出産という大きなライフイベントの後、育児に追われる中で「腰が痛い…」と感じる方は少なくありません。産後の腰痛は、実は多くの女性が経験するものであり、決して珍しいことではありません。
福岡県久留米市安武町にある「まつもと整形外科」
こんにちは !
久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科の理学療法士の陶山です!
理学療法士として多くの産後の方と接してきた経験から、今回は「なぜ産後に腰痛が起きるのか」「どのように対処すれば良いのか」について、わかりやすくご紹介いたします。
目次
なぜ産後に腰痛が起こるのか?
骨盤のゆるみと歪み
妊娠中、リラキシンというホルモンの影響で骨盤周辺の靭帯が緩み、出産に備えて骨盤が開くようになります。この状態が産後もしばらく続くことで、骨盤の安定性が低下し、腰に負担がかかりやすくなります。
また、出産時の骨盤の歪みが戻らず、そのまま育児を始めると、腰に偏った力がかかり続けて痛みの原因になります。
筋力の低下
妊娠中〜出産後にかけて、特に腹筋や骨盤底筋群といった体幹の筋肉が弱くなります。体幹の筋力が低下すると、腰椎や骨盤を支える力が足りず、結果として腰に負担が集中しやすくなります。
育児動作による負担
赤ちゃんを抱っこしたり、おむつ替えをしたりと、前かがみの姿勢が多くなりがちです。こうした育児動作は、腰に大きな負担をかけることがあり、慢性的な腰痛へとつながることがあります。

育児動作による負担の影響も大きいです
産後腰痛の対処法
骨盤を整える
産後1〜2ヶ月は骨盤がまだ不安定な状態です。この時期に無理な動きをすると、かえって骨盤の歪みを悪化させてしまいます。まずは安静を心がけ、少しずつストレッチや骨盤ベルトの使用を取り入れていきましょう。
筋力トレーニングの実施
体幹の筋肉、特に腹横筋や骨盤底筋群をターゲットにした軽いトレーニングを行うことで、腰への負担を軽減できます。最初は呼吸法を意識しながら、仰向けで骨盤を安定させるエクササイズなどから始めましょう。
正しい姿勢と動作の獲得
抱っこや授乳時の姿勢が悪いと、腰に大きな負担がかかります。赤ちゃんの位置を高く保つ、足を組まずに座る、反り腰にならないよう注意するなど、日常動作の中での工夫が大切です。
また、床から物を持ち上げるときは、腰だけでなく膝を使って動作することも重要です。
まとめ:無理をせず、自分の体に目を向けましょう
産後の腰痛は、育児の忙しさの中でつい後回しにされがちですが、長い目で見れば早期の対処が鍵となります。
「痛みがあるのは頑張っている証拠」ではなく、「今の自分の体が助けを求めているサイン」だと受け止めてください。
当院には、理学療法士・作業療法士が26名所属しております。出産を経験した医療スタッフも多数所属しており、お母さんのサポートをさせていただきます。
産後の体調不良や痛みに悩まれている方は、一度お気軽にご相談ください。
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【参考文献】
・リガクラボ,産前産後の身体の変化を知ろう https://rigakulab.jp/2023/01/06/id000170/
・平元奈津子,産褥期のリハビリテーション医療 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/60/7/60_60.572/_pdf/-char/ja
・松谷綾子,ウィメンズヘルス理学療法 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009392300/_pdf/-char/ja