【執筆】
この記事は、福岡県久留米市安武町の「まつもと整形外科」院長 松本淳志(整形外科専門医)が執筆しています。
整形外科疾患、交通事故によるむちうちやケガの治療、リハビリテーションについて、医学的な見地から正しい情報をお届けします。
はじめに:夏場に「頭痛」が多くなる理由
夏は猛暑による熱中症や脱水症状が注目されがちですが、実は「頭痛」に悩まされて整形外科を受診される患者さまが非常に増える季節でもあります。
特に夏場は、エアコンの効いた室内と暑い屋外との激しい温度差によって自律神経が乱れやすくなります。
さらに、冷房の風を直接浴びることによる「首や肩の冷え」、発汗による「体内の水分不足」などが重なることで、首や肩の筋肉がガチガチに硬くなってしまいます。
この筋肉の強いこわばりが引き金となって起こるのが「筋緊張性頭痛(きんきんちょうせいずつう)」です。
今回は、久留米市で診療を行うまつもと整形外科が、この筋緊張性頭痛の原因と、整形外科ならではの「首(頚椎)からのアプローチ」、そして根本改善のためのリハビリテーションについて整形外科専門医の視点から詳しく解説いたします。
筋緊張性頭痛とは?その特徴と主な原因
筋緊張性頭痛は、頭痛の中で最も多く見られるタイプです。
「頭全体が締め付けられるような重苦しい痛み」「後頭部から首すじにかけての鈍い痛み」が特徴で、ズキズキと脈打つような痛み(偏頭痛)とは異なります。
主な原因は、頭を支えている首や肩、背中の筋肉の緊張(血行不良)です。
-
長時間のデスクワークやスマートフォンの操作による不良姿勢
-
冷房による身体の冷え
-
精神的なストレスや身体的な疲労
これらが原因で筋肉に疲労物質が溜まり、周囲の神経を刺激することで頭痛が引き起こされます。

【重要】ただの肩こりではない?「頚椎疾患」が隠れている可能性
頭痛が続くと、多くの方は「内科や脳神経外科を受診すべきだろうか」と悩まれます。
もちろん、脳の病気が隠れていないか確認することは非常に大切ですが、整形外科専門医として強調しておきたいのは「筋緊張性頭痛の背景に、頚椎(首の骨)の疾患が隠れているケースが非常に多い」という事実です。
首の骨の間からは、後頭部や頭の側面に繋がる神経がたくさん出ています。
そのため、以下のような「頚椎疾患」があると、首の筋肉が異常に緊張し、筋緊張性頭痛を強く引き起こす原因となります。
-
ストレートネック(スマホ首)
本来あるべき首の骨のカーブが失われ、頭の重さを首の筋肉だけで支え続けることになり、筋肉が過度に緊張します。
-
変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)
加齢や負担によって首の骨や軟骨(椎間板)が変形し、周囲の神経や筋肉に悪影響を及ぼします。
-
頚椎椎間板ヘルニア
首のクッション材である椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで、首・肩の強い痛みや頭痛、腕のしびれを引き起こします。
頭痛薬を内服しても改善しない場合やマッサージ店に通い続けても症状が改善しない場合にはこうした頚椎のトラブルが根本原因である可能性があります。
まつもと整形外科で行う頭痛の治療アプローチ
頚椎疾患や首・肩の筋肉の過度な緊張が原因で起こる「筋緊張性頭痛」に対して、まつもと整形外科では、症状の重さや患者さまのライフスタイルに合わせて以下のような治療を組み合わせ、早期の痛みの緩和を図ります。
薬物治療
頭痛や首の痛みを我慢し続けると、交感神経が刺激されて血管が収縮し、さらに筋肉が緊張するという「痛みの悪循環」に陥ってしまいます。
まずはこの連鎖をいち早く断ち切るために、患者さまの症状に合わせて以下のお薬を適切に処方します。
-
筋弛緩薬(きんしかんやく)
頭痛の根本原因となっている、ガチガチに固まった首から背中にかけての筋肉の異常な緊張を、身体の内側から直接ほぐすお薬(エペリゾン塩酸塩など)を処方します。
-
消炎鎮痛薬(痛み止め)
炎症を鎮めて痛みを速やかに抑えるために、ロキソプロフェン(製品名:ロキソニン)や、胃への負担を抑えたセレコキシブ(製品名:セレコックス)などの飲み薬を使用します。
-
外用薬(湿布・塗り薬)
首すじや肩口に直接作用させる鎮痛消炎テープ剤(ケトプロフェンテープ、ロキソニンテープなど)や、肌がかぶれやすい方にはゲル状の塗り薬を処方します。
-
神経修復薬・血流改善薬
頚椎疾患によって神経が圧迫され、頭痛だけでなく「腕や手のしびれ」などを伴う場合には、傷ついた末梢神経の修復を助けるビタミンB12製剤(メチコバールなど)を使用し、症状の改善を促します。
物理療法(専用の医療機器を用いたアプローチ)
