O脚・X脚|久留米の整形外科|まつもと整形外科【西鉄安武駅徒歩2分】

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O脚・X脚とは

人間の脚(下肢)は、骨盤から足首にかけて真っ直ぐに体重を支えるのが理想的な状態です。しかし、この脚のラインが外側や内側に弓なりに曲がってしまっている状態を、医学用語でそれぞれ「O脚(内反膝)」、「X脚(外反膝)」と呼びます。

◯O脚(内反膝)
両方の足首(内くるぶし)をピタリとくっつけてまっすぐ立った時に、左右の膝の間に指が何本も入るような大きな隙間ができてしまい、脚全体がアルファベットの「O(オー)」の字のように外側にカーブしている状態です。いわゆる「ガニ股」のように見えることが多く、日本人に非常に多い脚の形です。

◯X脚(外反膝)
左右の膝をピタリとくっつけてまっすぐ立った時に、左右の足首(内くるぶし)の間に隙間ができてしまい、脚全体がアルファベットの「X(エックス)」の字のように内側にカーブしている状態です。「内股」のようになり、歩く時に膝同士がぶつかりやすくなるのが特徴です。

【子どもの成長と生理的なO脚・X脚】

実は、人間の脚の形は成長とともに自然に変化します。生まれたばかりの赤ちゃんは誰でも深いO脚ですが、歩き始める頃から徐々に真っ直ぐになり、2歳〜3歳頃には逆にX脚傾向になります。その後、小学生になる頃(7歳前後)には大人のような真っ直ぐな脚へと自然に落ち着いていきます。これを「生理的O脚・X脚」と呼び、病的なものではありません。しかし、この時期を過ぎても極端な変形が残っている場合や、左右で曲がり方が違う場合は、専門的な診断が必要です。

症状

O脚やX脚による症状は、初期の「見た目の違和感」から、進行するにつれて「深刻な関節の痛み」へと変化していきます。

膝の形のコンプレックス

最も分かりやすい初期症状です。鏡を見た時に脚のラインが曲がっていることに悩みを持たれる方が多くいらっしゃいます。また、骨格のバランスが崩れているため、歩行時に無駄な筋肉の力を使いやすく、「少し歩いただけでふくらはぎや太ももの外側がパンパンに張って疲れる」「よくつまずく」「X脚で膝同士が擦れて痛い」といった歩容(歩き方)の異常や慢性的な疲労感を感じやすくなります。

股関節、足関節、膝関節への偏った負担

脚が曲がっていると、体重の負荷が関節全体に均等にかかりません。O脚の場合は「膝の内側」に、X脚の場合は「膝の外側」に体重が集中してギュッと押し潰されるような力がかかり続けます。これにより、軟骨や半月板に過剰なストレスがかかり、立ち上がりや階段の昇り降り、長時間の歩行時にズキッとした鋭い痛みや、鈍い重だるい痛みが生じます。膝だけでなく、股関節(足の付け根)や足首の関節にまで痛みが波及することも少なくありません。

進行による「変形性膝関節症」の発症

O脚やX脚を放置したまま年齢を重ねると、体重が集中している部分の膝の軟骨が徐々にすり減り、最終的には骨と骨が直接ぶつかり合うようになります。これが「変形性膝関節症」です。軟骨が削りカスとなって関節内に散らばることで強い炎症が起き、「膝に水が溜まる」「膝が痛くて正座ができない」「足を引きずらないと歩けない」といった極めて深刻な症状へと進行し、日常生活に支障をきたします。

原因

日常生活の不良姿勢や筋肉のアンバランス(後天的な要因)

大人になってからのO脚・X脚の多くは、骨そのものが曲がっているのではなく、骨盤の傾きや筋肉の使い方の偏りが原因で「脚がねじれて見えている」状態です。例えば、幼少期からの「ぺちゃんこ座り(女の子座り・トンビ座り)」や「横座り」、足を組むクセ、片足にだけ体重をかけて立つ休め姿勢などが、股関節や膝関節の捻じれを引き起こします。また、お尻の筋肉(中殿筋など)や太ももの内側の筋肉(内転筋)が弱ることで脚のラインを真っ直ぐに保てなくなり、O脚やX脚が進行します。

生理的変化の異常(成長期の要因)

前述の通り、子どもは成長過程でO脚からX脚へと変化しますが、この移行が上手くいかず変形が強く残ってしまうことがあります。

病気や外傷による骨の変形(病的な要因)

ビタミンD不足などによる骨の栄養障害(くる病)や、膝の骨の成長軟骨に異常が起きる病気(ブラウント病)、あるいは過去の骨折がズレたままくっついてしまった状態(変形治癒)や、重度の靭帯損傷によって関節がグラグラになってしまった結果として起こるO脚・X脚です。

診断

問診と立位・歩行の視診・触診

「いつから膝の形が気になるか」「膝や股関節に痛みはあるか」を詳しく伺います。実際に靴を脱いで立っていただき、脚全体のライン、膝の間の隙間の広さ、骨盤の傾き、足の裏のアーチ(土踏まず)の状態を詳細に観察します。また、実際に歩いていただき、歩行時の膝のブレや体重のかかり方の癖を分析します。

X線(レントゲン)検査による骨の並び(アライメント)評価

O脚やX脚の診断に欠かせないのがレントゲン検査です。特に、立った状態で骨盤から足首までを一枚の画像に収める「下肢全長(かしぜんちょう)レントゲン撮影」を行い、股関節の中心から足首の中心を結んだ線(荷重線:ミクリッツ線)が、膝のどの位置を通っているかを正確に計測します。これにより、骨そのものの変形の程度(重症度)や、将来的に軟骨がすり減るリスクを客観的な数値として評価します。

