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猫背を治す!リハビリで変わる姿勢と健康|久留米市の整形外科|まつもと整形外科

猫背を治す!リハビリで変わる姿勢と健康

まつもと整形外科は福岡県久留米市安武町にある、整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科のクリニックです!!

 

こんにちは 

 

久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です

 

猫背を治す!リハビリで変わる姿勢と健康

 

猫背は、現代人にとって避けがたい姿勢の問題であり、見た目だけでなく、健康や生活の質にも大きな影響を及ぼします。

整形外科とリハビリテーションの視点から、猫背の原因、影響、改善方法について詳しくご紹介いたします。

猫背とは?その定義と特徴

 

猫背とは、背中が丸まり、頭が前方に突き出た姿勢を指します。

医学的には「胸椎後弯(きょうついこうわん)」と呼ばれ、背骨の自然なS字カーブが崩れた状態です。

この姿勢は、首や腰のバランスを崩し、筋肉や関節に過度な負担をかけることになります。

 

猫背の原因

 

1. 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用

 

長時間の座位や前かがみの姿勢は、背中や首の筋肉に負担をかけ、猫背を引き起こします。
特に、パソコンやスマートフォンを使用する際の姿勢が影響します。

 

2. 筋力の低下

 

体幹部の筋力低下、特に背筋や腹筋の弱化は、正しい姿勢を維持する力を減少させ、猫背を助長します。

 

3. 骨盤の歪みや脊椎のアライメント不良

 

骨盤の後傾や脊椎の歪みは、身体全体のバランスを崩し、猫背の原因となります。

 

4. 精神的なストレスや緊張

 

ストレスや緊張は、筋肉の硬直を引き起こし、姿勢の悪化につながることがあります。

猫背の原因

長時間のデスクワーク

 

猫背がもたらす健康への影響

 

猫背の姿勢は、一見すると単なる「姿勢の悪さ」と軽視されがちですが、実際には身体のあらゆる機能に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。以下に主な影響を詳しく紹介します。

 

1. 首・肩・腰の慢性痛と可動域制限

 

背中が丸まることで頭の位置が前方に移動し、首の筋肉(特に後頸部の僧帽筋上部)が過緊張状態になります。結果として、肩こりや首の痛みが慢性化しやすくなります。また、腰椎の彎曲のバランスも崩れ、腰痛の原因にもなります。長期的には肩関節や頸椎の可動域が狭くなり、日常動作に支障をきたすこともあります。

 

2. 呼吸機能の著しい低下

 

猫背になると胸郭が圧迫され、横隔膜の動きが制限されます。これにより呼吸が浅くなり、酸素摂取量が減少します。結果として、倦怠感や集中力の低下、代謝機能の低下が生じる可能性があります。特に高齢者においては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)との関連性も指摘されています。

 

3. 消化・排泄機能への影響

 

内臓が圧迫されることで、胃腸の働きが鈍くなり、食欲不振や消化不良、便秘が起こりやすくなります。また、血流が滞ることで腹部の冷えや下腹部の張りを訴える人も多いです。女性では生理不順や冷え性を引き起こす一因になることもあります。

 

4. 自律神経のバランスの乱れ

 

猫背によって首や背中の神経にストレスがかかると、自律神経系の働きが乱れ、不眠、動悸、不安感、抑うつ症状などの精神的な不調にもつながることがあります。交感神経が優位になることで緊張状態が続き、リラックスしにくくなります。

 

整形外科での猫背治療

 

猫背が原因で首・肩・腰の痛み、頭痛、手足のしびれ、さらには消化不良などの症状が出ている場合、整形外科の受診が重要です。整形外科では、まず詳細な問診と視診、触診を行い、姿勢バランスの確認と脊椎の可動域、筋力の状態を評価します。

1. 画像診断による評価

 

X線(レントゲン)を用いて、脊椎の彎曲状態や椎間板の変性、骨の異常を詳細に把握します。加齢による脊椎の変形や圧迫骨折が原因となっている場合もあり、放置すると進行性の疾患につながることもあります。

 

2. 保存的治療(非手術)

 

痛みを和らげるための内服薬、外用薬、局所注射(トリガーポイント注射や神経ブロック)を行います。また、理学療法士による運動療法(リハビリ)では、背筋や腹筋の筋力強化、ストレッチ指導、正しい姿勢の再教育などを行います。

 

3. 装具療法

 

一定の年齢以上や骨粗しょう症を伴う患者には、姿勢を補助する矯正ベルトや体幹装具を処方することもあります。これにより脊柱の支持力を高め、日常生活における姿勢改善が期待されます。

 

4. 手術療法

 

ごく一部の重度な変形や神経圧迫を伴うケースでは、脊椎固定術などの手術が検討される場合もありますが、多くは保存的治療で改善が見込まれます。

 

リハビリテーションによる猫背改善

 

リハビリテーションでは、個々の状態に合わせた運動療法やストレッチを通じて、猫背の改善を図ります。

以下は、効果的なリハビリの一例です。

1. 筋力トレーニング

 

  • スキャプラ・リトラクション(肩甲骨寄せ運動): 僧帽筋中部・菱形筋の強化を目的とし、肩甲骨を寄せる運動を行います。
  • ヒップリフト(骨盤周囲筋トレーニング): 大殿筋・ハムストリングスの強化を目的とし、仰向けでお尻を持ち上げる運動を行います。
  • プランク(体幹トレーニング): 腹横筋・多裂筋の強化を目的とし、前腕とつま先で身体を支える運動を行います。

2. ストレッチ

 

  • 大胸筋のストレッチ: 壁を利用して、大胸筋の上部、中部、下部をそれぞれストレッチします。

3. 姿勢指導

 

  • 日常生活における正しい姿勢や動作を指導し、再発を予防します。

猫背改善のための日常生活での工夫

 

  • 正しい座り方: 椅子に深く腰掛け、背もたれを活用して背筋を伸ばす。
  • 定期的なストレッチ: 長時間同じ姿勢を避け、定期的にストレッチを行う。
  • 適度な運動: ウォーキングや体幹トレーニングなど、日常的に運動を取り入れる。
  • 姿勢を意識する: 日常生活の中で、常に姿勢を意識し、正しい姿勢を心がける。



まとめ

 

猫背は、見た目の問題だけでなく、健康や生活の質にも大きな影響を及ぼします。

整形外科での診察やリハビリテーションを通じて、猫背の原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。

日常生活での姿勢の意識や運動習慣の改善も、猫背の予防・改善に効果的です。

当院には理学療法士・作業療法士が計26名在籍しています。患者様一人ひとりに合った専門性の高いリハビリメニューを提供させていただきます。

ご不明な点などありましたら、お気軽にご相談ください!

 

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著者

院長
松本 淳志 Atsushi Matsumoto

経歴

  • 済生会福岡総合病院
  • 製鉄記念八幡病院
  • 福岡市民病院
  • 九州大学病院
  • 九州医療センター
  • 福岡赤十字病院
  • 済生会八幡総合病院
  • 福岡青洲会病院

資格・所属学会

  • 日本整形外科学会 専門医(日本専門医機構)
  • 日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
  • 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
  • 日本フットケア学会認定 フットケア指導士
  • インフェクションコントロールドクター
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
  • 難病指定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本整形外科学会
  • 日本感染症学会
  • 日本フットケア・足病医学会