「赤ちゃんを抱き上げるたびに、手首にズキッとした激痛が走って辛い……」そんな悩みを一人で抱え込んでいませんか?
目次
【久留米市】抱っこや授乳で手首が痛い?産後腱鞘炎の原因と改善のためのリハビリ
【監修】
この記事は、福岡県久留米市安武町の「まつもと整形外科」院長 松本淳志(整形外科専門医)が監修しています。整形外科疾患、交通事故によるむちうちやケガの治療、リハビリテーションについて、医学的な見地から正しい情報をお届けします。
まつもと整形外科は福岡県久留米市安武町にある、整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科のクリニックです!!
出産という大仕事を終え、待ったなしで始まる育児生活。幸せな時間であるはずなのに、手首の痛み(腱鞘炎)のせいで、おむつ替えや授乳が苦痛になってしまうお母さまは非常に多くいらっしゃいます。
今回は、理学療法士の視点から、なぜ産後に腱鞘炎が起こりやすいのか、その原因と対策、そして久留米市のまつもと整形外科で行っているリハビリについて詳しく解説していきます。
産後腱鞘炎(ド・ケルバン病)とは?
産後のお母さまを悩ませる手首の痛みの多くは、医学的には「ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」と呼ばれます。
親指を動かすための2本の腱(短母指伸筋腱と長母指外転筋腱)と、それを通すトンネルのような役割をする「腱鞘(けんしょう)」が擦れ合い、炎症を起こして厚くなることで痛みが生じます。
よくある症状の例
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親指の付け根付近が腫れている
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親指を広げたり、力を入れたりするとズキッと痛む
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物をつかむ動作や、ペットボトルの蓋を開けるのが辛い
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手首を小指側に倒すと強い痛みが出る
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朝起きた時に手首がこわばっている感覚がある
これらの症状に心当たりがある場合、無理をして使い続けると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。

なぜ「産後」に手首の痛みが起きやすいのか?
産後の腱鞘炎には、大きく分けて「ホルモンバランスの変化」と「身体的な負荷」の2つの要因が関係しています。
① ホルモンバランスの影響(リラキシンとエストロゲン)
出産前後には、赤ちゃんが産道を通りやすくするために「リラキシン」というホルモンが分泌され、全身の関節や靭帯を緩めます。この影響は手首の関節にも及び、関節が不安定な状態になります。
また、出産後に急減する「エストロゲン(女性ホルモン)」には、腱や腱鞘を滑らかに保つ働きがあるため、不足することで摩擦が起きやすくなり、炎症へと繋がります。
② 慣れない育児動作によるオーバーユース
24時間体制で行われる育児は、想像以上に手首を酷使します。
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授乳時の頭の支え: 同じ姿勢で長時間、手首を固定して支える動作。
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抱っこ: 赤ちゃんの首が据わる前は、特に手首を返して支える形になりがちです。
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沐浴: 片手で赤ちゃんの頭を支えながら洗う動作は、親指側に強い負荷がかかります。
久留米市の生活環境では、家事や育児に加え、車の運転なども重なることで、さらに手首を休める時間が取れなくなっている現状があります。

気が付かないうちに、手首を使用しています
まつもと整形外科での診断と治療の進め方
手首が痛いと感じた時、「育児中だから仕方ない」と我慢してしまう方が多いですが、早期受診が早期回復の鍵となります。まつもと整形外科では、以下のような流れでサポートを行います。
医師による正確な診断
まずは整形外科専門医が、エコー検査(超音波検査)などを用いて腱の状態を確認します。腱鞘がどれくらい厚くなっているか、炎症の程度はどのくらいかを可視化することで、最適な治療方針を決定します。
保存療法(手術をしない治療)
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安静・固定: 必要に応じて、サポーターやテーピングで手首の動きを制限します。
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薬物療法: 授乳中の方でも安心して使用できる湿布や塗り薬を処方します。
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注射: 痛みが非常に強い場合は、腱鞘内に少量のステロイドを注射し、速やかに炎症を抑える処置を行うこともあります。
理学療法士が伝える「産後リハビリ」の重要性
まつもと整形外科では、痛みを取るだけでなく、「痛みを繰り返さない体づくり」のためにリハビリテーションを重視しています。
① 育児動作のアドバイス
痛みの原因となっている動作を分析し、負担の少ない方法を一緒に考えます。
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授乳クッションの活用: 腕の力だけで支えず、高さを調整して手首の力を抜く方法。
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抱っこの仕方の修正: 手首を曲げすぎず、前腕全体や体幹で支えるコツをお伝えします。
② ストレッチとセルフケア
前腕(肘から下)の筋肉が硬くなると、腱への負担が増します。理学療法士は、自宅で簡単に行える有効なストレッチを指導します。
③ 筋力バランスの調整
産後は体幹(インナーマッスル)が弱まり、その分、末端の手首や肩に余計な力が入る「代償動作」が起きやすくなります。全身のバランスを整えることで、手首へのストレスを分散させます。

一人ひとりお話を聞きながら、オーダーメイドの治療を進めていきます
自宅でできる簡単チェックとストレッチ
ここで、ご自身でできるチェック法と、負担を和らげるストレッチをご紹介します。
フィンケルシュタイン・テスト
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親指を他の4本の指で握り込み、拳を作ります。
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そのまま拳を小指側(下方向)へゆっくり倒します。
この時、手首の親指側に激痛が走る場合は、腱鞘炎の可能性が非常に高いです。
腕の筋肉をほぐすストレッチ
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痛い方の腕を前に伸ばし、手のひらを自分の方に向けます。
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反対の手で、伸ばした方の手の甲をゆっくり自分側に引き寄せます。
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腕の外側の筋肉が伸びているのを感じながら、20秒キープします。
※痛みが強すぎる場合は中止してください。
久留米市で産後の不調にお悩みの方へ
久留米市には多くの子育て世帯がいらっしゃいますが、産後のお母さまのケアは、どうしても赤ちゃん優先になりがちです。しかし、お母さまが笑顔で育児を続けるためには、ご自身の健康が何よりも大切です。
「リハビリに通いたいけれど、赤ちゃんを連れて行ってもいいの?」という不安もあるかと思いますが、まつもと整形外科は地域に根ざしたクリニックとして、お子さま連れの方も安心して通院いただける環境づくりに努めています。
手首の痛みだけでなく、産後の腰痛、膝の痛み、股関節の違和感など、どんな小さな悩みでも構いません。久留米市のまつもと整形外科には、経験豊富なスタッフが揃っています。
まとめ
産後腱鞘炎は、多くのお母さまが経験する疾患ですが、決して「時間が解決するのを待つだけ」のものではありません。適切なケアを行うことで、痛みから解放され、より楽しく育児に向き合えるようになります。
「肩が痛い」「手首の痛みが引かない」といった症状があれば、早めに久留米市のまつもと整形外科へご相談ください。私たちが、あなたの育児生活を全力でバックアップいたします。
産後リハビリ
まつもと整形外科には、理学療法士・作業療法士・柔道整復師が32名所属しております。出産を経験した医療スタッフも多数所属しており、お母さんのサポートをさせていただきます。
産後の体調不良や痛みに悩まれている方は、一度お気軽にご相談ください。
参考文献
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公益社団法人 日本整形外科学会「ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/de_quervain_disease.html
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一般社団法人 日本手外科学会「手外科シリーズ 1.ド・ケルバン病」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「更年期障害と女性ホルモン(参考:女性のライフステージとホルモン変化)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-061.html















