肩の痛みについて
中高年になると
肩の痛みを感じる方が増えてきます
肩の痛みには、肩の関節そのものが原因の場合と、首から肩にかけての部分に原因がある場合があり、「肩が痛い」と感じていても、実際には首の不調が影響していることも少なくありません。日常的に「肩こり」や「肩の痛み」と呼ばれる症状の中には、肩関節以外に原因が隠れているケースもあります。そのため、どこから痛みが出ているのかを丁寧に確認し、正しく診断することが大切です。肩の痛みは、症状が強く出ている早い段階で適切な治療を行うことで改善しやすく、痛みを我慢してしまうと関節が動かしにくくなり、治るまでに時間がかかることがあります。少しでも違和感や痛みを感じた場合は、どうぞ早めにご相談ください。
このような症状、
お悩みはご相談ください
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腕を上げられない
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腕を後ろに回せない
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肩こりがひどい
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肩が重い
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夜寝ている時に肩が痛い
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高いところにある物を取るのが辛い
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肩から腕に痺れがある
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投球動作に不安がある
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肩が抜けそうな不安感がある
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肩が痛くて夜間に目が覚める
など
代表的な疾患
症状・原因
首から肩にかけての筋肉・筋膜が硬くなり、血行が悪くなることで起こる不快感や痛みが肩こりです。長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用、姿勢不良、運動不足、ストレス、身体の冷えなどが重なると筋肉が緊張し、酸素不足や老廃物の蓄積につながり、こり・張り・痛みを引き起こします。症状としては、肩や首のこり・痛み、頭痛、背中や肩甲骨の張り、腕のだるさやしびれ、朝のこわばりなどがみられます。子どもから高齢者まで幅広い年代に発症し、日常生活に支障がでることがあり、早めのケアが重要です。
検査方法
診察では痛みや凝りの部位を確認します。触診では、肩・首・肩甲骨まわりの筋緊張や圧痛、筋膜の張りを評価し、原因となる部位を特定します。可動域検査では、首や肩の動きの硬さや左右差をチェックし、動作の中で負担がかかっているポイントを把握します。画像検査としてレントゲンを行い、頚椎の並び、変形、椎間板腔の狭さ、ストレートネックの有無などを確認します。しびれなど神経症状が強い場合には、必要に応じてMRI検査を追加し、他の頸椎疾患との鑑別を行います。
治療方法
痛みや筋緊張を和らげつつ、肩こりを起こしにくい身体づくりを目指します。鎮痛薬・筋弛緩薬・湿布などの薬物療法、温熱療法や電気治療で血流を改善し筋肉を緩めます。特に効果が高いのがリハビリで、「人の手」による徒手療法で筋肉・筋膜の硬さを取り除き、肩甲骨や胸椎の動きを改善します。ストレッチ指導や姿勢の改善、デスクワーク姿勢の見直しも再発予防に不可欠です。自宅では、肩・首の軽いストレッチ、セルフマッサージ、深呼吸、適度な運動などを取り入れることで症状改善が期待できます。
症状・原因
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、肩の炎症や癒着によって痛みと動きの制限が生じる病気です。肩を上げたり後ろに回したりすると強い痛みがあり、症状が進むと安静時痛や夜間痛が出て夜間に眠れなくなることもあります。髪を結んだり、服を着替えたりする時に痛みで支障がでることが多いのも特徴です。原因は、肩関節内やその周囲で起こる組織の炎症と、それに伴う関節包や筋膜の癒着です。特に明確なきっかけがないまま発症することが多く、40〜60歳に多いことから四十肩・五十肩と呼ばれています。1週間以上続く肩の痛みや可動域制限がある場合は、この疾患が疑われます。
