急に起こる腰痛 ぎっくり腰とは
福岡県久留米市安武町にある「まつもと整形外科」
こんにちは今回はよく耳にするぎっくり腰についてご紹介します!
そもそもぎっくり腰とはどのような状態なのでしょうか?ぎっくり腰とは急に起こった腰や背中の痛みのことで、正式な医学用語ではありません。正式な病名は「急性腰痛症」と言います。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰は腰の筋肉や筋膜の炎症、筋肉の肉離れ、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間関節症、仙腸関節由来など様々な原因が考えられ、画像検査で異常がないこともあり、非特異的腰痛に分類されます。

ぎっくり腰を起こしやすい原因とは

多くの場合、不適切な体の動かし方や日常のちょっとした動きが原因です。
◎重いものを持ち上げる
◎腰を捻る
◎大きなくしゃみをする
ぎっくり腰は、ちょっとしたことで、予期せぬ特に起き、何もしていなくてもなることがあります。
腰を痛がる中年男性

重たい物を抱えたときに急に現れる痛み

ぎっくり腰に怖い病気は隠れていませんか??

◎化膿性脊椎炎
◎転移性骨腫瘍
ぎっくり腰は通常は2週間以内に改善してきます。2週間以上、強い痛みが続く場合は上記のような病気を併発していることがあります。
ぎっくり腰の治し方(対処法)
今回は、ぎっくり腰に直面した際の対処法と、将来的な再発を防ぐための予防策を理学療法士の視点からご紹介します。
【自宅でできる対処法】

腰痛は温めた方がいいですか?冷やした方がいいですか?

ぎっくり腰の初期対応には、温めるよりは冷やしてください。温めると炎症が波及して、悪化することがあります。ですので、腰痛が強い時期には長風呂はしない方がいいです。
冷却療法が効果的です。冷却パックを20分程度患部に適用し、炎症と痛みを抑えましょう。腰に負担のかからない楽な姿勢を取ることが大切です。
そして、適度な安静を保ちつつ、完全に動かないわけではなく、可能な範囲で軽い活動を続けても大丈夫です。

腰痛が強いですが、マッサージをしても大丈夫ですか?

慢性的な腰痛であれば、マッサージやストレッチをしても問題ありません。慢性的な腰痛は、筋肉や筋膜の凝りが原因のことも多く、マッサージやストレッチで改善されることがあります。
一方、急性腰痛症では、痛みが強い時は無理なマッサージは腰痛を悪化させることがあります。自己判断で行ってしまうと、もし圧迫骨折が隠れているとその骨折を悪化させるともあります。整形外科専門医の診察と検査を受けて、行うことが望ましいです。
急性腰痛症でも、リハビリを行うことがあります。当院でも急性腰痛症や腰椎圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなどではリハビリを行っておりますが、それは専門性が問われますので、整形外科専門医やリハビリ専門家の理学療法士がきちんと評価を行って、リハビリを行っております。ですので、通常のマッサージとは意味合いが異なります。

運動しても大丈夫ですか?

慢性的な腰痛や予防の面では運動しても大丈夫です。一方、急性腰痛症では無理に運動すると炎症が波及して腰痛が悪化するために、運動は行わない方がよいです。
ぎっくり腰はどれくらいで治りますか?
通常の急性腰痛症では、筋肉や椎間関節の炎症が原因のことが多く、約2週間程度で長くても約4週間程度で治まることが多いです。4週間以上続く腰痛では、圧迫骨折や椎間板ヘルニアなど他の病気が隠れている可能性もあります。

整形外科でのリハビリ治療

症状が改善しない場合は、専門家の診断と治療が必要になります。
まつもと整形外科では整形外科専門医が診察と診断を行い、リハビリ専門家である理学療法士がリハビリや物理療法(電気治療)を行い、鎮痛薬を使った薬物療法を含む治療計画を提案します。リハビリや物理療法は腰痛の軽減のみではなく、腰の筋肉を強化し、柔軟性を向上させることで、再発のリスクを減らし、早期回復につながります。

ぎっくり腰の予防法

ぎっくり腰の予防には、適度な運動やストレッチが大切です。運動不足は筋力低下や筋力の柔軟性が低下するために、急性腰痛症は起こりやすくなります。そして、適正体重の維持、背筋と腹筋のバランスの良い強化も予防の鍵となります。
また、日々の姿勢を意識し、特に重いものを持ち上げる際の正しい方法を実践することは、腰への負担を最小限に抑えるために役立ちます。

まとめ

今回はぎっくり腰の原因と正しい対処法、予防策について専門的な立場からお伝させていただきました。急性腰痛症には、いろんな病気が隠れていることもありますので自己判断で対処するのではなく、一度整形外科専門医の受診をお勧めいたします。
【参考文献】
・日本整形外科学会.ぎっくり腰 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html
2024年04月05日