サルコペニア・フレイルについて 運動の重要性

こんにちは!久留米市安武町にある「まつもと整形外科」理学療法士の清谷です。

 

今回は「サルコペニア」についてお話しさせていただきます。

 

最近、テレビや雑誌で「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」「フレイル」などの横文字を目にしたことがあるのではないでしょうか?

まずは間違いやすい用語の整理から・・・

 

~サルコペニア

筋量低下に加えて筋力の低下や身体機能の低下を伴う場合を表します。

 

~ロコモ(ロコモティブシンドローム)

骨や関節の病気、筋力低下、バランス低下によって転倒・骨折しやすくなることで自立した生活ができなくなり、介護が必要となる危険性が高い状態をさしています。

 

~フレイル

加齢と共に心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、適切な支援等により生活機能の維持・向上が可能な状態と定義されています。

図にまとめると下のようになります。 

   

          Nestle Health Science HPより抜粋し改変

 

サルコペニアはフレイル、またロコモティブシンドロームの中の1つの定義ということになります。

 

診断基準

握力(男性28kg未満、女性18kg未満)かつ歩行速度(1.0m/秒未満)か5回立ち上がりテスト(12秒以上)を満たしており、骨格筋量測定をし、陽性になった場合がサルコペニアとなります。

 

筋肉はずっと減らないの?

筋肉は30歳ぐらいをピークに徐々に衰えていきます。

筋肉は姿勢を維持するような遅筋線維と速く動くときに必要な速筋線維というものがあります。

この2つの線維のうち、加齢に伴い特に速筋線維の萎縮が進むことがわかっています。加齢が進むと速く動くことが難しくなるのはこの速筋線維が衰えてきていることが原因の1つになります。

 

どんなトレーニングをすればいいの? 

スクワット

~ポイント~

テーブルや椅子をつかみ、腰を下げます。体を持ち上げる時に完全に伸ばさずに少し曲げた状態でまた膝を曲げていきましょう。

4秒かけて腰を下ろす、4秒かけて体を持ち上げるというようにゆっくり行いましょう。

 

足開き運動

~ポイント~

テーブルや椅子をつかみ、足を開きます。戻すときは足を地面につけるのではなく、トレーニング中は常に足を浮かせるように意識しましょう。

体は真っ直ぐに!斜めにならないように真っ直ぐのまま開けるところまで足を開きましょう。

こちらも4秒かけて開き、4秒かけて戻します。

 

つま先立ち

~ポイント~

テーブルや椅子をつかみ、つま先立ちをします。ここでも体を下ろすときは地面に踵をつけるのではなく、少し浮かせた状態を保つようにしましょう。

4秒かけて体を持ち上げ、4秒かけて下ろします。

以上の運動を10回×3-4セット、呼吸を止めずに行いましょう。

 

当院では他に物理療法を行いながら患者様の症状に応じた治療・訓練提案を実施しています。

お困りなことがあれば気軽にご相談ください♪

 

Eヘルスネット 厚生労働省

健康長寿ネット

ネスレヘルスネットサイエンス

サルコペニア新診断基準 (AWGS2019)を踏まえた高齢者診療

Management of Sarcopenia in clinical setting

山田 実 日老医誌 2021;58:175―182

2022年09月12日