検査方法
問診では、痛みの出る動作、夜間痛の有無、発症時期、仕事や生活での負担を確認します。触診では、肩関節周囲の圧痛や筋緊張を評価し、可動域検査で前方挙上・外旋・内旋などの動きがどの程度制限されているかを調べます。画像検査としてレントゲン撮影を行い、骨の変形や骨棘の有無、石灰沈着の有無、関節の狭さを確認します。必要に応じてエコー検査(超音波検査)を行います。腱断裂や他の肩の疾患との鑑別のため、症状が強い場合にはMRI検査が必要になることもあります。
治療方法
治療の目標は「痛みを和らげること」と「固まった関節の動きを改善すること」です。痛みが強い時期は、消炎鎮痛薬や湿布で炎症を抑え、肩関節内へヒアルロン酸注射やステロイド注射を行うことで痛みや癒着を軽減させます。リハビリでは、固まった関節包を少しずつ伸ばし、関節可動域を広げ、動きを取り戻すための可動域訓練や筋の柔軟性改善を行います。特に肩関節周囲炎は完治に時間がかかることが多いため、焦らず継続的に通院し、段階的に関節の動きを回復させていくことが大切です。自宅でのストレッチや姿勢の見直しも再発予防に有効です。
症状・原因
腱板損傷・腱板断裂は、肩のインナーマッスル(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)で構成される「腱板」が傷つく、もしくは断裂することで起こります。腕を上げる・物を持ち上げる・後ろに手を回す動作で痛みが出やすく、損傷が進むと力が入りにくい、夜間痛で眠れないなどの症状がみられます。転倒やスポーツでの負傷などの外傷性の原因に加え、40歳以降は加齢による変性で自然に断裂するケースも多く、はっきりしたきっかけなく発症することも少なくありません。断裂には、完全断裂と不全断裂があり、若い年齢では、投球肩で不全断裂が起こることがあります。放置すると肩の可動域が低下し、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
検査方法
問診では、痛みが出る動作、夜間痛の有無、受傷機転(転倒・スポーツなど)を確認します。触診では圧痛部位を確認し、肩の挙上・外転・外旋・内旋などの動きの制限や筋力低下を評価します。腱板損傷が疑われる場合は、インナーマッスルの働きをみる特有の徒手テスト(棘上筋テスト、棘下筋テスト、肩甲下筋テスト、ドロップアームサイン)を行います。画像検査ではレントゲンで骨の形状や石灰沈着を確認し、腱板の断裂の有無や大きさ、炎症の程度を調べるためにエコー(超音波)検査を行います。確定診断や詳細な評価にはMRIが有効で、腱の状態・断裂範囲・筋萎縮の程度まで把握できます。
治療方法
治療は、損傷の程度・症状の強さ・年齢・生活スタイルに応じて決定します。軽度の損傷では、消炎鎮痛薬、注射(ヒアルロン酸・ステロイド)で炎症を抑えながら、肩の動きを取り戻すリハビリを中心に行います。リハビリでは、肩甲骨の安定化、腱板の機能回復、可動域訓練を段階的に行い、痛み軽減と再発予防を目指します。中〜大断裂や、痛みが長期間改善しないケース、生活動作に大きな支障がある場合は、関節鏡視下手術(腱板修復術)が選択されることがあります。術後もリハビリが重要で、肩の動きと筋力を回復させることで良好な機能改善が期待できます。
症状・原因
肩関節脱臼は、スポーツ中の衝突・転倒・交通事故など、強い外力が肩に加わることで起きます。肩関節は可動域が広い反面、不安定な構造のため脱臼しやすく、ラグビー・アメリカンフットボール・柔道などコンタクトスポーツなどで特に多くみられます。また、もともと肩周囲の筋力不足や関節の緩さがある方、過去に脱臼歴のある方は再脱臼しやすい特徴があります。 脱臼すると、肩の強い痛み・腫れ・腕が挙がらないなどの運動制限が生じ、肩の形が変形して「いつもと違う形」に見えることもあります。肩関節脱臼が疑われる場合は早期の受診が重要です。
検査方法
まず問診で、受傷状況(スポーツ中・転倒・事故など)や痛みの部位・腕が動かせるか(肩が挙がるか)どうかを確認します。診察では肩の変形、腫れ、神経症状の有無(しびれ・脱力)を評価し、腋窩神経の障害がないかも確認します。 レントゲン検査では、脱臼の方向(前方・後方など)や骨折の合併を精密に確認します。必要に応じてCT検査で骨の位置関係を詳細に評価することもあります。整復前の画像確認は大変重要で、誤った整復操作を避けるためにも必須です。脱臼整復後は再びレントゲンを撮影し、正しい位置に戻っているか、骨折がないかを確認します。
