変形性膝関節症|久留米の整形外科|まつもと整形外科【西鉄安武駅徒歩2分】

変形性膝関節症 KNEE_OSTEOARTHRITIS

変形性膝関節症|久留米の整形外科|まつもと整形外科【西鉄安武駅徒歩2分】

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう・へんけいせいしつかんせつしょう)とは、膝の関節軟骨がすり減ることで炎症や痛み、関節の変形が起こる病気です。 加齢や肥満、O脚、筋力低下などが主な原因ですが、加齢の影響は大きく、年齢と共にダメージが蓄積して、劣化が進みます。中高年の女性に多く見られます。
関節軟骨は、骨と骨の間でクッションのような役割を果たしています。この軟骨がすり減ると骨同士が直接こすれ、炎症や水(関節液)の貯留、膝の腫れ・こわばり・痛みを引き起こします。
初期のうちは「歩き始めだけ痛い」といった軽い症状ですが、放置すると徐々に進行し、階段の昇り降りや正座がつらい、歩くのも困難になることがあります。

症状

CONSULTATION

  • 膝の内側が痛む
  • 立ち上がりや歩き始めに痛みが出る(初動時痛)
  • 長く歩くと膝が重くなる・腫れる
  • 正座やしゃがみ動作ができない
  • 階段の昇り降りがつらい(特に下り)
  • 膝がゴリゴリ・ポキポキ鳴る
  • 朝のこわばり、動かすときの違和感

など

原因

主な原因とリスク要因

加齢(軟骨の水分・弾力が減少) 肥満(体重による膝への負担増大) 運動不足による大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の筋力低下 O脚などの下肢アライメント異常 過去の膝のケガ(半月板損傷・靭帯損傷、骨折など) 遺伝的要因や女性ホルモンの影響

肥満やO脚が影響する

体重が増えると、関節の軟骨にかかる負荷が強くなります。そのため、肥満傾向で体重が増えると、変形性膝関節症が進行します。また、O脚(膝が外側に広がる体型)は、関節の内側に体重が集中するために、膝の内側の関節軟骨がすり減りやすくなり、変形性膝関節症のリスクを高める可能性があります。 体重が1kg増えると膝には約3倍の負担がかかるといわれており、体重管理と筋力維持が進行予防の大きな鍵になります。

検査・診断

問診・触診

◯痛みの場所・経過・生活習慣の確認
◯膝の腫れ・可動域・歩行状態のチェック

画像検査


◯レントゲン検査
関節の隙間の狭まり、骨の変形や骨棘(とげ)の有無を確認
◯エコー検査
関節水腫(関節内の水)を確認
◯MRI検査(必要に応じて)
軟骨や半月板の損傷の程度を詳しく評価

治療法

鎮痛薬・湿布

◯鎮痛薬(内服):炎症や痛みを和らげます。 ◯湿布(外用薬):患部の熱感・腫れを抑えます。

ヒアルロン酸注射

膝関節内にヒアルロン酸を注入し、関節の動きを滑らかにします。

◯潤滑作用で摩擦を減らす
◯炎症を抑え、痛みを軽減
◯関節の保護・修復を促す

2週に1回を数回行うことで、徐々に効果が現れることが多いです。

物理療法

◯温熱療法(ホットパック・遠赤外線):血流を促進し、筋肉の緊張をやわらげます。
◯電気治療(低周波・干渉波):痛みの伝達を抑制し、筋肉を刺激します。
◯超音波治療:深部の血流を改善し、炎症やこわばりを軽減します。

装具療法

◯膝の動きをサポートするサポーターの使用
◯O脚変形が強い場合は足底板(インソール)で負担を分散

手術療法(重症の場合)

保存療法で改善しない場合、関節鏡手術や人工膝関節置換術が検討されます。ただし、多くの方はリハビリと生活改善で痛みをコントロールできます。

リハビリテーション

徒手療法

理学療法士が手技で筋肉や関節を丁寧にほぐし、膝の動きを改善します。

◯膝関節周囲の筋膜リリースやストレッチ
◯太もも・ふくらはぎなど硬くなった筋肉の緩和
◯関節包(関節を包む膜)の柔軟性を高めて動かしやすくする

膝のこわばりを取り除き、血流を促進して痛みを和らげます。

筋力強化トレーニング

膝を守るためには、筋肉による「支え」が欠かせません。特に「太もも(大腿四頭筋)」「お尻(中殿筋)」「ふくらはぎ(下腿三頭筋)」の筋力をバランスよく鍛えます。
◯仰向けで行う膝伸ばし運動(クアドセッティング)
◯椅子に座ってできるレッグエクステンション
◯立位でのスクワット・ステップ運動
◯チューブやバランスボールを使った安定化トレーニング

「筋肉で関節を守る」ことが、最も効果的な再発予防になります。

関節可動域改善運動

関節が硬くなると、痛みや歩行時の負担が増えます。膝の動きを引き出す運動で、関節の滑らかさを取り戻します。

◯タオルを使った膝曲げ伸ばし運動
◯自転車こぎ(エアロバイク)でスムーズな可動運動
◯足首・股関節の柔軟性向上ストレッチ

「動かすことで関節を潤す」ことが、痛みの軽減にもつながります。

姿勢・歩行・動作指導

膝の痛みを悪化させないためには、正しい体の使い方を身につけることが大切です。

◯姿勢評価と歩行フォームの分析
◯椅子からの立ち上がり方、階段の昇降指導
◯膝に負担をかけない体重移動の練習
◯靴・インソールの選び方アドバイス

“痛みを起こさない動作”を身につけることで、生活の質(QOL)が向上します。

物理療法(痛みの緩和・血流促進)

機器を使用して、炎症やこわばりを取り除きます。
◯温熱療法(ホットパック・遠赤外線)
血流促進・筋緊張の緩和
◯電気治療(低周波・干渉波)
痛みの伝達を抑える

リハビリ効果を高め、動かしやすい状態へ整えます。

自宅でのセルフトレーニング指導

◯自宅でできるストレッチ・筋トレ
◯生活動作中の姿勢・体重のかけ方の意識
◯負担を減らす日常生活の工夫(階段・立ち上がり・家事姿勢)

「通院で良くなり、自宅で維持する」ことが大切です。

セルフケア・予防

自宅でできるケア

◯膝を温めて血流を良くする(入浴・温タオル)
◯就寝前や起床時に太もも前のストレッチ
◯椅子から立ち上がる練習を毎日少しずつ

生活習慣のポイント

◯体重管理(1kg減で膝の負担は約3kg軽くなる)
◯階段は手すりを使う
◯長時間の正座・しゃがみ込みを避ける
◯クッション性の高い靴を選ぶ

Q&A

Q

膝の軟骨は再生しますか?

A

一度すり減った軟骨は完全には元に戻りませんが、ヒアルロン酸注射や筋力強化で痛みの軽減と進行予防が可能です。

Q

動かすと悪化しませんか?

A

痛みのない範囲で動かすことは大切です。適度な運動は血流を改善し、関節を守ります。

Q

手術しないと治らないのですか?

A

ほとんどの方は保存療法(リハビリ・注射・装具など)で改善します。重症例のみ手術が検討されます。

Q

サプリメントは効果がありますか?

A

サプリメントは「医薬品」ではなく「食品」に該当します。医薬品のように治療効果が保証されていないために、整形外科での治療に加えて補助的に内服する方もいますが、こちらから推奨して内服してもらうことはありません。