野球をされてる方は必見!リハビリの成功法則

福岡県久留米市安武町にある「まつもと整形外科」

こんにちは

久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です

野球選手にとって怪我は避けられない問題です。特に関節の怪我はリハビリが必要で、軽視すれば状況が悪化し、選手生命にかかわることもあります。今回は、野球選手が直面する主要な関節の怪我について、その予防策としてのトレーニング、リハビリでの適切な運動とスケジュールについて解説します。

野球での怪我とリハビリの重要性

野球は投球動作で肩関節や肘関節に多くの負担がかかるために、肩関節や肘関節に怪我が起こりやすいです。選手にとって、怪我を早期に治療し、リハビリを適切に行うことが重要です。怪我が発生する原因として、投球時の肩や肘の損傷や練習時の膝や足のケガがあります。また、筋力トレーニングの不足や投球フォームの悪さも関係します。

適切なリハビリはスポーツ復帰までの時間短縮や再発防止に繋がるため大切です。

野球ボールとバット

怪我の予防が重要

野球選手が直面する主要な関節の怪我

野球選手が直面する主要な関節の怪我は以下の通りです。

肘関節: 投球動作で肘が過剰なストレスを受け、靭帯損傷や軟骨損傷が起こる。

肩関節: 投球やスローイング等によるアームアクションが痛みや損傷を引き起こす場合がある。

膝関節: 走塁や守備動作中の捻挫や骨折、靭帯損傷が生じることがある。

これらの怪我は選手のパフォーマンス低下や長期にわたるリハビリが必要になることがあり、予防や早期治療が大切です。

怪我の発生を低減する予防策としてのトレーニング

怪我の発生を低減する予防策としてトレーニングが重要です。筋力トレーニングやストレッチを行い、関節可動域を広げて機能を向上させることが効果的です。

特に投球動作による肘や肩の負担を軽減するために、周囲の筋肉を鍛えることが大切です。柔軟性を高め、リラックスしたフォームで投げられるように努めることも重要です。

バッティングをする高校球児

正しいフォームが重要

リハビリ期間の適切な運動とスケジュール

リハビリ期間中の適切な運動には、以下が挙げられます。

– 軽いストレッチや筋力トレーニング

– 患部を避けた全身運動

– 一定期間後のスローイング練習

運動のスケジュールは怪我の程度や治療状況に応じて設定する必要があり、整形外科専門医や理学療法士と連携しながら計画を立てることが望ましいです。

適切なリハビリが復帰までの時間短縮と再発防止に繋がります。

フォーム改善で怪我の再発を防ぐ

野球での怪我は、フォームや動作の改善によって防ぐことができます。肩や肘の負担を減らすために、適切な投球フォームを身に付けることが重要です。

具体的なフォーム改善方法としては、まず筋力トレーニングが挙げられます。筋肉の強化は、関節や腱にかかる負担を軽減し、怪我のリスクを低下させます。次に、ストレッチと柔軟性向上も大切です。柔軟性が高まることで、怪我に対する身体の耐性が上がるだけでなく、動作の効率も向上します。

専門家の意見を取り入れることも重要です。指導者やトレーナー、理学療法士、整形外科専門医と密接に連携し、継続的にフォームをチェックし、適切に修正されるようにしましょう。また、リハビリテーションの過程で怪我の原因となる動作やフォームの改善に努めることが、再発防止につながります。

痛みが出た場合や怪我をした場合は、適切な診療とアドバイスを受けることが大切です。怪我の再発を防ぐためには、選手と関係者が連携し、互いに情報を共有し、適切な対策を講じることが求められます。

投手が陥りやすい肩と肘の怪我

野球の投手は、肩と肘への負担が大きいために、怪我に悩まされることが多くあります。肩の怪我には、上腕骨骨端線離開(リトルリーグショルダー)、インピンジメント症候群、腱板損傷、肩関節唇損傷、肩関節不安定症(ルーズショルダー)、肩甲上神経麻痺などがあり、これらは繰り返し投球動作が原因であることが多いです。肘の怪我には、野球肘と言われる上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)、上腕骨内側上顆裂離、上腕骨内側上顆骨端線閉鎖不全、上腕骨内側上顆骨端線離開、内側側副靭帯損傷、離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭障害)、肘頭骨端線閉鎖不全、肘関節内遊離体(関節ねずみ)があります。

投球動作での肩と肘への負担を軽減することは、怪我予防につながります。フォームの改善や筋力トレーニング、ストレッチなどの体づくりを行うことが重要です。また、適切な投球コントロールと投球数の管理も怪我予防に役立ちます。

