から爪が生えてこないようにします。
手術時間確保が困難なために現在、手術を中止しております。
爪白癬(爪の水虫)
症状
爪が白く濁ったり、肥厚して変形します。足の親指(第1趾)にみられることが多いですが、広がると他の足趾にも広がります。
原因
爪白癬は爪に白癬菌(水虫)が感染したために、爪が肥厚したり、白く濁ったりします。進行すると爪が変形して、痛みから歩行障害を起こすこともあります。
治療
抗真菌薬を使用します。抗真菌薬には外用薬(塗り薬)と内服薬があります。外用薬は内服薬と違って副作用の心配はありません。軽症の爪白癬に効果が期待できます。内服薬は外用薬より効果が期待できますが、肝機能障害を起こすことがあり、定期的に血液検査を行う必要があります。
足底腱膜炎(足底筋膜炎)
このような症状でお悩みではないですか?
- 歩くと、足の裏や踵が痛くなる
- 扁平足だといわれたことがある
- 朝起きて歩き出す時が特に痛くなる
- 裸足で歩くと痛くなる
足底腱膜炎とは
足底腱膜とは足の裏にある組織で土踏まずを支え、体重などの衝撃を吸収する機能があります。この足底腱膜に炎症が起きると痛みが出ることを、足底腱膜炎や足底筋膜炎と呼ばれます。
足底腱膜炎が起きる原因として考えられるものとして
・アーチのあまりない靴を履いている
・長時間の歩行や立ち仕事など疲労の蓄積
・スポーツなど激しい動きによる強い衝撃
・扁平足など足の形態の崩れ
・ふくらはぎや足底腱膜の柔軟性の低下
・クッション性のない硬い靴を履いている
など、様々な要因が考えられます。
足底腱膜炎で痛みが出る部分としては①踵②土踏まず③指の付け根といわれています。起床時などの歩き始めに特に痛みが強いが出ることが多く、痛みのために歩く時に踵を浮かせて歩く方もいます。、足底腱膜炎は若年層から中高年、ご高齢の方まで幅広く生じます。
なぜ足底腱膜炎になるのか
足底腱膜炎とは踵の足底腱膜に負担がかかり足底腱膜に微細な損傷が起こることにより炎症や痛みを生じます。
足底腱膜になる要因
・加齢や疲労により足底腱膜が硬くなり柔軟性を失います。その結果、足底腱膜がついている踵や指の付け根を引っ張ってしまいダメージを受けます。
・スポーツなどの激しい動きにより足底腱膜に過度の負担がかかり続け腱膜や筋膜が硬くなる。
・扁平足や外反母趾により土踏まずのアーチが崩れやすくなります。アーチが崩れることで足底腱膜に負担がかかり硬くなり、硬くなった足底腱膜に衝撃が加わることで損傷が起きてしまう。
・ふくらはぎや足の柔軟性の低下は足底腱膜に負担をかけてしまい足底腱膜炎に繋がってしまいます。
放っておくとどうなるの
足底腱膜炎は足底の腱膜や筋膜の微細な損傷によって起こります。放っておいて負担がかかり続けると回復までの時間が長くなってしまいます。また無理して運動などを続けると痛みが強くなり歩くことが困難になってしまうこともあります。
治療
外用薬(湿布)や消炎鎮痛薬で炎症を取ります。疼痛部位へのステロイド注射が最も即効性があり効果的です。もちろん、注射が苦手な方もいますので、そういった場合は物理療法(電気治療やレーザー治療)を使用すると効果的です。
腰椎分離症
腰椎分離症とはサッカー、野球、剣道、陸上、バスケット、バレーなど、様々なスポーツ競技で起こります。特に小学校から中学校で盛んに(週5回以上)スポーツを行っていて、体の硬い子供の発症しやすいのが特徴です。
症状
慢性的な腰痛のこともありますが、分離症の初期は急性腰痛として急激な腰の痛みでスポーツができなくなります。
原因
体が硬いことで、腰椎の椎弓に過度の負担がかかって発症します。
診断
急性期にはレントゲンでは写らないことがほとんどです。CTやMRI検査を行って確定診断を付けます。
治療
まずがスポーツを中止して腰への負担を減らします。硬性コルセットを装着します。
腰回りの筋肉の硬さが原因ですので、リハビリにて腰回りの筋肉に柔軟性も持たせる必要があります。そのため、再発予防のためにもリハビリが最も重要となります。
寝違え
症状