治療方法
治療の原則は、整形外科専門医によって徒手整復で関節を元の位置に戻すことです。整復後は炎症を抑えるために安静を保ち、三角巾や装具で2〜4週間の固定を行います。その後、段階的にリハビリへ移行し、肩の動きを取り戻していきます。 リハビリでは、最初に可動域訓練を行い、次に肩周囲の筋力を鍛えて関節の安定性を高めます。特に肩甲骨まわりや腱板筋群の強化は再発防止に欠かせません。スポーツ復帰に向けては、正しいフォーム指導や負荷の調整も行います。 再脱臼を繰り返す場合は、関節の不安定性が強いため、装具の使用や手術(関節鏡視下安定化術)を検討することもあります。適切なリハビリを行うことで、日常生活やスポーツへの早期復帰が期待できます。
症状・原因
石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板に沈着したリン酸化カルシウム結晶(石灰)によって急激な炎症が起こり、肩の強い痛みを生じる病気です。40〜50代の女性に多くみられます。長年の使用による腱の微細損傷やホルモン代謝の影響が関与すると考えられていますが、はっきりとは解明されておりません。 症状は「突然の激しい肩の痛み」が特徴で、夜間に発症することも多く、寝返りができないほどの激痛が続くことがあります。痛みのため肩を動かすことができず、日常生活が大きく制限されるケースもみられます。
検査方法
まず問診で、誘因なく突然強い肩の痛みが発症したか、夜間痛の有無、肩が動かせるかなどを確認します。診察では肩周囲の圧痛や可動域の制限の程度を評価します。 レントゲン検査では、腱板部に白く写る石灰沈着を確認でき、診断の決め手となります。必要に応じて超音波検査で石灰の大きさや位置をより詳細に評価し、治療方針の判断に役立てます。
治療方法
基本的には保存療法です。痛みが強い急性期は肩を安静にし、冷却で炎症を抑えます。NSAIDs(消炎鎮痛薬)は炎症を抑え、痛みの軽減に有効です。 最も効果が高いのがステロイド注射で、当院ではエコーガイド下で石灰部位に的確に注射を行うことで、多くの患者さんが速やかな症状改善を実感します。 可動域に制限がある場合にはリハビリを行い、拘縮した関節の可動域を改善します。必要に応じて温熱療法や電気治療を取り入れ、炎症や筋緊張を和らげます。
症状・原因
野球肩(投球障害肩)は、投球動作を繰り返すことで肩の骨・筋肉・腱板・靱帯・関節唇などに負担が蓄積し、支えきれなくなった結果痛みや炎症を起こすスポーツ障害です。特に投球数が多い野球選手や成長期の子どもに多くみられます。主な症状として、投げるときの肩の痛みがあらわれ、徐々に球速の低下や投球後の肩の重だるさ、可動域の低下など、投球パフォーマンスの低下につながります。原因として、投げすぎ、フォームの崩れ、肩甲骨の動きの悪さ、柔軟性不足、筋力バランスの乱れなどが挙げられます。
検査方法
問診では、投球動作の痛みがでるタイミング(テイクバック・加速期・リリースなど)や投球数、ポジション、既往歴を確認します。診察では、肩の圧痛部位、可動域、筋力、肩甲骨の動きを詳しく評価します。投球障害に特徴的な所見(インピンジメント徴候など)も確認し、痛みの原因部位を明確にします。 レントゲンでは骨の形態や成長線の状態を確認し、成長期に多い「リトルリーグショルダー」も評価します。必要に応じて超音波検査で腱板の損傷、炎症、滑液包の肥厚を確認し、さらに精密な評価が必要な場合はMRIを行います。
治療方法
治療の中心は保存療法です。急性期には投球を中止し、炎症を抑えるために安静とアイシングを行います。痛みが強い場合は消炎鎮痛薬により症状を緩和します。リハビリでは、肩甲骨の安定性改善、腱板の筋力強化、胸椎の可動性向上、柔軟性の改善などを段階的に実施します。投球障害肩は「肩だけの問題」ではなく、肩甲骨・体幹・股関節まで含めた全身の連動性の改善が重要です。 痛みが軽減したら、フォーム修正や投球プログラムを用いて段階的に投球動作へ復帰します。再発予防のため、肩甲骨トレーニングや柔軟性の維持、投球数管理も重要です。
症状・原因
