「いつの間にか骨折」という言葉を聞いて、自分にはまだ関係ないと思っていませんか?実は骨の健康は、全身の健康と密接に結びついています。
目次
【久留米市】骨がもろくなるだけじゃない?骨粗しょう症と併発しやすい病気やリスクとは
【監修】
この記事は、福岡県久留米市安武町の「まつもと整形外科」院長 松本淳志(整形外科専門医)が監修しています。整形外科疾患、交通事故によるむちうちやケガの治療、リハビリテーションについて、医学的な見地から正しい情報をお届けします。
まつもと整形外科は福岡県久留米市安武町にある、整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科のクリニックです!!
普段、リハビリの現場で患者さまと接していると、「背中が丸くなってきた」「最近、急に腰が痛い」といったお悩みをよく耳にします。これらは骨粗しょう症が原因であることも多いのですが、実は骨粗しょう症は単に骨が弱くなるだけの病気ではありません。他のさまざまな疾患と深い関わりがあり、それらが連鎖して生活の質(QOL)を下げてしまうことが分かっています。
今回は、骨粗しょう症と併発しやすい病気や、それに伴うリスクについて、詳しく解説していきます。
1. 骨粗しょう症とはどんな状態?
骨粗しょう症は、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気です。加齢や閉経後のホルモンバランスの変化、生活習慣などが原因で、骨を作るスピードよりも壊されるスピードが上回ってしまうことで起こります。
初期段階では「痛み」などの自覚症状がほとんどありません。そのため、気づかないうちに進行し、くしゃみをした拍子や、家の中で少しつまずいただけで骨折してしまうことがあります。
まつもと整形外科では、最新の検査機器を用いて骨密度を測定し、早期発見・早期治療に努めています。しかし、リハビリテーションの現場で私たちが危惧しているのは、骨粗しょう症そのものよりも、それが引き起こす「負の連鎖」です。

骨粗しょう症の状態の骨
2. 骨粗しょう症と併発しやすい「ロコモティブシンドローム」
骨粗しょう症と非常に密接な関係にあるのが「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」、通称ロコモです。
運動器の機能低下が招く悪循環
ロコモとは、筋肉、関節、骨といった「運動器」の障害により、歩行や日常生活に支障をきたす状態を指します。骨粗しょう症によって骨が弱くなると、体を支える力が弱まり、活動量が減ってしまいます。すると今度は筋肉が衰え(サルコペニア)、さらに関節への負担が増えるという悪循環に陥ります。
リハビリでのアプローチ
久留米市のまつもと整形外科で行うリハビリでは、骨を丈夫にするための負荷運動だけでなく、ロコモを防ぐための筋力トレーニングやバランス練習を組み合わせています。骨と筋肉はセットで考える必要があるからです。
3. 脊椎圧迫骨折と「逆流性食道炎」の意外な関係
「背中が曲がってきた」「腰の痛みが引かない」という症状は、骨粗しょう症による「脊椎圧迫骨折」が原因かもしれません。この体型の変化は、消化器系にも影響を及ぼします。
背中が丸まると内臓が圧迫される
骨粗しょう症で背骨(脊椎)が潰れると、いわゆる「円背(猫背)」の状態になります。すると腹部が圧迫され、胃の内容物が逆流しやすくなる「逆流性食道炎」を併発することがあります。
-
胸焼けがする
-
喉に違和感がある
-
食後に胃が痛い
といった症状がある場合、実はその根本的な原因が骨の健康状態にあるケースも少なくありません。
姿勢改善とリハビリの効果
まつもと整形外科のリハビリテーション科では、理学療法士が姿勢の指導も行っています。骨折を防ぐだけでなく、正しい姿勢を保つ筋肉を維持することで、こうした内臓疾患のリスク軽減にもつなげています。

