女性にとって妊娠や出産は身体に急激な変化をもたらし、また女性ホルモンの影響もあり、骨盤底筋の機能低下が起きて、出産後は腰痛・仙腸関節痛・恥骨結合痛など様々な疼痛や身体の不調で悩まされます。
そもそも産後リハビリとは?
出産後の女性が身体や心の回復を目指すプログラムで、専門の理学療法士がサポートを行います。出産は女性にとって大きな負担がかかるイベントであり、その後の育児もまた体力や精神力を要求します。そこで、産後の女性をサポートする目的でリハビリが行われます。
産後リハビリでは、妊娠・出産で大きな負担を受けた骨盤や筋肉を整える運動やケアが含まれます。当院では、専門的知識をもつ理学療法士が女性の体力回復や骨盤の調整、肩こりや腰痛の緩和などを目的とした運動やストレッチを提供します。特に骨盤のケアは産後リハビリにおいて重要なポイントであり、適切な骨盤の状態を維持することで、産後の様々な不調を軽減することができます。また、産後リハビリでは適切な抱き方や授乳姿勢など、育児に役立つスキルを学ぶことができます。
当院には女性の理学療法士が複数名在籍しており、女性ならではの悩みや体の変化に対する理解が深いため、安心してリハビリを受けることができます。産後の身体や心のケアは、その後の母子の生活に大きく関わる重要な要素です。適切な産後リハビリが行われることで、女性は元気な状態で育児に臨むことができ、赤ちゃんも健やかに育つことが期待できます。お母さんの快適な生活をサポートする産後リハビリを、ぜひ活用していただきたいと思います。
このような症状でお悩みではないでしょうか?
- 肩こり
- 腰の痛み
- 骨盤周囲の痛み
- 恥骨や臀部の痛み
- 頭痛
- 足のむくみ
- 尿漏れ
当院では、妊娠・出産によって生じる腰痛や骨盤周囲の痛みに対して、整形外科専門医による診察と専門知識を持ったリハビリ専門家である理学療法士が、リハビリにて治療を行います。
産後腰痛の原因
原因は、妊娠・出産にともなう急激な身体の変化やホルモンバランスによる骨盤底筋群や腹筋群の機能低下、育児による身体への負担が原因と考えられています。
治療
リハビリ専門家である理学療法士が評価を行い、患者様ひとりひとりに合ったリハビリを提供いたします。
どんな人が対象となるのか?
出産後に腰痛や骨盤痛、身体に不調がある方が対象となります。
産後リハビリを受けるにはどうすればいいの?
外来診察をしていただき、医師によりリハビリが必要と判断された場合は、リハビリにて治療を行います。
産後リハビリは個別リハビリで予約制となっています。
腰痛
産後の腰痛は、多くの女性が経験する問題であり、その原因や対処法について知っておくことが大切です。一般的に、産後の腰痛は出産に伴う体の変化や骨盤周りの筋肉の緩みが影響していることが多いです。まず、産後の腰痛が長期化しないように、早めに整形外科を受診することをおすすめします。医師は腰痛の原因を特定し、適切な治療法を提案します。また、腰痛に合った医療用具やサポーターの使用も助けになることがあります。運動も腰痛改善に効果的ですが、無理のない運動を行いましょう。以下に、腰痛に効果的な運動の例をいくつか挙げます。
散歩
無理のないペースで行い、呼吸法や姿勢に注意して歩くことが大切です。
ストレッチ
筋肉や関節の柔軟性を向上させることが目的です。特に肩甲骨周りや骨盤底筋のストレッチが効果的です。
ヨガ
呼吸と動きをつなげることで心身の調和を目指すエクササイズで、リラックス効果が高いです。
スクワット
骨盤底筋のトレーニングに役立ちますが、無理のない範囲で行いましょう。
腹筋
産後の骨盤の安定や腹筋の回復を促す効果があります。正しいフォームで行うことが大切です。
ただし、運動を始める前に、医師や専門家と相談し、適切な運動プログラムを決定することが大切です。また、無理をせず、自分のペースで運動を進めましょう。
【日常生活で心掛けたいこととしては、以下のようなポイントが挙げられます。】
・姿勢の改善:間違った姿勢は腰痛を悪化させる原因となるため、背筋を伸ばす意識 や、正しい座り方・立ち方を心掛けましょう。
・軽い運動の習慣化:1日の中で何度か軽いストレッチをすることで、筋肉の柔軟性が保たれることに繋がります。
・重い荷物の持ち方:荷物を持つ際は、両手でしっかりと持ち、背筋を使うようにしましょう。
・体重管理:適切な体重を維持することで、腰にかかる負担が軽減され、腰痛の予防に繋がります。
それぞれの運動に取り組む際、無理をせず、自分のペースで行うことが重要です。また、医師や理学療法士と相談し、適切な運動プランを立てることも必要です。産後の運動を通じて、女性は心身の回復を目指しましょう。
腱鞘炎
産後の腱鞘炎は、出産後の女性が抱える悩みのひとつです。この腱鞘炎に悩まされる理由は、妊娠中のホルモンバランスの変化や、育児での手の使い方による影響が大きいとされています。腱鞘炎の症状は、しびれや痛み、手首の腫れや運動制限などがあります。これらの症状が現れた場合、まずは整形外科を受診しましょう。専門の医師による診断が行われ、適切な治療法が提案されます。整形外科での治療法としては、以下の方法があります。
薬物療法
抗炎症薬や鎮痛剤を用いて痛みや炎症を抑える。
リハビリ
理学療法士による手指や手首の関節の可動域改善や筋力アップを目指す。
手術療法
症状が重度で、薬物療法やリハビリだけでは改善しない場合に行う。
治療の一環として、理学療法士によるリハビリが重要です。理学療法士は、適切な運動やストレッチを指導し、手の機能回復に努めます。また、日常生活での手の使い方や、育児における手位置などのアドバイスも提供してくれます。
【具体的なリハビリには、以下のような方法があります。】
・アイソメトリック運動:関節を動かさずに筋力を鍛える
・運動療法:手首の関節可動域を広げるストレッチや、筋力アップを目指す運動を行う
・マッサージ:無理のない範囲で筋肉や腱をもんで柔らかくする
・物理療法:炎症の抑制や血行促進を図るため、保冷剤や温熱材を使用する
最後に、腱鞘炎を予防するためには、手首に負担をかけすぎないことが大切です。育児中のママは、赤ちゃんを抱く時の手の位置や力の入れ方に工夫して、腱鞘炎を遠ざけましょう。以上、産後の腱鞘炎について整形外科での治療や理学療法士によるリハビリ方法をご紹介しました。症状が現れたら、適切な対処を行い、快適な毎日を過ごしてください。
多目的トイレにオムツ替え台があり、授乳室も準備しており、小さなお子様と一緒でも通いやすい環境整備を心がけております。
対応するスタッフは、男性・女性中心で構成されており、出産経験があるスタッフも在籍していますので、辛い悩みに共感しながら一緒にリハビリテーションできます。
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会