胸郭出口症候群は、首から肩にかけて走る神経(腕神経叢)や血管(鎖骨下動脈・鎖骨下静脈)が、鎖骨周辺の狭い通り道(胸郭出口)で圧迫されることで起こる疾患です。主な症状として、腕や手のしびれ、だるさがみられます。時には、握力低下、肩や首の痛み、手が白くなる・冷えるなどの血行障害がみられることもあります。洗濯物を干すような腕を上に挙げた姿勢や荷物を持つ姿勢で症状が強くなりやすく、デスクワーク・スマホ姿勢・猫背・巻き肩が原因となることが多くあります。なで肩・細身の女性、スポーツで腕を使う方にも多く見られます。
検査方法
問診では、腕のしびれがどの動作で悪化するか、長時間のデスクワークや姿勢の癖、肩こり・首こりの有無などを確認します。診察では、首から肩・胸・腕にかけての筋の張りや圧痛を確認し、姿勢や肩甲骨の位置を評価します。 胸郭出口症候群を疑う場合は、腕を上げたり首を動かしたりして症状が再現されるかをみる特有のテスト(Adsonテスト、Wrightテスト、ROOSテストなど)を行います。 画像検査ではレントゲンを撮影し、頚肋の有無や鎖骨・肋骨の形状を確認します。必要に応じて超音波やMRIで神経・血管の圧迫状態を精査し、椎間板ヘルニアや末梢神経障害との鑑別を行います。病態が複雑であるため、症状と検査を総合的に評価して診断する必要があります。
治療方法
基本的には保存療法です。まずは姿勢の改善と安静で炎症を抑えます。リハビリでは、胸の筋肉(小胸筋)、首まわりの筋(斜角筋)、肩甲骨まわりの筋肉の緊張を緩め、肩甲骨が正しい位置で動くように整えます。肩甲骨を動かすストレッチ、肩甲骨の安定化トレーニング、頚椎・胸椎の可動性改善などを行い、神経や血管への圧迫を根本から軽減します。 さらに、デスクワークの姿勢指導やスマホの使い方の改善など、日常生活の癖を整えることも再発予防に必須です。痛みが強い場合は消炎鎮痛薬や湿布、注射治療(斜角筋ブロックなど)を行うこともありますが、多くはリハビリで改善が期待できます。
症状・原因
変形性肩関節症は、肩の軟骨がすり減り、関節軟骨の変性や摩耗による関節破壊が生じることで痛みや動きの制限が現れる疾患です。加齢による変性が最も多く、50代以降に多く見られます。過去の外傷(脱臼・骨折)、腱板断裂、過度の肩の使用なども発症リスクとなります。主な症状は、肩の痛み、クリック音(肩を動かすと音がする)、動かすときの違和感です。進行すると可動域の低下、夜間痛、服の着脱や髪を結ぶ動作が困難になり、日常生活に支障をきたします。
検査方法
問診では、痛みが出る動作や時間帯(動作時・夜間)、症状の経過、過去の外傷歴を確認し、診察では肩の可動域、筋力低下、圧痛部位を評価します。 レントゲン検査では、軟骨のすり減りによる関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨の変形の程度を確認します。必要に応じて超音波で腱板の状態を評価し、腱板断裂が疑われる場合はMRIを行い、腱板の変性の程度や腱板断裂の有無について評価します。変形が進行しているからといって、必ずしも疼痛が強くみられる、というわけではありません。
治療方法
治療の基本は保存療法で、痛みや炎症を抑えるために消炎鎮痛薬、湿布、肩関節内注射(ヒアルロン酸・ステロイド)などを行います。 リハビリでは、肩関節の可動域を改善し、肩甲骨の動きを整えながら日常生活での負担を軽減します。特に、肩甲骨周囲の柔軟性改善と筋力強化は有効です。温熱療法・電気治療で筋緊張を緩和し、症状の改善を促します。 進行が進み、保存療法で日常生活に支障が残る場合には、人工肩関節置換術などの手術を検討することがあります。正確な診断と適切な治療により、日常生活の動作を楽にできるようになることが期待できます。
症状・原因
上方関節唇損傷(SLAP lesion)は、肩関節の受け皿である関節唇の上方が、前方から後方にかけて損傷する障害です。特に、野球動作の投球、バレーボールのアタック、テニスのサーブなどオーバーヘッド動作を繰り返すスポーツに多くみられます。主な症状は、投げる動作や腕を上げたときの肩の痛み、引っかかり感、力が入りにくい感覚、クリック音(ゴリッとする音)などです。原因としては、反復する投球動作による牽引ストレス、転倒して手をついた外傷、加齢による関節唇の変性などが挙げられます。放置するとパフォーマンス低下や慢性痛につながることがあります。
検査方法
問診では、痛みが出る動作(投球・腕を上げる動作)、スポーツ歴、受傷機転の有無を確認します。診察時には、肩の可動域や筋力を評価し、関節唇損傷を疑う徒手テスト(O’Brienテスト、Crankテストなど)で症状の再現性を確認します。 画像検査では、レントゲンで骨の異常や他疾患を除外し、関節唇の状態を詳しく評価するために必要に応じてMRIを行います。腱板損傷やインピンジメント症候群との鑑別も重要です。
