こんにちは。久留米市安武町にある「まつもと整形外科」、理学療法士の宗です。
当院は2022年5月に移転開院し、生活習慣病外来・糖尿病外来を開設しました!
糖尿病の症状の中で、リハビリの対象となる疾患があるので紹介します。
今回紹介するのは「糖尿病足病変」という疾患です。
◎糖尿病足病変とは?
糖尿病合併症の一つです。糖尿病の方は、足の血管が狭くなる、神経機能が低下する、といったことにより、潰瘍ができたり感染を起こしたりしやすくなります。これらが原因で生じる足のトラブルをまとめて「糖尿病足病変」といいます。
◎症状
・足に傷ができやすく、治りにくい
・足の感覚が鈍くなる
・足が冷たい(血流低下)
・足の変形
・皮膚の乾燥や角化
・・・などがみられます。
足病変は感染と伴うと重症化し、足を切断することに繋がります!
◎検査
・視診:足の変形や潰瘍、壊疽がないか確認します
・ABI:血管年齢を測定し、血管にどれだけ負担がかかっているか測定します
◎治療
・血糖コントロール:糖尿病の重症度が感染症や傷口の治る早さに影響します
・内服、外用治療:感染症がある場合は内服、外用薬による治療を行います
◎糖尿病足病変のリハビリ
・フットケア教育
糖尿病の患者様は足の感覚低下などにより、足病変に気づくことが出来ないことが多くあります。そのため、足に傷が出来ていないか、リスクはないかなど評価をしていきます。
・関節可動域訓練
足関節や足趾の可動域に制限があると、足の裏に必要以上の圧がかかり、足病変を引き起こすリスクとなってしまいます。そのため、関節の可動域を維持、改善させるためにストレッチを行います。
・筋力向上訓練
糖尿病を有する患者様は、神経障害によって50%程度足の筋力が低下すると言われています。足の筋力が落ちると、足の指の変形や歩行能力の低下を引き起こします。筋力の維持・向上を目的に運動指導を行います。
・靴のフィッティングの重要性
靴擦れはその多くが足趾で発生するため、その形状に合わせた靴の選択が重要になります。ランニングシューズなどクッション性の高い靴は足への負担を軽減させることができます。
◎予防
糖尿病を有する方は、そうでない方と比較して、一度足病変になるとその症状を繰り返しやすいと言われています。そのため、足病変にならないように予防することも大切です。
先ほども述べましたが、フットケアにおける足の定期観察は重要です。セルフチェックできる項目もあるため、以下の項目に注目しながらご自分の足をチェックしてみてください。
・足に傷がないか
・足が赤く腫れていないか
・タコや水虫がないか
・足の一部だけ冷たい、または熱くないか
・感覚が鈍くなっているところはないか
該当する項目が多いと足病変が進行してしまう可能性があります。
当院では糖尿病の外来診療に加え、理学療法士や作業療法士によるリハビリに力をいれています。足の状態について不安がある方は検査も可能です。内科診察に関しては予約も受け付けております。お気軽にご相談ください。