まつもと整形外科は福岡県久留米市安武町にある、整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科のクリニックです!!
こんにちは!
久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です
目次
足がつるのはなぜ?整形外科医が解説する原因と仕組み
「夜間、睡眠中に足がつって目が覚めた」「運動中に足がつって動けなくなった」――
そんな経験をしたことはありませんか? 足がつることは医学的には「有痛生筋痙攣」や「筋クランプ」、「こむら返り」と呼ばれ、ふくらはぎや足の裏、太ももなどの筋肉が突然強く収縮し、激しい痛みを伴います。
多くの場合は一時的で自然に治まりますが、繰り返す場合や、他の症状を伴う場合は整形外科的な病気が隠れていることもあります。今回は、整形外科医の視点から足がつる原因と仕組み、予防法、そして実際のリハビリ・ストレッチ方法まで詳しく解説します。

「有痛生筋痙攣」や「筋クランプ」、「こむら返り」と呼ばれます
足がつるとは?医学的な定義
足がつるとは、筋肉が自分の意思とは関係なく強く収縮してしまう現象です。
通常、筋肉は神経からの指令を受けて収縮・弛緩を繰り返します。しかし、何らかの原因で神経や筋肉の働きが乱れると、筋肉が過剰に収縮し、痛みを伴います。
一般的に多くみられるのはふくらはぎ(腓腹筋)のこむら返りで、夜間や運動中によく起こります。
足がつる主な原因
足がつる原因は一つではなく、複数の要因が関係していることがほとんどです。整形外科的には以下のような要因が考えられます。
筋肉疲労
長時間の立ち仕事や運動、歩き過ぎなどで筋肉に疲労がたまると、筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れ、けいれんが起こりやすくなります。スポーツ中や長距離ランニングの後に足がつるのはこのためです。
水分・ミネラル不足
発汗によって体内の水分や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)が失われると、筋肉や神経の正常な働きが妨げられ、足がつる原因となります。夏場の運動や高温多湿の環境での作業は要注意です。
冷えによる血流低下
冷えは血管を収縮させ、筋肉への血流を減少させます。その結果、筋肉の働きが鈍くなり、けいれんが起こりやすくなります。冬の夜間や冷房の効いた部屋で寝ているときにも起こることがあります。
神経障害
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、腰から足に伸びる神経が圧迫される病気では、神経の興奮性が高まり、足のつりが起こりやすくなります。しびれや足の力が入りにくい症状を伴う場合は特に注意が必要です。
血流障害
動脈硬化や閉塞性動脈硬化症などの末梢血管障害があると、足への血流が不足し、筋肉が酸欠状態になります。この酸素不足が筋けいれんの引き金になります。
加齢による筋力低下
高齢になると筋肉量が減少し、神経や血流の調整能力も低下します。そのため、夜間や安静時でも足がつりやすくなります。
妊娠
妊娠中はホルモンの影響や血液循環の変化、体重増加による筋肉への負担増大により、足がつりやすくなります。
足がつる仕組み
足がつるとき、筋肉と神経の間で何が起きているのでしょうか。
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筋肉疲労やミネラル不足により、筋肉の収縮・弛緩のバランスが崩れる
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神経からの信号が過剰になり、筋肉に「収縮せよ」という命令が出続ける
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筋肉が過度に縮んだ状態で固定され、激しい痛みが発生
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数十秒から数分で収縮が解除されるが、筋肉痛のような違和感が残る
つまり、足のつりは神経・筋肉・血流の異常が同時に関与する現象なのです。
整形外科で行うリハビリ
足がつりやすい方には、単なるストレッチだけでなく、リハビリによる包括的アプローチが有効です。まつもと整形外科では、理学療法士が患者さまの症状・生活習慣・身体の柔軟性や筋力を評価し、個別のプログラムを提案します。
可動域改善(ストレッチ)
足関節や膝関節、股関節の動きが硬いと筋肉に負担がかかりやすくなります。
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足首の背屈・底屈運動
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足首の円運動
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ハムストリング(太もも裏)のストレッチ
筋力トレーニング
筋肉が弱ると、少しの疲労でもけいれんが起こりやすくなります。
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つま先立ち運動(カーフレイズ)
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セラバンドを使った足首の曲げ伸ばし
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タオルギャザー(足指でタオルをたぐり寄せる)
血流促進
温熱療法やマッサージで筋肉を温めることで、血流が改善し、酸素・栄養が届きやすくなります。

柔軟性が重要です
自宅でできる足つり予防ストレッチ
寝る前や運動後に以下のストレッチを習慣化すると、こむら返り予防に効果的です。
壁押しふくらはぎストレッチ
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壁に手をつき、片足を後ろに引く
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後ろ足のかかとを床につけたまま、ふくらはぎを伸ばす
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20~30秒キープ ×左右
タオルストレッチ
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座って足を伸ばす
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タオルを足の裏にかけ、手前に引く
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ふくらはぎと太もも裏が伸びている感覚を感じながら20秒
足指ストレッチ
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足の指を手でつかみ、反らせる
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足の裏と指の付け根を伸ばす
様々なストレッチ方法があります
まとめ
足がつる原因は多岐にわたり、水分不足や疲労だけでなく整形外科的疾患が背景にあることもあります。
リハビリでは、柔軟性向上・筋力強化・血流改善を組み合わせたアプローチが効果的です。
「最近、よく足がつる」「ストレッチをしても改善しない」――そんなときは、早めに整形外科を受診し、理学療法士と一緒に予防と改善のプランを立てましょう。
まつもと整形外科には理学療法士・作業療法士が計26名在籍しています。患者さま一人ひとりに合った専門性の高いリハビリメニューを提供させていただきます。
ご不明な点などありましたら、お気軽にご相談ください!
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【参考文献】
・Hallegraeff et al., 2012https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1836955313701760
・Verywell Health – Leg Cramps: What Causes Muscle Spasms and Crampshttps://my.clevelandclinic.org/health/diseases/muscle-spasms-muscle-cramps
・13 Causes of Leg Cramps—and How To Treat Themhttps://www.health.com/condition/chronic-pain/leg-cramps-causes