首・肩の痛みについて

頭を支える負担がかかりやすい
部位です
首から続く背骨は緩やかなS字状で、骨と骨の間にはクッションの役割を果たす椎間板があり、成人で4〜6kgとされる頭の重さを支えることができます。しかし、不自然な姿勢や疾患により首や肩の周りの筋肉に負担がかかると、このバランスが崩れて痛みやこり、動きの悪さを感じます。原因を明らかにするとともに、適した治療を受けることが大切です。
このような症状、
お悩みはご相談ください
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首が痛い
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腕を上げられない
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首こりに悩まされている
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腕を後ろに回せない
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首を回しにくい
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肩こりがひどい
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首を寝違えてしまった
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肩が重い
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手がしびれている
など
代表的な疾患
- 変形性頚椎症
- 肩関節周囲炎
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 腱板損傷
- 頸部捻挫(むち打ち)
- 肩関節脱臼
- 頸肩腕症候群
- 野球肩
- 頚椎症
- 上腕骨近位端骨折
- ストレートネック
- 肩こり
- 外傷性頚部症候群
- 石灰沈着性腱板炎
など
主な症状・疾患
首のだるさ、痛み
スマートフォンやパソコンの使い過ぎによる、首周囲の筋肉の疲れや目の疲れで起きることがあります。また、首に負荷のかかる農作業や重労働も首周りの筋肉や関節がダメージを受けます。また、加齢に伴い首の骨が変形して、慢性的な痛みを伴うこともあります。首の筋肉や筋膜に痛みの原因があれば、注射を行ったり消炎鎮痛薬(NSAIDS)を内服します。症状が強い場合は、物理療法(電気治療、牽引)やリハビリを行って首周りの筋肉を緩めて痛みを取ります。
ストレートネック
本来、健康な人の頚椎にはわずかな曲線があり、前弯のカーブを描いています。ストレートネックとは、その曲線がなくなって頚椎がまっすぐになった状態を指します。この症状は、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用による姿勢の悪化、ストレス、運動不足などにより引き起こされることがあります。スマートフォンの長時間使用が原因となるケースが増加しており、「スマホ首」と呼ばれることもあります。ストレートネックになると、頭痛、肩こり、首の痛み、不眠などのさまざまな症状が発生します。さらに、慢性的な痛みによりストレスがたまり、それがさらなる筋肉の硬化を引き起こすという悪循環に陥ることもあります。
むち打ち(頚椎捻挫)
交通事故や接触の多いスポーツなどが原因で、首の骨に外から強い力が加わることで起こります。首周りの筋肉や腱がダメージを受けている頚椎(首の骨)の捻挫の一種です。首から両肩にかけての痛みが特徴で、事故直後は症状がなく、1〜2日後に症状が現れることも少なくありません。疼痛が強い場合は、外用薬(湿布)と消炎鎮痛薬(NSAIDS)で疼痛の軽減を図ります。また、事故の影響で首周りの筋肉の緊張が強くなるため物理療法(電気治療)やリハビリで筋肉の緊張を緩めます。
寝違え
朝起きた時(寝起き)に首が痛くて首を動かせない状態を「寝違え」と言います。寝違えとは「急性疼痛性頸部拘縮」という病名になります。寝ている時の首の捻じれや無理な姿勢のため、首の筋肉や靭帯に負担がかかって炎症が生じることが原因と考えられています。頚椎のレントゲン撮影を行いますが、一般的な寝違えであれば筋肉や靭帯、関節の炎症のため、レントゲンでは異常は見つかりません。首の違和感から激痛でまったく動かせないなど症状の程度はさまざまです。痛みが出てから数時間で改善するものから、1~2週間続くものもあります。通常は数日で改善してきますが、長ければ2週間ほどかかります。鎮痛薬を内服したり、リハビリすることで早期の改善が期待できます。寝違えでお悩みの方は一度「まつもと整形外科」へお越しください。
環軸椎回旋位固定
幼児から学童期に見られる疾患で、突然首が痛くなり、首をまっすぐに保つことが難しくなります。スポーツなどで首に衝撃を受けたことで起こる他、朝起きた時に痛みを訴える場合もあります。首の骨の関節が炎症を起こすことが原因になる他、風邪や中耳炎がきっかけになることも珍しくありません。頚椎カラーを装着して、鎮痛剤を使用しながら首を安静にすることで、通常は1~2週間で改善してきます。微熱が続いたり首の痛みが改善されない場合には、入院し頚椎牽引が必要となることがあります。