リハビリは重要です。
4. 生活習慣病(糖尿病・高血圧)との深い関わり
骨粗しょう症は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病とも深く関連しています。
糖尿病と骨質の低下
糖尿病の患者さまは、骨密度がそれほど低くなくても、骨の「質」が劣化しているため骨折しやすいことが分かっています。高血糖状態が続くと、骨の中のコラーゲンが劣化し、しなやかさが失われてしまうのです。
動脈硬化と骨代謝
血管の老化である「動脈硬化」が進んでいる人は、骨粗しょう症になりやすいというデータもあります。血管と骨、一見関係なさそうですが、どちらもカルシウムの代謝が大きく関わっているため、一方が悪くなるともう一方も悪影響を受けやすいのです。
5. 認知症と骨折・転倒リスク
骨粗しょう症による骨折、特に「大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨折)」は、認知症の発症や進行を早める大きな要因となります。
寝たきりが脳への刺激を減らす
高齢の方が足の付け根を骨折すると、長期の入院や安静が必要になります。歩けない期間が長引くと、脳への刺激が激減し、急激に認知機能が低下することがあります。
「歩くこと」は最高の脳トレです。まつもと整形外科では、骨粗しょう症の治療と並行して、転倒しないための身体作りをリハビリでサポートし、いつまでもご自身の足で歩ける状態を目指しています。

転倒は骨折だけではなく、認知症とも関連があります
6. 膝や腰の痛み「変形性関節症」との併存
「膝が痛い」「階段の上り下りが辛い」といった症状で来院される患者さまの多くに、変形性膝関節症と骨粗しょう症の併存が見られます。
関節を支える「土台」が脆くなる
関節は軟骨だけでなく、その下にある骨(軟骨下骨)によって支えられています。骨粗しょう症によってこの土台が脆くなると、軟骨にかかる負担が分散されず、関節の変形が加速してしまうことがあります。
久留米市のまつもと整形外科では、単に膝の痛みを取るだけでなく、骨そのものの強度を高める治療を組み合わせることで、長期的な痛みの緩和を目指しています。
7. まつもと整形外科でできる「骨のトータルケア」
骨粗しょう症とそれに伴う併発症を防ぐためには、早期の検査と、継続的なリハビリが欠かせません。
専門的な検査
まつもと整形外科では、骨密度測定装置(DXA法)を用いて、腰の骨や足の付け根の骨を精密に測定します。これが最も信頼性の高い骨粗しょう症の診断方法です。また、血液検査で「骨の代謝状態(骨代謝マーカー)」を調べることで、どのようなお薬が最適かを判断します。
理学療法士によるオーダーメイドリハビリ
医師・看護師や理学療法士が連携し、患者さま一人ひとりの身体状況に合わせたプログラムを作成します。
-
運動療法: 骨に刺激を与え、骨を作る細胞を活性化させます。
-
筋力トレーニング: 転倒を防ぐための「貯筋」を作ります。
-
生活指導: 食事の内容や、家の中での転倒予防策などをアドバイスします。
8. まとめ:骨の健康は全身の健康のバロメーター
骨粗しょう症は、単に「骨折しやすくなる」だけではなく、逆流性食道炎、糖尿病、認知症、変形性関節症など、全身のさまざまな病気とつながっています。
「最近、背中が痛いな」「久留米市付近でリハビリに通いたいけどどこが良いかな」とお悩みの方は、ぜひ一度まつもと整形外科へご相談ください。私たちは、整形外科の専門的な見地から、みなさまが10年後、20年後も笑顔で歩き続けられるようサポートいたします。
骨粗しょう症の治療は、早く始めるほど効果があります。少しでも気になる症状があれば、放置せずに一歩踏み出してみましょう。
【参考文献】
・骨粗鬆症財団, 骨粗鬆症の検査
https://www.jpof.or.jp/osteoporosis/inspection_treatment/tabid255.html
・日本整形外科学会, 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/osteoporosis.html
・日本骨代謝学会, 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン
http://jsbmr.umin.jp/guide/pdf/joint_guideline_2015.pdf
・厚生労働省 e-ヘルスネット, 骨粗鬆症の予防のための食生活
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html
・国立長寿医療研究センター, ロコモティブシンドローム
関連ブログ
・骨粗しょう症は「症状が出る前」に気づくことが何より大切
・そもそも骨粗しょう症ってなに!?
・骨粗しょう症の原因とリスク要因 ― 放っておくと危険!
・高齢者に多い骨折と骨粗しょう症の関係とは?