お薬による治療と並行して、患部の血流を物理的に促進し、筋肉に溜まった疲労物質や発痛物質(痛みの原因となる物質)を外へ洗い流すために物理療法を行います。
- 温熱療法
皮膚の表面だけでなく、手では届かない筋肉の深部までじんわりと温めます。患部を温めることで血管が拡張し、こわばった筋肉の血流が大幅に改善され、頭痛の緩和に繋がります。 - 電気治療(低周波治療器・干渉波など)
こり固まった首や肩の筋肉に心地よいリズムで微弱な電流を流します。筋肉が自動的に収縮と弛緩(ポンプ作用)を繰り返すことで血行が促進され、同時に痛みを伝える神経の働きをブロックする効果も期待できます。
- 頚椎牽引(けいついけんいん)療法
頚椎症やストレートネックなどが頭痛の背景にある場合、専用の牽引器を用いて首を優しく上方に引っ張ります。これにより、狭くなった骨と骨の隙間を広げて神経への圧迫を和らげるとともに、首周りの筋肉を持続的にストレッチして緊張を緩和させます。
リハビリテーションが頭痛の「予防」と「根本治療」になる理由
お薬や物理療法で一時的に頭痛や首の痛みが和らいでも、日常の姿勢や身体の使い方が悪いままだと、すぐにまた筋肉がこわばって頭痛が再発してしまいます。
そこで、まつもと整形外科が最も力を入れているのが「リハビリテーションによる根本改善」です。
まつもと整形外科には、理学療法士や作業療法士をはじめとする26名の国家資格を持った専門のリハビリスタッフが在籍しております。
頭痛や首の痛みに対して、以下のような医学的根拠に基づいたオーダーメイドのリハビリを提供します。
-
徒手療法による筋肉のほぐし
ガチガチに固まってしまった首、肩、背中(肩甲骨周り)の筋肉に対し、理学療法士が専門性の高い手技によって丁寧に緊張を解きほぐし、血流を改善させます。
-
姿勢の分析と矯正
ストレートネックや猫背など、頭痛を引き起こす「悪い姿勢」の根本原因を分析します。正しい頭の位置を維持できるように、弱っているインナーマッスルを鍛え、硬くなっている胸周りの筋肉をストレッチします。
-
肩甲骨の動きの改善
肩甲骨がスムーズに動くようになると、首や肩にかかる負担が劇的に軽減されます。
リハビリテーションを受けることは、今ある頭痛の「治療」になるだけでなく、将来的に頚椎疾患を悪化させないための強力な「予防」にも繋がります。
久留米市で長引く頭痛や首・肩の痛みにお悩みの方は、ぜひまつもと整形外科へご相談ください。

よくある質問(Q&A)
Q1. 頭痛がひどいのですが、内科や脳神経外科と、整形外科のどちらを受診すればよいか迷っています。
A1.吐き気を伴う激しい頭痛や手足の麻痺、ろれつが回らないといった症状がある場合は、すぐに脳神経外科や救急科を受診してください。
一方で、「首すじや肩のコリがひどくなると頭痛が出てくる」「後頭部が重だるく締め付けられる感じがする」といった症状であれば、頚椎(首の骨)や筋肉の緊張が原因の可能性が高いため、整形外科の受診をお勧めします。
Q2. 夏場、エアコンの風に当たるとすぐに首が痛くなり頭痛がします。冷やさない方が良いのでしょうか?
A2. はい、筋緊張性頭痛の場合は「冷え」が大敵です。
冷房の冷たい風が直接首や肩に当たると、血管が収縮して血流が悪くなり、筋肉の緊張が一気に強まります。
室内ではスカーフや薄手のカーディガンを羽織るなどして、首回りを冷やさないように工夫してください。
また、お風呂はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって首や肩を温めることも頭痛予防に効果的です。
Q3. まつもと整形外科のリハビリでは、首の骨をボキボキ鳴らすような施術は行いますか?
A3. いいえ、首の骨を無理に鳴らすような危険な施術は一切行いませんのでご安心ください。
まつもと整形外科のリハビリテーションでは、国家資格を持つ理学療法士・作業療法士が医学的知識に基づき、硬くなった筋肉を優しくほぐす徒手療法や、安全なストレッチ、姿勢改善のための運動指導を行います。患者さまのお身体の状態に合わせて、無理のない範囲で痛みの根本原因にアプローチいたします。
当院には国家資格を持つ理学療法士・作業療法士・柔道整復師が計32名在籍しています。
患者さま一人ひとりに合った専門性の高いリハビリメニューを提供させていただきます。
ご不明な点などありましたら、お気軽にご相談ください!
【久留米で整形外科をお探しの方へ】
まつもと整形外科では、整形外科専門医による診療、リハビリテーション、交通事故治療、骨粗しょう症治療など幅広い診療を行っています。
医院紹介や診療内容、診療時間などはトップページよりご覧いただけます。
【関連ブログ】
・【6月の農繁期 第1弾】久留米市で腰・膝・首の痛みに悩む方へ!整形外科専門医が教える原因と対策