治療方法
症状の程度や年齢、スポーツ活動の有無に応じて治療を選択します。多くの場合、まずは保存療法を行い、痛みが強い時期は投球や負荷動作を中止し、消炎鎮痛薬や注射で炎症を抑えます。 リハビリでは、肩甲骨の安定性改善、腱板筋群の強化、胸椎や体幹の可動性向上を図り、肩関節にかかるストレスを軽減します。投手については、一人ひとりに合わせたフォーム修正や段階的な投球再開プログラムを組み立てます。 保存療法で改善しない場合や、レベルの高いアスリートでは、関節鏡視下手術(関節唇修復術・切除術)が検討されます。術後もリハビリを継続することで、競技復帰や日常生活動作の改善が期待できます。
症状・原因
インピンジメント症候群は、腱板断裂などの明確な損傷を伴わずに、腕を上げる動作の際に腱板や滑液包が肩峰(骨)と衝突・挟み込みを起こし、痛みや炎症が生じる疾患です。主な症状は、腕を横から上げる途中(およそ60~120度)での痛み、投球や上方作業時の肩痛、夜間痛、肩の引っかかり感などです。原因として、頻回な繰り返し動作によって滑液包が炎症や肥厚を起こし、肩を挙上する動作で上腕骨と肩峰に衝突したり、挟み込まれることで疼痛を起こします。肩峰に骨棘(骨の棘)ができると、さらに衝突して炎症を起こしてしまいます。 原因としては、加齢や腱板筋群の筋力低下や猫背・巻き肩などの姿勢不良、反復するオーバーヘッド動作(仕事や野球・水泳・テニス・バレー等)が挙げられます。放置すると腱板損傷へ進行することがあります。
検査方法
問診では、痛みが出る動作や角度、スポーツ歴や作業内容、夜間痛の有無を確認します。診察では、肩の可動域、圧痛、筋力、肩甲骨の動きを評価し、NeerテストやHawkins-Kennedyテストなどで症状の再現性を確認します。 画像検査では、レントゲンで肩峰形状や骨棘の有無を確認します。腱板や滑液包の炎症評価には超音波検査が有用で、必要に応じてMRIで腱板損傷や関節唇病変の合併を精査します。
治療方法
治療の基本は保存療法です。急性期は負荷動作を控え、消炎鎮痛薬や湿布、必要に応じて肩峰下滑液包への注射で炎症を抑えます。 リハビリでは、肩甲骨の安定化、腱板筋群の強化、胸椎の可動性改善、姿勢修正を段階的に行い、挟み込みを起こしにくい動作パターンを再教育します。スポーツ選手ではフォーム修正と段階的復帰プログラムが重要です。投球動作を必要とするスポーツに関しては、2〜4週程度中止する期間を設けることで、疼痛コントロールを行います。 保存療法で改善しない場合や骨形態の影響が強い場合には、関節鏡視下手術(肩峰下除圧術など)を検討することがあります。適切な治療とリハビリにより、多くは症状改善と再発予防が期待できます。
症状・原因
肩鎖関節とは、鎖骨と肩峰の間にある小さな関節です。繰り返し動作による炎症、加齢性変化、転倒などで肩鎖関節に炎症を起こして、痛みや動作制限を生じる疾患です。主な症状は、肩付近を押した時の痛み、腕を横から上げる・胸の前で腕を交差させる動作での痛み、荷物を持つときの不快感などです。夜間痛を伴うこともあります。原因には、加齢による軟骨のすり減り、スポーツや仕事での反復動作、転倒などの外傷後、重い物を頻繁に持つ習慣が挙げられます。ベンチプレスなど上肢に強い負荷がかかる動作を行う方にも多くみられます。
検査方法
診察では痛みの部位、痛みが強くなる動作、発症のきっかけを確認します。肩鎖関節部の圧痛を評価し、腕を体の前で交差させる動作で痛みが再現されるかを確認します。画像検査では、レントゲンで肩鎖関節の関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨硬化などの変化を確認します。必要に応じて超音波検査で炎症や関節液の貯留を評価し、腱板損傷やインピンジメント症候群との鑑別のためにMRIを行うこともあります。
治療方法
治療の基本は保存療法です。痛みが強い時期は、安静を保ち、消炎鎮痛薬や湿布で炎症を抑えます。肩鎖関節への局所注射(ステロイド・局所麻酔薬)は、痛みの軽減に高い効果が期待できます。 リハビリでは、肩関節全体の可動域を保ちながら、肩甲骨周囲筋や腱板筋群を強化し、肩鎖関節への負担を軽減します。姿勢改善や動作指導も重要です。 保存療法で改善しない場合や痛みが長期間続く場合には、関節鏡視下手術(鎖骨遠位端切除術)を検討することがあります。適切な治療により、日常生活やスポーツ動作の改善が期待できます。
よくあるご質問















