【執筆】
この記事は、福岡県久留米市安武町の「まつもと整形外科」院長 松本淳志(整形外科専門医)が執筆しています。
整形外科疾患、交通事故によるむちうちやケガの治療、リハビリテーションについて、医学的な見地から正しい情報をお届けします。
こんにちは。福岡県久留米市の「まつもと整形外科」院長の松本です。
スポーツを頑張る成長期の子供たちを悩ませる「オスグッド・シュラッター病(以下、オスグッド病)」。
前回のシリーズ第1回では、オスグッド病が起こるメカニズムや、単なる成長痛との見分け方について解説しました。
オスグッド病と診断された際、多くの子供たちや親御さんが直面する大きな壁があります。
それは、「休めば痛みが引くけれど、練習を再開するとまたすぐに痛くなってしまう」という悪循環です。
「もう1ヶ月も部活を休んでいるのに、復帰したらまた痛がっている…」
「このままではレギュラーから外されてしまうのではないか…」
こうした焦りと不安を抱えて、当院へセカンドオピニオンに来られる患者様は後を絶ちません。
シリーズ第2回となる今回は、なぜオスグッド病は「休む」だけでは治らないのか、そして、当院に在籍する32名のセラピスト(理学療法士・作業療法士・柔道整復師・鍼灸師)たちが二人三脚で行う「根本原因を解決するスポーツリハビリ」の全貌について詳しく解説いたします。
なぜ「休む」だけではオスグッド病は繰り返すのか?
整形外科を受診してオスグッド病と診断された場合、第一の指示として「まずは痛みが引くまでスポーツを休んでください」と言われることが一般的です。
確かに、炎症が強く起きている急性期において、患部を安静に保つことは非常に重要です。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
「安静にして痛みが消えた=オスグッド病が治った」わけではなく、一時的に炎症が治っているだけです。
休むことで、膝の下の骨(脛骨粗面)や軟骨、腱に起きていた「炎症」は一時的に治まります。
しかし、オスグッド病を引き起こした「本当の原因(身体の硬さや、負担のかかる動作のクセ)」は、休んでいるだけでは何一つ改善されていません。
根本原因が放置されたまま、痛みが引いたからといって以前と同じようにグラウンドを走り、ジャンプをすれば、再び太ももの筋肉(大腿四頭筋)が膝下の柔らかい骨を強く引っ張り、あっという間に炎症と痛みが再発してしまいます。
これが、オスグッド病が「長引く」「繰り返す」と言われる最大の理由です。

痛みの「本当の原因」を見つけ出す
オスグッド病の根本治療とは、「なぜ、その子の膝にばかり過剰な負担がかかってしまったのか」を解き明かし、その原因と取り除くことです。
まつもと整形外科の強みである「32名のセラピスト(理学療法士・作業療法士・柔道整復師・鍼灸師)」の専門的知識と専門的技術で「運動連鎖(Kinetic Chain)」という専え方に基づき、患部である膝だけでなく、全身の関節の動きや筋肉のバランスを詳細に評価します。
オスグッド病を引き起こす代表的な根本原因には、以下のようなものがあります。
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太もも前側(大腿四頭筋)の過剰な緊張
ここが硬いと、膝下の骨を引っ張る力がダイレクトに強くなります。
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太もも裏側(ハムストリングス)や臀部(お尻)の筋力不足
お尻や太もも裏の筋肉がうまく使えないと、前側の筋肉ばかりに頼る「負担の大きい走り方」になってしまいます。
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足首の硬さ(背屈制限)
足首が硬いと、ジャンプの着地時やストップ動作の際に衝撃をうまく吸収できず、そのしわ寄せがすべて膝に集中します。
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股関節の柔軟性低下
股関節がうまく曲がらないと、膝だけを深く曲げて動作を代償しようとするため、膝関節へのストレスが跳ね上がります。
まつもと整形外科の「スポーツリハビリ」
根本原因が特定できたら、230㎡という広大なリハビリテーション室をフル活用し、スポーツ復帰に向けた実践的なリハビリをスタートします。
① 痛みのない徒手療法・ストレッチング
まずは理学療法士が直接手で触れ(徒手療法)、過剰に緊張して硬くなっている大腿四頭筋や周囲の筋膜を丁寧にリリースして柔軟性を出していきます。
痛みを伴う無理なストレッチは、かえって筋肉を硬くしてしまうため行いません。
お子様の状態に合わせ、安全かつ効果的なセルフストレッチの方法も指導します。
② 身体の使い方(動作・フォーム)の改善
筋肉の柔軟性が戻ってきたら、次は「動きの学習」です。 例えば、ジャンプの着地時に膝が内側に入ってしまうクセ(Knee in)を修正したり、膝だけでなく「股関節」をしっかり曲げて着地の衝撃を吸収する動作を反復練習します。
「太ももの前(ブレーキの筋肉)」に頼る動作から、「お尻や太ももの裏(アクセルの筋肉)」を効率よく使う動作へと身体のプログラムを書き換えることで、膝への負担を減らすことができます。
焦る気持ちに寄り添うチーム医療
「早く練習に戻りたい」「試合に間に合わせたい」という子供たちの焦る気持ちは、私たちも痛いほどよく分かります。
だからこそ、当院では単に「休みなさい」と言うのではなく、「今はジャンプは禁止だけど、上半身のウエイトトレーニングや、体幹を鍛えるメニューなら全力でやっていいよ」「来週、炎症が引いていれば、ジョギングから再開しよう」といったように、「今できること」と「復帰までの具体的なロードマップ」を明確にお伝えするよう心がけています。
先が見えることで、子供たちはモチベーションを落とさずにリハビリに前向きに取り組むことができます。

おわりに(第2回のまとめ)
オスグッド病は、決して子供のスポーツ人生を終わらせるような絶望的なケガではありません。
むしろ、早期に正しい身体の使い方を学び、柔軟性を高めることで、ケガをする前よりもパフォーマンスを向上させ、将来のより大きなケガ(前十字靭帯断裂など)を防ぐための「成長のチャンス」と捉えることもできます。
久留米市周辺で、オスグッド病による膝の痛みが長引いている、何度も再発して困っているという方は、ぜひ一度まつもと整形外科のスポーツリハビリへご相談下さい。
当院のスポーツリハビリチームが、お子様のスポーツ復帰を全力でサポートいたします。
さて、リハビリを通じて正しい身体の使い方を身につけ、無事にスポーツ復帰を果たした後、最も大切になるのが「再発させないための日常的なケア」です。
次回、シリーズ最終回となる第3回では、「家庭でできるセルフケアと、サポーターやインソールを用いたトータルサポート体制」について詳しく解説します。
保護者の方にぜひ知っていただきたい内容となっておりますので、どうぞお見逃しなく。
👉オスグッド・シュラッター病(オスグッド)の治療や検査など詳しく知りたい方はこちら
当院には国家資格を持つ理学療法士・作業療法士・柔道整復師が計32名在籍しています。
患者さま一人ひとりに合った専門性の高いリハビリメニューを提供させていただきます。
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