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抱っこ紐の使い方、間違えていませんか?|久留米市の整形外科|まつもと整形外科

抱っこ紐の使い方、間違えていませんか?

「最近、腰が痛いけれど、出産後だから仕方ないのかな
「抱っこ紐を使っていると、だんだん腰に重だるさが出てくる

そんな風に感じていませんか?

福岡県久留米市安武町にある「まつもと整形外科」

こんにちは !

久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科の理学療法士の渡邊です!

 

抱っこ紐の使い方、間違っていませんか?

 

理学療法士として産後リハビリに携わっている私が、今回は多くのママたちが悩む「抱っこ紐と腰痛」の関係についてお話しします。


産後に現れることの多い腰痛。実はその腰痛、抱っこ紐の使い方が原因になっているかもしれません。

特に0歳児を育てているママにとって、毎日長時間の抱っこは当たり前。便利なはずの抱っこ紐が、知らず知らずのうちに腰に負担をかけている可能性があります。

 

産後ママに腰痛が起こりやすい理由とは?

 

まず、産後の身体はとてもデリケートです。出産によって骨盤は大きく開き、筋力は妊娠中に低下しています。特に、体幹(お腹や背中まわり)の筋肉が弱っていると、上半身を支える力が低下しやすくなります。

また、産後は赤ちゃんのお世話で「前かがみ」や「中腰」の姿勢が増え、筋肉や関節に無理な力がかかりやすいのも特徴です。

こうした身体の状態に、間違った抱っこ紐の使い方が加わると、腰痛や肩こり、股関節の痛みなどにつながるリスクが高まってしまいます。

 

腰に手を当てる女性

腰痛の原因はさまざま

 

抱っこ紐が腰に与える影響とは?

抱っこ紐は両手が使える便利な育児アイテムですが、装着方法によっては次のような負担を腰にかけてしまいます。

 

1. 重心の位置がずれる

 

赤ちゃんの位置が前に出すぎていると、体がバランスを取るために腰を反らせる姿勢になります(反り腰)。この姿勢は腰椎(腰の骨)に強い負担をかけ、慢性的な腰痛を引き起こします。

 

2. ベルトの位置が高すぎる・低すぎる

 

腰ベルトの位置が高すぎると腹部を圧迫し、骨盤の安定性を損ないます。逆に低すぎると支点が不安定になり、より多くの筋力を必要とするため疲労がたまりやすくなります。

 

3. ショルダーベルトの負担が分散されていない

 

肩にだけ重みがかかっていると、体幹で支えられず腰にその負荷が集中してしまいます。理想は「肩・腰・背中」で均等に体重を分散することです。

 

正しい抱っこ紐の装着ポイント

〜腰に負担をかけないために気をつけたい4つのコツ

赤ちゃんとのお出かけやお世話に欠かせない抱っこ紐。
実は、使い方ひとつでママの腰への負担が大きく変わります
以下のポイントを意識して、産後の体をしっかり守りましょう。

 

赤ちゃんの位置は「頭にキスできる高さ」に

 

赤ちゃんの位置が、自分のあごのすぐ下にくる高さが理想です。
自然に顔を近づければ頭にキスできるくらいの距離。
高すぎず、低すぎず、ママの体にフィットする位置が◎。

 

腰ベルトは「骨盤の少し上」に巻く

 

ベルトを巻く位置は、骨盤の一番出っ張った骨(上前腸骨棘)より少し上あたり
ここにベルトがくると、体幹が安定して腰への負担も軽減されます。
骨盤ベルトのようなサポート効果も得られますよ。

 

肩ベルトは「ぴったり密着」が正解

 

肩ベルトがゆるいと、赤ちゃんの重さが腰に集中してしまいます。
肩にフィットするようにしっかり締めて、赤ちゃんと体が密着する距離感をつくりましょう。
密着していることで赤ちゃんも安心感が増します。

 

赤ちゃんの足は「自然なM字」に開く

 

足をまっすぐ下げるのではなく、左右に広げてM字になるようにサポートしましょう。
これは股関節脱臼の予防にもなり、赤ちゃんもママもラクな姿勢に。
無理のないM字開脚が、体全体のバランスを整えてくれます。

 

抱っこ紐を使用する女性

抱っこ紐の正しい使い方をマスターしましょう

腰痛を予防するために大切なセルフケア

 

抱っこ紐を正しく使っても、長時間の抱っこはどうしても腰に疲労がたまります。そこで、産後ママが無理なくできる簡単なセルフケアをご紹介します。

 

ドローイン(インナーマッスルの活性化)

やり方:

  1. 仰向けで膝を立てる
  2. お腹を凹ませながら「フーッ」と息を吐く(10×5回)
  3. 背中が床から浮かないように注意

腹横筋という体幹の奥の筋肉を鍛えることで、腰の安定性がアップします。

以下のブログで具体的な方法をご紹介してますので、ぜひご覧ください!

➡️➡️➡️ドローイングとブレーシングという呼吸法とは?

 

 

産後リハビリで得られること

抱っこ紐の使い方の改善とともに、理学療法士が提供する産後リハビリを受けることで、より早く・より確実に身体の機能を回復させることができます。

 

たとえば、こんなお悩みに対応できます

  • 抱っこや授乳での腰・肩の痛み
  • 骨盤の歪みやぐらつき
  • 腹直筋離開(ぽっこりお腹)
  • 股関節・恥骨周辺の痛み
  • 体型が戻らない

マンツーマンで姿勢や動作を評価し、一人ひとりに合ったエクササイズを指導します。

 

最後に:ママが笑顔で育児を続けるために

 

「子どもが泣くから、腰が痛くても我慢して抱っこしてしまう
「自分の体よりも赤ちゃんを優先しがち

 

そんなママの姿をたくさん見てきました。ですが、ママの身体こそが育児の土台です。身体の不調を我慢せず、抱っこの仕方やセルフケア、リハビリで少しずつ改善していきましょう。

正しい知識と少しの工夫で、ママの腰痛は確実に軽減できます。
そして、何よりママが元気でいることが、赤ちゃんにとって一番の安心です。

 

赤ちゃんを抱えるお母さん

ママの身体こそが育児の土台

 

 

産後リハビリ

まつもと整形外科には、理学療法士・作業療法士が26名所属しております。出産を経験した医療スタッフも多数所属しており、ママの笑顔を全力でサポートをさせていただきます。

産後の体調不良や痛みに悩まれている方は、一度お気軽にご相談ください。

 

当院のリハビリについては こちらをタップ!!!

 

【参考文献】
・リガクラボ,産前産後の身体の変化を知ろう https://rigakulab.jp/2023/01/06/id000170/
・平元奈津子,産褥期のリハビリテーション医療 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/60/7/60_60.572/_pdf/-char/ja
・松谷綾子,ウィメンズヘルス理学療法 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009392300/_pdf/-char/ja