朝起きた時(寝起き)に首が痛くて首を動かせない状態を「寝違え」と言います。寝違えとは「急性疼痛性頸部拘縮」という病名になります。寝ている時の首の捻じれや無理な姿勢のため、首の筋肉や靭帯に負担がかかって炎症が生じることが原因と考えられています。
頚椎のレントゲン撮影を行いますが、一般的な寝違えであれば筋肉や靭帯、関節の炎症のためにレントゲンでは異常は見つかりません。
首の違和感から激痛でまったく動かせないなど症状の程度は様々です。痛みが出てから数時間で改善するものから、1~2週間続くものもあります。
原因
アルコールを飲んで寝ると無理な姿勢で寝てしますことがあるために注意が必要です。また、首や肩の筋肉が硬くこっていると、筋肉を傷めたり炎症を起こしやすくなります。
治療
通常は数日で改善してきますが、長ければ2週間ほどかかります。鎮痛薬を内服したり、リハビリすることで早期の改善が期待できます。
寝違えでお悩みの方は一度「まつもと整形外科」へお越しください。
肩鎖関節脱臼
肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)とは肩甲骨と鎖骨をつないでいる靭帯が損傷を起こして、肩甲骨と鎖骨をつなぐ肩鎖関節が正常な位置から外れている状態です。
肩鎖関節脱臼の原因は何ですか?
男性に発生し、ラグビー、柔道、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツで受傷することが多いですが、それ以外にもスキーやスノーボード、野球などによる衝突や転倒により肩を強打することでも発生します。
肩鎖関節脱臼はどんな症状がでるのか?
肩鎖関節脱臼は、軽症では気付かれないこともあり、肩鎖関節を押したり肩を動かした時に痛みを生じます。ズレが大きくなると、外観的にも腫れてきます。また、痛みのために右肩を動かすことができなくなります。
検査
レントゲンで肩鎖関節のズレがないか確認したり、触診で肩鎖関節に圧痛がないか確認します。
治療
軽症の場合には、保存的治療が行われます。受傷後早期は三角巾で肩の安静を図ります。疼痛の軽減に合わせはリハビリテーションを行い肩の機能回復を図ります。重症の場合はズレた関節を正常な位置に戻すため靱帯を再建する手術が必要になります。
環軸椎回旋位固定
幼児から学童期に、突然首が痛くなり、首をまっすぐ向けることができない状態で、小児に起こる疾患です。
原因
頸椎は7つあり、そのうち第1頸椎を環椎、第2頸椎を軸椎と呼びます。環椎と軸椎の関節を環軸椎関節と呼び、この関節に炎症が起きて首を動かせなくなってしまうのが環軸椎回旋位固定です。
朝起きた時に痛くなっていたり、マット運動後など首に衝撃を受けた後に起こる場合もあります。
また、上気道感染、咽頭炎、喉頭炎、中耳炎など喉や首の周辺に炎症を起こしたことが契機となり発症することもあります。
診断
レントゲン撮影を行います。
必要に応じて、CT検査で精密検査を行います。
特徴
cock robin positionと呼ばれ、顔が横を向いたまま首を動かせなくなります。
治療
頸椎カラーを装着して、鎮痛剤を使用しながら首を安静にすることで、通常は1~2週間で改善してきます。
微熱が続いたり、首の痛みが改善されない場合には、入院し頸椎牽引が必要となることがあります。
猫背
猫背とは
猫背とは、肩が前に出て、背中が丸まってしまう姿勢のことです。猫背の多くの人が、ストレートネック(首がまっすぐ)を併発しています。猫背の姿勢は大胸筋などが短縮して硬くなります。また、首や胸の筋肉は肩の動きにも関係しているため、肩こりや首こりの原因にもなります。
猫背の原因は?
生まれ持った体型であったり、長時間のデスクワークなど日常生活の影響も関係します。
放置しておくと
前屈の姿勢となるために、呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなることで、不眠になったり、倦怠感を感じるようになります。また、肩こりや首こりの原因にもつながります。
治療
胸を張る姿勢の意識だけでは、なかなか治りません。筋肉の柔軟性と耐久性が重要になります。当院では、リハビリにて「人の手による」施術と自宅でのストレッチ法なども含めて治療させていただきます。