【執筆】
この記事は、福岡県久留米市安武町の「まつもと整形外科」院長 松本淳志(整形外科専門医)が執筆しています。
整形外科疾患、交通事故によるむちうちやケガの治療、リハビリテーションについて、医学的な見地から正しい情報をお届けします。
はじめに:バイク事故の恐ろしさと、増加する配達中のトラブル
通勤や通学、ツーリングといった一般的な移動手段としてだけでなく、近年は「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や「出前館」などのフードデリバリーサービスの普及により、久留米市内でもバイク(原付・自動二輪)を見かける機会が急増しています。
それに伴い、交差点での右直事故(直進バイクと右折車の衝突)や、すり抜け時の巻き込みなど、バイクが関与する交通事故が多発しています。
また、二輪車であるバイクは構造上スリップしやすく、雨天時のマンホールや白線などでの単独転倒も少なくありません。
スピードが出やすいバイクでの転倒や車との衝突は、生身の身体が直接アスファルトに打ち付けられるため、非常に重大なダメージをもたらします。
今回は、バイク事故に特有のケガの特徴や、保険の仕組みについて、整形外科専門医が詳しく解説いたします。
バイク事故に特有の深刻なケガと「むちうち」のメカニズム
バイク事故は、自転車事故と比べても走行スピードが速く、車体そのものも重いため、受ける衝撃のエネルギーが格段に大きくなります。そのため、以下のような特有の外傷を引き起こしやすくなります。
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ヘルメットの重さが引き起こす深刻な「むちうち(頸椎捻挫)」
バイク乗車時はヘルメットを着用しているため、頭部への直接的な致命傷は防ぎやすくなります。しかし、衝突の反動で投げ出された際、約1〜2キロもあるヘルメットの重さが遠心力となって首にのしかかります。これにより、首の筋肉や神経、靭帯が激しく引き伸ばされ、重度で治りにくい「むちうち」や、手先のしびれを引き起こす原因となります。
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車体と地面に挟まれる「下肢の骨折」と「靭帯損傷」
車と衝突した際、重いバイクの車体と車のバンパー、あるいはアスファルトの間に脚を挟まれてしまうケースが頻発します。これにより、太もも(大腿骨)やスネ(脛骨・腓骨)の骨折、膝の重篤な靭帯損傷を負うことが多く、長期的なリハビリが必要になるケースが目立ちます。
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広範囲の擦過傷と重度の打撲
スピードが出た状態で転倒し路面を滑走するため、ライディングジャケットなどを着ていない場合、アスファルトとの摩擦で皮膚や筋肉が深くえぐれるような擦過傷を負います。

配達員必見!ウーバーイーツ等の事故における「保険と労災」の違い
バイク事故の中でも、とくに手続きが複雑で患者さまが悩みやすいのが「配達業務中の交通事故」です。
事故の相手(加害者側)に過失がある場合は、相手の「自賠責保険」を使って窓口負担0円で治療を受け、休業損害や慰謝料を受け取ることができます。
しかし、自分にも過失がある場合や、業務中の事故に対する補償を考える際、「どのような働き方をしているか(雇用形態)」によって使える保険が大きく異なります。
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アルバイト・パート等の場合(店舗の直接雇用)
お店に直接雇用されているアルバイトスタッフが業務中に事故に遭った場合は、国の「労災保険(労働者災害補償保険)」が適用されます。休業補償もしっかりと受け取ることができます。
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個人事業主の場合(Uber Eats、出前館などの業務委託)
フードデリバリーの配達員は、会社に雇用されている労働者ではなく「個人事業主」として扱われるケースが多く、個人事業主は原則として一般的な労災保険は使えません。しかし近年は、配達プラットフォーム側が独自の「傷害補償制度」を用意しているケースや、配達員自身が任意で加入できる「労災保険の特別加入制度」が整備されています。
労災保険の仕組みと個人事業主の関係
1. 通常の労災保険(労働者向け)
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対象: 会社に雇われている「労働者」(正社員、契約社員、アルバイト、パートなど)
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扱い: 個人事業主(業務委託)は「労働者」に該当しないため、原則として対象外となります。
2. 労災保険の「特別加入制度」(個人事業主向け)
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対象: 本来は労災保険の対象外である個人事業主のうち、特定の職種(フードデリバリー配達員、一人親方、タクシー運転手など)
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扱い: 個人が直接加入することはできず、労働局の承認を受けた「特別加入団体」を通じて申請し、保険料(および組合費など)を支払うことで、業務中や通勤中のケガに対して労災保険が適用されるようになります。2021年9月より、特定受託事業(フードデリバリー配達員など)も特別加入の対象となりました。
3. プラットフォーム独自の「傷害補償制度」
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扱い: Uber Eats や出前館などの事業者が、配達パートナー向けに独自で用意している見舞金・傷害保険などの制度です。
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特徴: これは国の公的保険である「労災保険」とは別物ですが、配達員が特別加入をしていない場合でも一定の事故対応や医療費補償がなされるよう用意されているサポートです。
4. 交通事故に遭ったら、まずは整形外科で正確な診断と治療を