変形性頚椎症
変形性頚椎症は、加齢に伴って頚椎の椎間板や椎間関節が痛んで変性し、首の痛みや不快感を引き起こす病気です。首の骨は7個の頚椎で構成され、頚椎と頚椎の間には椎間板というクッションの役割を担う組織があり、この椎間板がすり減ることが変形性頚椎症の原因となります。この病気は年齢とともに自然に進行することが多く、特に中高年から高齢者によく見られます。医師による診察とレントゲンで頚椎の変性や骨棘を確認します。診断は医師の診察や画像診断により明らかにされます。治療方法は症状の重さによりますが、薬物療法、物理療法、手術などが選択されます。生活習慣の改善も重要な一環となりますので、適度な運動や休息、バランスの良い飲食などに気を付けることが求められます。
肩の痛み
誘因なく突然発症する肩の激痛や、加齢や変性による慢性的な肩の痛みがあります。痛みが強くなると、腕を上げられなくなったり、夜間に痛みが出て寝れなくなることもあります。レントゲン撮影や超音波エコー、MRIで原因を特定します。治療の目標は痛みを取り除き、肩の動きを改善させることにあります。ステロイドやヒアルロン酸注射で炎症を取り除いたり、リハビリテーションで動きや痛みを改善させます。また、リハビリを行うことで再発を予防していきます。
肩こり
肩こりは現代社会において、子どもからご高齢の方まで多くの人々が悩む問題です。日常生活の中で、デスクワークやスマートフォン、テレビゲームの使用が増加し、長時間同じ姿勢を続けることが原因となります。さらに、ストレスや疲労、運動不足も肩こりの原因となることがあります。肩こりは首~肩にかけての筋肉や筋膜の張りのことを肩こりと呼びます。筋肉や筋膜が硬くなると、血管を圧迫するため筋肉への血行が不良となります。筋肉への血行が不良となると、筋肉に十分な酸素が供給されずに、筋肉に老廃物が増え筋肉は硬くなります。肩こりのリハビリを行う際のポイントは、無理せず継続的に行うことです。無理に筋肉を伸ばそうとすると逆に筋肉が緊張し、効果が得られません。また、継続して行うことで筋肉の柔軟性が持続して向上し、肩こりの予防や改善が期待できます。最後に、肩こりのリハビリだけでなく日常生活の習慣も見直してみましょう。適切な姿勢で座ることや、1時間に1度は立ち上がって歩くなどの工夫が肩こりの予防につながります。肩こりのリハビリは簡単な方法から始めて、自分に合った方法を見つけてみてください。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
肩から腕にかけて強い痛みが現れ、腕が上げづらい、肩が回らないなど動きが低下して日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。40~50代の人に多く見られることから四十肩・五十肩とも呼ばれ、肩関節を包んでいる関節包、靱帯、腱といった組織の老化による炎症が原因です。治療の目標は痛みと動きの改善になります。消炎鎮痛薬を内服したり、肩関節にヒアルロン酸やステロイド薬の注射を行って、炎症や癒着を取って関節の動きを改善させます。また、リハビリを行って拘縮した肩関節の可動域を改善させます。肩の痛みは完治するのに非常に時間がかかります。焦らず、根気強く通院して治療を行っていく必要があります。
肩関節脱臼
肩関節脱臼は、外部からの強い力が加わることによって肩関節が脱臼する状態です。スポーツや交通事故などで起こることが多く、特にコンタクト競技や柔道などでよく見られます。肩関節は可動範囲が広いため、脱臼しやすい関節でもあります。外的要因による、外部からの強い力が加わることによる脱臼であれば、これを未然に防ぐことは難しくなります。しかし、肩の筋力不足や関節の緩み、過去に肩を脱臼した経験がある方は、元々脱臼しやすい状態にあります。
肩鎖関節脱臼
肩鎖関節脱臼は肩と鎖骨をつなぐ関節に負担がかかり、靭帯が損傷して肩峰と鎖骨が外れる疾患であり、スポーツや日常生活で腕や肩に強い力が加わった時に発生します。主な原因は、転倒して肩に直接的な衝撃を受けた際に生じることが多いです。病態としては、関節周囲の靭帯や筋肉、腱が損傷し、関節が不安定になることで脱臼が引き起こされます。この関節損傷により痛みや可動制限が生じ、日常生活動作やスポーツへの復帰が困難になることがあります。また、肩鎖関節脱臼の種類(分類)は、靭帯の損傷程度よって分類されます。肩鎖関節脱臼は、診察所見やレントゲンの画像検査で診断します。適切な治療やリハビリテーションが必要となり、重症度や状態によっては手術が適応となることもあります。
肩腱板損傷
腱板は肩周囲にあって4つの筋肉で構成される組織です。加齢や打撲、無理な動きによるダメージを受けることで、動かした際や就寝時の痛み、動きの不具合などを実感します。腱板損傷がさらに進むと、骨から筋肉がはがれてしまう腱板断裂を起こすリスクがあります。
石灰沈着性腱炎
肩関節の内部にカルシウムの結晶である石灰が沈着することで、急性の炎症が起こっている状態です。40~50代の女性に多く見られます。初期段階では肩の痛みや動かしにくさを感じる程度ですが、石灰がさらに蓄積すると痛みが強くなり、激痛を伴うことも珍しくありません。
よくあるご質問


















対処法:痛みが強い時はアイシング(冷やす)、痛みが落ち着いてきたら温める。(湿布でもOK)