怪我が起きた場合は、すぐに適切な治療を受けることが大切です。整形外科専門医の診療や理学療法士による適切なリハビリテーションが怪我の回復を助けます。

野球肘の症状、原因、そして治療法

野球肘は、投球動作による肘への過度な負荷が原因で発生する障害です。主な症状は、肘の内側に痛みや腫れが生じることで、症状が進行すると関節の可動域が制限されます。

野球肘の原因は、投球動作による肘関節への反復負荷や、成長期の選手における骨の成長と筋肉や靱帯のバランスからくるものであり、適切な対策が必要です。

野球肘の治療法は以下のようなものがあります。

– まず、痛みがひどい場合は安静にし、冷やすことで炎症を抑える。

– 次に、筋肉や関節の柔軟性を向上させるストレッチを行う。

– 筋力トレーニングを行い、怪我の再発リスクを減らす。

– 投球フォームを見直し、肘への負担を減らす。

– 指導者や整形外科医、理学療法士のアドバイスを受け、適切な治療やリハビリテーションを行う。

野球肘は、適切な対策と治療により改善されることが多いが、重症化した場合は手術が必要となることもあります。選手自身や関係者が、野球肘の症状や原因を理解し、早期発見と適切な対応が重要です。

守備をする高校球児

段階を重ねながらリハビリを進める

野球肩の克服への具体的なリハビリステップ

野球肩は投球動作による肩関節への負担が原因で起こる痛みや障害です。リハビリは適切な方法で行うことが重要で、以下のステップで進めましょう。

– まずは安静にして患部を休める

– 炎症や痛みを和らげる治療を受ける

– 痛みが軽減されたら筋力トレーニングやストレッチで肩関節を改善

– 投球フォームの見直しや全身の筋力を向上させる

復帰までの時間は個々に異なりますが、焦らず無理をせず進めることが大切です。

適切な整形外科の選び方とリハビリ開始時期

適切な整形外科の選び方は以下のポイントをチェックしましょう。

– スポーツ選手の治療経験が豊富

– リハビリスタッフが充実している

– スポーツリハビリを立ち上げている

– アクセスが良く、通院しやすい

リハビリを開始するタイミングは痛みが軽減し、医師の許可が得られたときです。開始時期を遅らせると筋力が低下してしまうため、できるだけ早めに始めることが望ましいです。

身体全体を鍛える積極的なリハビリ

身体全体を鍛えるリハビリは肩だけでなく、腰や膝、肘など他の関節も含めた運動能力の向上を目指します。無酸素運動(筋力トレーニング)や有酸素運動を行い、全身をバランス良く鍛えることで肩への負担も軽減され、怪我の予防にもつながります。

不安定な部位を強化する筋力トレーニング

不安定な部位を強化する筋力トレーニングは、関節の安定性を高めることで怪我のリスクを減らす効果があります。例えば、肩周りの筋肉は投球時に大きな負担がかかるため、ローテーターカフを鍛えることが重要です。また、核となる幹部分の筋肉も強化し、全身のバランスを整えることが大切です。具体的なトレーニング方法はプランクやバックエクステンション、トルコ式ゲットアップなどが挙げられます。

柔軟性向上のためのストレッチ

柔軟性向上はスポーツパフォーマンスの向上と怪我予防に不可欠です。ストレッチングは筋肉の柔軟性を改善し、筋膜リリースは筋肉の緊張を緩和する効果があります。両者を組み合わせることで、怪我のリスクを減らしながら運動能力を向上させることが可能です。

具体的なストレッチ方法としては、全身の筋肉を対象にした動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)や静的ストレッチ(スタティックストレッチ)があります。ダイナミックストレッチは筋肉を動的に伸ばすもので、ウォームアップに適しています。スタティックストレッチは筋肉を静的に伸ばすもので、クールダウンやリカバリー時に行うのが望ましいです。

適切なストレッチを継続的に行うことで、柔軟性が向上し、野球において重要な肩や肘の関節を守ることができます。

実践的な練習方法で復帰前のパフォーマンスを向上

怪我からの復帰に向けて、実践的な練習方法を取り入れることでパフォーマンス向上が期待できます。具体的には、リハビリの進捗に応じたフィジカルトレーニングやスキル練習が挙げられます。

フィジカルトレーニング: 筋力向上や筋持久力の強化が必要である場合、ウェイトトレーニングや運動強度の高い有酸素運動を行う。

スキル練習: 投球動作や打撃フォームの改善を目指して,スローイング練習やティーバッティングを行う。

怪我の状態や回復過程に応じて、個別に適切な練習プランを立てることが重要です。また、練習中に痛みや不調が生じた場合は、無理をせずトレーニング内容を調整することが大切です。

野球の怪我:リハビリのまとめ

野球の怪我でリハビリは疼痛の改善、機能の改善において非常に重要になります。また、再発を繰り返さないための投球指導は絶対に欠かすことができません。リハビリの過程で痛みや不調が生じた場合は、無理をせず適切な対応を行うことが重要です。整形外科専門医や理学療法士と相談し、個々の状況に応じた最適なリハビリプランを立てることが、怪我からの復帰をスムーズに進めるために不可欠です。

スポーツリハビリ

まつもと整形外科ではスポーツでのケガの治療を専門とするスポーツリハビリチームがあり、

スポーツでのケガの治療を専門とする理学療法士が治療を担当します。スポーツリハビリでは、スポーツでのケガに対して早期スポーツ復帰、再発の予防、パフォーマンス向上を目的としてリハビリを行っていきます。競技特性に応じた専門的なリハビリが必要となるために、スポーツでのケガでお悩みの方、リハビリをご希望の方はぜひご相談下さい。

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【参考文献】

・日本整形外科学会,野球肘 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/baseball_elbow.html

2024年09月27日
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会
院長 松本 淳志