バイク事故の後、「様子をみよう」「とりあえず近くの整骨院に行こう」と考える方もいらっしゃいますが、事故に遭った際は、まずは医療機関である「病院」や「整形外科」を受診することが重要です。
・医師による「診断書」の作成
交通事故のケガに対する補償を受けるためには、「事故によるケガである」ことを医学的に証明する医師の診断書が欠かせません。
「物損事故」のままでも自賠責保険を使った治療は可能です。
しかし、痛みが強い場合や治療が長引くことが予想される場合には、後々の補償トラブルを防ぐためにも、警察に「人身事故」として正しく処理してもらうことをお勧めします。
この人身事故への切り替え手続きには、必ず医師が作成した診断書が必要となります。
・レントゲンやエコーなどの画像検査
バイク事故のすさまじい衝撃では、目に見えない筋肉や靭帯、神経のダメージが隠れている危険性が非常に高くなります。
・後遺障害診断書の申請に備えるため
しっかり治療を続けても症状が残ってしまった場合、「後遺障害」の認定を受ける手続きが必要になります。
この申請に必要な「後遺障害診断書」は、医師しか作成することができません。

まつもと整形外科が提供するバイク事故治療とサポート
突然の交通事故によって心身に深いダメージを負われた患者さまが、一日も早く「事故前の痛みのない日常」を取り戻せるよう、まつもと整形外科はスタッフ一丸となって交通事故治療とサポートに全力で取り組んでいます。
・医学的根拠に基づいた的確な治療
画像検査で痛みの原因を正確に特定し、患者さまの症状の段階に合わせた治療を行います。
【お薬による治療(飲み薬・外用薬)】
事故直後の強い痛みに対しては、痛みを和らげると同時に「炎症(腫れや熱)」をしっかり抑える飲み薬(NSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛薬など)を処方します。胃への負担が心配な方には胃薬を一緒に処方するなど、体質に合わせて調整します。 さらに、痛む場所に直接成分が浸透する医療用の湿布や塗り薬(外用薬)も組み合わせることで、より効果的に痛みを和らげます。
【医療機器による治療(物理療法)】
お薬での治療と並行して、専用の医療機器を用いた治療(物理療法)も行います。
筋肉の緊張をほぐす低周波・干渉波治療器をはじめ、患部の深部まで温めて血流を良くするマイクロ波、首や腰の負担を軽くする牽引機などを症状に合わせて組み合わせ、傷ついた組織の早期修復を促します。
お仕事帰りにも通いやすい夜20時までのリハビリ
むちうち等の後遺症を防ぐためには、定期的なリハビリが欠かせません。
「日中は仕事や配達があり通院できない」という患者さまがしっかりと治療に専念できるよう、平日夜20時まで(最終受付20時)リハビリを行っております。
理学療法士によるオーダーメイドのリハビリ
交通事故によるケガは、日によって痛みの状態が変化することも珍しくありません。
当院では、硬くこわばってしまった首や肩の筋肉に対して、理学療法士がマッサージ(徒手療法)を取り入れた丁寧な手技を行うだけでなく、固まった関節の動きを良くするストレッチや、ご自宅でできるセルフケア(正しい姿勢や運動)の指導まで、回復段階に応じたオーダーメイドのリハビリを提供します。
患者さま一人ひとりの症状に親身に寄り添いながら、後遺症を残さないための根本からの改善を図ります。
救急病院からの転院・継続リハビリにも対応
夜間や休日に事故に遭い、救急外来や総合病院を受診された患者さまの受け入れを積極的に行っております。
「救急病院では痛み止めと湿布をもらっただけで、その後の治療が不安」という方も、当院がしっかりと治療を引き継ぎます。
専門弁護士と提携したトータルサポート
休業補償の問題や、過失割合など、バイク事故ならではの複雑なトラブルに対しても、当院が提携する交通事故専門の弁護士をご紹介することが可能です。
治療から法的なお悩みまで一貫してサポートいたします。
バイクでの交通事故に遭ってしまい、久留米市内で頼れる病院をお探しの際は、決して一人で抱え込まず、まずはまつもと整形外科へお気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. ウーバーイーツの配達中に車と衝突しました。自分は個人事業主ですが、相手の車が悪かった場合、治療費や仕事を休んだ分の補償はどうなりますか?
A1. 相手の車に過失がある場合、あなたの雇用形態(個人事業主かアルバイトか)に関わらず、相手方の「自賠責保険」や任意保険が適用されます。
そのため、まつもと整形外科での窓口負担は0円となり、治療のために配達業務を休まざるを得なかった期間の「休業損害」や「慰謝料」も相手方の保険から支払われます。安心してまずは治療に専念してください。
Q2. フルフェイスのヘルメットを被っていたので頭や首は打っていませんが、事故の数日後から首が回りません。これもむちうちですか?
A2. はい、典型的なバイク事故による「むちうち(頸椎捻挫)」の可能性が非常に高いです。
頭を直接打っていなくても、重いヘルメットを被った状態で急激な衝撃を受けると、首の筋肉や靭帯が引き伸ばされて激しく損傷します。
事故直後は脳が興奮して痛みを感じにくいため、数日遅れて症状が出ることがよくあります。
後遺症を残さないためにも、すぐに整形外科で診察と画像検査を受けてください。
Q3. 休日の夜にバイク事故に遭い、救急病院に運ばれました。骨には異常がなく「あとは近くの整形外科へ行ってください」と言われたのですが、まつもと整形外科へ転院できますか?
A3. はい、もちろん可能です。
救急病院はあくまで緊急時の「応急処置」が目的であるため、継続的なリハビリなどは行われないことがほとんどです。
紹介状がなくても、保険会社の担当者様へ「これからの治療はまつもと整形外科へ通います」とご連絡いただくだけで、スムーズに当院での本格的な治療やリハビリに移行することができます。
どうぞ安心してご来院ください。
【お問い合わせ・ご予約はこちら】
お電話:0942-27-0755
(平日:9~13時、14時30分~18時 / 土曜:9時~13時)
駐車場:69台完備
【初診の方へ】
交通事故治療を受けられる方はネット予約が可能です(24時間受付中)
【久留米で整形外科をお探しの方へ】
まつもと整形外科では、整形外科専門医による診療、リハビリテーション、交通事故治療、骨粗しょう症治療など幅広い診療を行っています。
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