【執筆】
この記事は、福岡県久留米市安武町の「まつもと整形外科」院長 松本淳志(整形外科専門医)が執筆しています。
整形外科疾患、交通事故によるむちうちやケガの治療、リハビリテーションについて、医学的な見地から正しい情報をお届けします。
はじめに:意外と多い「タクシー乗車中」の交通事故
駅からの移動や飲み会の帰り、あるいは雨の日の通勤や通院など、私たちの生活に欠かせない便利な交通手段であるタクシー。
とくに車社会である久留米市や周辺地域では交通量も非常に多く、プロのドライバーが運転しているとはいえ、タクシー乗車中に交通事故に巻き込まれてしまうケースは決して珍しくありません。
タクシー事故の最大の特徴は、ご自身が運転していたわけではないため、「自分はただ後ろの座席に乗っていただけなのに、ケガをしてしまった」という第三者(完全な被害者)の立場になることです。
万が一事故に遭ってしまった際、「自分に過失はないけれど、このケガの治療費はどうなるの?」「タクシー会社?それとも相手の車?どっちが払ってくれるの?」と複雑な状況に、不安な日々を過ごされる方は多くいらっしゃいます。
今回は、車社会である久留米市だからこそ知っておきたい、タクシー乗車中の事故で負いやすいケガの特徴や、状況によって異なる保険の仕組みについて、整形外科専門医が詳しく解説いたします。
タクシー事故に特有のケガ:「無防備な状態でのむちうち」は重症化しやすい
タクシーの後部座席に乗っている時、多くの方はリラックスしてスマートフォンを見ていたり、うたた寝をしていたり、あるいは同乗者と会話を楽しんでいたりするはずです。
この「完全に無防備な状態」で予期せぬ衝撃を受けることが、自身で運転している通常の交通事故よりも、ケガの症状を重く、長引かせてしまう大きな要因となります。
不意打ちによる重度な「むちうち(頸椎捻挫・腰椎捻挫)」
自身で運転していれば、衝突の瞬間に危険を察知して無意識に首や体の筋肉を硬直させ、衝撃に備えることができます。
しかし、乗客は突然の衝撃をまともに受けてしまうため、重い頭が前後左右にムチのように激しく揺さぶられます。
これにより、首(頸椎)の神経や靭帯が深く傷つき、数日後から強烈な首の痛み、めまい、吐き気、手先のしびれを引き起こすなど、通常のむちうちよりも症状が重症化しやすくなります。
前部座席への激突による打撲や顔面外傷
衝突の勢いで体が前に投げ出され、運転席や助手席の背もたれ、あるいはアクリル板などに顔や膝を強打するケースも頻発します。
シートベルト未着用による被害の拡大
現在は後部座席でもシートベルトの着用が義務化されていますが、タクシー乗車時はつい忘れてしまう方も少なくありません。
シートベルトをしていない状態で事故に遭うと、車内で全身を強く打ち付けたり、最悪の場合は車外に放り出されたりする非常に危険な状態に陥ります。
タクシー事故の保険は複雑?「被害者」と「加害者」で異なる仕組み
タクシー事故において患者さまが最も悩まれるのが、「誰の保険を使って治療を受けるのか」という点です。
自分(乗客)、タクシー、相手の車という3者が絡むため複雑に見えますが、大前提として「乗客であるあなたには過失(責任)がないため、窓口での治療費負担は0円になる」ということをまずはご安心ください。
どこの保険会社が対応するかは、事故の状況(どちらが悪かったか)によって以下の2つのケースに分かれます。
ケース①:タクシー側が「被害者」の場合
乗っていたタクシーが信号待ちで停車中に後ろから追突されたなど、タクシー側に全く落ち度がない事故のケースです。
この場合、追突してきた「相手の車(加害者)」が加入している自賠責保険および任意保険が適用されます。
相手方の保険会社が窓口となり、治療費や通院のための交通費、仕事を休んだ場合の休業損害、そして慰謝料などが補償されます。
ケース②:タクシー側が「加害者」の場合
乗っていたタクシーの運転手がスピードの出しすぎや前方不注意などで別の車にぶつかってしまったり、単独で電柱に衝突してしまったりしたケースです。
この場合、乗客であるあなたに対する加害者は「タクシーの運転手(タクシー会社)」となります。
したがって、タクシー会社が加入している自賠責保険や任意保険(タクシー共済など)が適用され、そこから治療費や慰謝料などの補償を受けることになります。
知っておくべき「タクシー共済」の仕組みと、交渉が難航する理由
ケース②のようにタクシー会社が加害者となる場合、一般的な自動車保険会社ではなく、「タクシー共済」という独自の組織が対応窓口になることが多くあります。
そもそも「タクシー共済」とは?
タクシーは一般の車に比べて走行距離が圧倒的に長く、どうしても事故のリスクが高くなります。
そこで、複数のタクシー会社が自ら資金を出し合い、万が一の事故の補償をカバーするために作られた相互扶助の組織が「タクシー共済」です。
なぜやり取りが難しく感じやすいのか?
