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ロコモティブシンドロームとは?セルフチェックと予防のための運動法|久留米市の整形外科|まつもと整形外科

ロコモティブシンドロームとは?セルフチェックと予防のための運動法

ロコモティブシンドロームってご存知ですか!?

まつもと整形外科は福岡県久留米市安武町にある、整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科のクリニックです!!



こんにちは!



久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です



ロコモティブシンドロームとは?セルフチェックと予防のための運動法


近年、「ロコモティブシンドローム」という言葉を耳にする機会が増えました。超高齢社会を迎えた日本では、ロコモティブシンドロームは誰にでも起こりうる重要な健康課題の一つです。

今回は、ロコモティブシンドロームとは何か、どのように予防・対策をすれば良いのかについて詳しく解説し、簡単にできるセルフチェックや運動方法もご紹介します。




ロコモティブシンドロームとは?


ロコモティブシンドロームとは、運動器(筋肉・骨・関節など)に障害が起こり、運動器の衰えによって、立つ・歩くといった移動機能が低下し、歩行や日常生活に支障をきたす状態のことを指します。日本整形外科学会が提唱した概念で、略して「ロコモ」とも呼ばれます。


ロコモが進行するとどうなる?


ロコモが進行すると、次のようなリスクが高まります。



    • 転倒・骨折のリスク増加


    • 要介護状態への移行


    • 外出機会の減少による社会的孤立


    • 心身機能の低下(フレイルや認知症との関連)



つまり、健康寿命(元気で自立した生活を送れる期間)を短くする要因となるのです。

 
健康寿命

健康寿命(元気で自立した生活を送れる期間)を短くする要因




ロコモの主な原因


ロコモの背景には、以下のような原因が挙げられます。



    • 加齢による筋力低下(サルコペニア)


    • 骨粗しょう症による骨の脆弱化


    • 変形性膝関節症や脊柱管狭窄症などの関節・脊椎疾患


    • 運動不足・活動量の低下


    • 肥満や生活習慣病(糖尿病・高血圧)との関連



つまり、「運動器の老化」と「生活習慣」が深く関係しているのです。




ロコモ度をチェック!セルフチェックで今の状態を把握しよう


まずは、自分がロコモかどうか、簡単にセルフチェックしてみましょう。以下の7項目のうち、1つでも当てはまるとロコモの可能性ありとされています。


ロコモ25から抜粋したセルフチェック項目



  1. 片脚立ちで靴下が履けない
  2. 家の中でつまずいたり、滑ったりする
  3. 階段を上るのに手すりが必要である
  4. 横断歩道を青信号のうちに渡りきれない
  5. 15分以上歩き続けることができない
  6. 2kg程度の買い物袋を持ち帰るのが困難
  7. 掃除機がけや布団の上げ下ろしがつらい



1つでも該当すれば、要注意です!

つまずく男性の足元

チェックをしてみましょう

 




ロコモ予防の鍵は「運動」!なぜ運動が必要なのか?


ロコモを防ぐためには、運動習慣の維持と筋力の向上が何より重要です。運動によって得られる効果は以下のとおりです。


運動の主な効果



    • 筋力とバランス力の維持・向上


    • 骨密度の維持(骨粗しょう症予防)


    • 血流改善による関節痛の軽減


    • 転倒・骨折のリスク低下


    • 自律神経や認知機能の活性化



とくに下肢筋力の低下がロコモに直結するため、脚の筋肉を鍛える運動が推奨されています。




おすすめのロコモ予防運動【自宅で簡単!】


1. 片脚立ち(バランス能力の維持)



    • 方法:壁に手を添え、片脚で立ちます。左右1分ずつが目安。


    • ポイント:慣れてきたら、手を使わず行ってみましょう。



2. スクワット(下肢筋力の強化)



    • 方法:肩幅に足を開き、ゆっくり腰を下ろして戻します。10回×2セット。


    • ポイント:膝がつま先より前に出ないよう注意しましょう。



3. もも上げ(体幹と股関節のトレーニング)



    • 方法:椅子に座った状態で片脚を膝から上に引き上げます。左右10回ずつ。


    • ポイント:腹筋を意識して行うと効果的です。



4. つま先立ち(ふくらはぎの筋力強化)



    • 方法:椅子の背に手を添えて、かかとを上げてつま先立ちになります。10回×2セット。


    • ポイント:姿勢をまっすぐ保ちましょう。

 
スクワットをする高齢者

適切な運動をしましょう




ロコモは早期発見・早期予防がカギ!


ロコモは自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。

しかし、早い段階から対策すれば、進行を防ぎ、健康寿命を延ばすことが可能です。


以下のような方は、早めの対策をおすすめします。



    • 60歳以上で運動習慣が少ない


    • 骨粗しょう症と診断されたことがある


    • 膝や腰の痛みで歩くのがつらい


    • 家の中でも転びそうになることが増えた



当院では、理学療法士によるロコモ予防のリハビリ指導や筋力評価、姿勢分析なども行っております。

少しでも不安がある方は、お気軽にご相談ください。




まとめ


ロコモティブシンドロームは、誰もがなり得る「将来の介護リスク」を高める状態です。

しかし、適切な運動習慣と生活の見直しで予防・改善が可能です。


まずはセルフチェックで現状を把握し、自宅でできる運動からはじめてみましょう。

そして、不安があれば早めの受診や専門的なサポートを受けることが大切です。




\ 健康寿命をのばす第一歩、今日から始めましょう!/




まつもと整形外科には国家資格を持つ理学療法士・作業療法士が計26名在籍しています。患者さま一人ひとりに合った専門性の高いリハビリメニューを提供させていただきます。

 
ご不明な点などありましたら、お気軽にご相談ください!
 
【参考文献】
・日本整形外科学会、ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトhttps://locomo-joa.jp/locomo

・日本整形外科学会、ロコモティブシンドローム(ロコモ)とはhttps://www.joa.or.jp/public/locomo/index.html

・長寿科学振興財団、ロコモティブシンドロームとはhttps://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/locomotive-syndrome/about.html

・日本生活習慣病予防協会、ロコモティブシンドローム/サルコペニア/フレイルhttps://seikatsusyukanbyo.com/guide/locomotive.php

著者

院長
松本 淳志 Atsushi Matsumoto

経歴

  • 済生会福岡総合病院
  • 製鉄記念八幡病院
  • 福岡市民病院
  • 九州大学病院
  • 九州医療センター
  • 福岡赤十字病院
  • 済生会八幡総合病院
  • 福岡青洲会病院

資格・所属学会

  • 日本整形外科学会 専門医(日本専門医機構)
  • 日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
  • 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
  • 日本フットケア学会認定 フットケア指導士
  • インフェクションコントロールドクター
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
  • 難病指定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本整形外科学会
  • 日本感染症学会
  • 日本フットケア・足病医学会