タクシー共済の担当者は、日々タクシーの交通事故案件のみを専門に扱い、一般的な任意保険とは異なる独自の運用基準や方針を持っていることも多く、患者さまが「まだ痛みが残っているので治療を続けたい」と思っていても、早期に治療終了(症状固定)の打診をしてくるケースがあり、見解の違いから交渉が難航してストレスを抱えてしまう方もいらっしゃいます。
まつもと整形外科が提供する交通事故治療と安心のサポート体制
複雑なタクシー事故に巻き込まれてしまった患者さまが、治療費や示談交渉のストレスから解放され、一日も早く事故前の痛みのない生活を取り戻せるよう、まつもと整形外科は充実したサポート体制を整えています。
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正確な診断と医学的根拠に基づいた治療
レントゲンやエコー検査を用いて、適切な診断を行い、自賠責保険を適用して適切な補償を受けるために必要不可欠な「医師による診断書」を速やかに作成し、患者さまの不利益にならないようしっかりとサポートいたします。 - 専門弁護士と提携したサポート体制(弁護士費用特約の活用)
まつもと整形外科は、交通事故問題に強い複数の弁護士事務所と提携しております。
ご自身やご家族の自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されている場合、原則として窓口での自己負担なしで弁護士にタクシー共済との複雑な示談交渉を依頼することが可能です。
もし特約がない場合でも、現在の状況を踏まえてどのように対応を進めるべきかのアドバイスなど、患者さまが不利益を被らないためのサポートを行っております。
法的なお悩みも決して一人で抱え込まず、まずはご相談ください。 - お仕事帰りにも通いやすい夜20時までのリハビリ体制
むちうちなどの症状を後遺症として残さないためには、事故直後からリハビリを継続することが最も重要です。
日中はお仕事で通院が難しい方でも継続して治療できるよう、まつもと整形外科では平日夜20時まで(最終受付20時)リハビリを行っております。
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理学療法士によるオーダーメイドの手技(リハビリ)
機械による電気治療だけでなく、リハビリの専門家である理学療法士が「人の手」による丁寧なマッサージ(徒手療法)を取り入れ、硬くこわばった筋肉の緊張をほぐし、根本からの症状改善を目指します。

おわりに:乗客には過失がありません。安心して治療に専念を
タクシー乗車中の事故は、「思いがけず巻き込まれてしまった」という精神的なショックに加え、見知らぬ人たち(タクシー運転手、相手の運転手、共済の担当者など)とのやり取りが発生するため、心身ともに大変な疲労を伴います。
しかし、どうか一人で不安を抱え込まないでください。
繰り返しになりますが、乗客であった皆様に事故の責任はありません。
適切な治療と補償を受ける正当な権利があります。
まつもと整形外科では、患者さまの「目に見えない痛みや不安」に寄り添い、医療と法律の両面から、本来の健やかな日常を取り戻すための環境を整えてお待ちしております。
久留米市周辺でタクシー事故のケガにお困りの際は、まずはまつもと整形外科までお気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. タクシーの後部座席に乗っていて事故に遭いました。シートベルトをしていなかったのですが、自分にも過失があるとして治療費の補償は受けられなくなりますか?
A1. シートベルトをしていなかった場合でも、「事故の原因」を作ったのはあくまで運転手(タクシーまたは相手の車)であるため、基本的には窓口負担0円で治療費の補償を受けることができます。
ただし、シートベルト未着用だったことで「ケガが大きくなった」と判断された場合、最終的に受け取る慰謝料などの賠償額が少し減額されてしまう(過失相殺)可能性はあります。
いずれにせよ治療はしっかり受けられますので、ご安心下さい。
Q2.事故直後に救急病院を受診しましたが、今後はまつもと整形外科で治療を受けることは可能ですか?
A2.はい、可能です。
救急病院は重症患者の対応が優先となるため、骨折などの異常がない場合は検査と鎮痛薬のみになります。
しかし、後遺症を防ぐためには事故直後からの継続的なリハビリが不可欠です。平日夜20時まで理学療法士のリハビリを受けられるまつもと整形外科へ転院を希望される方は多くいらっしゃいます。
保険担当者に「まつもと整形外科へ転院したい」とお伝えのうえ、お気軽にご来院ください。
Q3. タクシーに乗っていて追突事故に遭いました。その日は痛くなかったので病院に行きませんでしたが、3日経ってから首が痛くなってきました。今からでも保険を使って治療できますか?
A3. はい、すぐにまつもと整形外科を受診してください。
むちうちの典型的な特徴として、事故直後は脳が興奮状態にあるため痛みを感じず、数日経ってから強い痛みやしびれが出ることがよくあります。
ただし、事故から病院受診までの期間が空きすぎると、保険会社から「その痛みは本当に事故のせいですか?」と疑われ、保険が適用されなくなるリスクが高まります。自己判断で我慢せず、できるだけ早く医師の診察を受けることが大切です。
交通事故
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(平日:9~13時、14時30分~18時 / 土曜:9時~13時)
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