セルフチェック

ご自身やご家族の脚がO脚やX脚であるか、またその進行度をご自宅で簡単に確認できるセルフチェックリストです。全身が映る鏡の前で、力を抜いてリラックスして立って確認してください。

☑️ O脚のチェック: 両足の内くるぶしをピタリとくっつけて立った時、左右の膝の間に隙間ができている。(指が2〜3本以上入る場合はO脚の傾向が強いです)。
☑️ X脚のチェック: 左右の膝をピタリとくっつけて立った時、両足の内くるぶしの間に隙間ができている。(隙間が広ければ広いほどX脚の傾向が強いです)。
☑️ 靴の底の減り方のチェック: 普段よく履いている靴の底を見た時、O脚の方は「外側」が極端にすり減り、X脚の方は「内側」が極端にすり減っている。
☑️ 歩く時や走る時に、膝と膝がぶつかって擦れることがある(X脚)。
☑️ 立ち上がる時や階段を降りる時に、膝の内側や外側に「チクッ」「ズキッ」とした痛みを感じるようになった。

治療

保存療法

骨そのものの変形が軽度で、筋肉のアンバランスや姿勢不良が主な原因である場合、手術を行わない「保存療法」を行います。

◯オーダーメイドインソール
O脚やX脚による膝の痛みを劇和らげ、進行を防ぐための極めて有効な治療法です。まつもと整形外科では、患者さまの足の形や荷重バランスに合わせて、健康保険適用(保険診療)でオーダーメイドでインソール(中敷き)を作成することが可能です。例えばO脚の方には、足の外側を少し高くしたインソールを使用することで、膝の内側にかかる過剰な負担を外側へと分散させ、痛みを緩和し歩行を安定させます。

◯薬物療法
すでに軟骨がすり減って炎症を起こし、強い痛みがある場合は、消炎鎮痛薬(飲み薬や湿布)を処方します。

◯ヒアルロン酸注射
関節の動きを滑らかにして痛みを和らげるために、膝の関節内へヒアルロン酸注射を行うこともあります。

手術療法

保存療法を続けても痛みが改善せず、骨の変形が著しい場合や、将来的に自力での歩行が困難になると予想される重度の変形性膝関節症に進行している場合は、手術療法が検討されます。 手術には、自分の骨を切って角度を真っ直ぐに矯正する「骨切り術(こつきりじゅつ)」や、すり減った関節を金属やプラスチックの人工物に置き換える「人工膝関節置換術」などがあります。まつもと整形外科にて手術が最善であると判断した場合は、膝関節の手術を専門とする高度医療機関へ責任を持ってご紹介いたします。

リハビリ

理学療法士による姿勢改善

まつもと整形外科では、経験豊富な理学療法士が患者さま一人ひとりの歩き方の癖や骨盤の傾きを分析し、最適なリハビリプランを作成いたします。

弱った筋肉の強化(筋力トレーニング)

O脚の方に多く見られる「お尻の筋肉(中殿筋など)の弱さ」や、X脚の方に見られる「太ももの内側の筋肉(内転筋群)の弱さ」を、ゴムチューブなどを用いて集中的に鍛えます。脚を正しい位置で支えるための「自前のサポーター」を作り上げるイメージです。

体幹(コア)の安定性向上

脚の変形は、土台となる骨盤や背骨の歪みが原因となっていることが少なくありません。体幹の筋肉(インナーマッスル)を鍛え、骨盤を正しい位置で安定させるトレーニングを行うことで、脚全体にかかる負担を根本から軽減させます。

セルフケア・予防

日常生活のちょっとした「悪習慣」を見直し、足を守る意識を持つことが、O脚・X脚の悪化を防ぐ最大の予防策となります。

脚を歪ませる座り方をやめる

床に座る時の「ぺちゃんこ座り(女の子座り・トンビ座り)」や、脚を横に流す「横座り」は、股関節や膝関節にねじれの力を加え、O脚やX脚を悪化させます。床に座る場合はあぐらをかくか、できるだけ椅子に深く腰掛けて、両足の裏をしっかりと床につける正しい姿勢を心掛けてください。また、椅子に座る際の「脚を組む」クセも骨盤を歪ませるため厳禁です。

足に合った適切な靴(シューズ)を選ぶ

サイズが合っていない緩い靴や、ヒールが高く不安定な靴、あるいはすでに片側が極端にすり減っている靴を履き続けることは、膝へのダメージを増大させます。踵(かかと)の芯が硬くしっかりしていて、足の甲を紐で固定できるスニーカータイプの靴を選び、オーダーメイドで作成したインソールを入れて歩く習慣をつけてください。

立ち方の意識(重心のリセット)

信号待ちや台所仕事の際、無意識に片方の脚ばかりに体重をかけて(休め姿勢)立っていませんか?気がついた時に、両足に均等に体重を乗せ、下腹部に軽く力を入れてスッと背筋を伸ばすように意識するだけでも、筋肉のバランスの崩れを予防することができます。

Q&A

Q

子どもの足がO脚(またはX脚)なのが気になります。すぐに受診したほうがいいですか?‌

A

お子様の脚の形は、年齢とともに「O脚(乳児期)→真っ直ぐ→X脚(2〜3歳)→真っ直ぐ(小学生頃)」と自然に変化していくのが正常な成長過程(生理的変形)ですので、痛みがなく左右対称であれば過度に心配する必要はありません。しかし、「歩き始めが極端に遅い」「よく転ぶ」「痛みを訴える」「左右で明らかに曲がり方が違う」「小学生になっても極端なO脚やX脚が残っている」といった場合は、骨の病気(くる病やブラウント病など)が隠れている可能性があります。不安を感じられた場合は、自己判断せず、一度整形外科でレントゲン検査を含めた正確な診断を受けることをお勧めいたします。

Q

整体やエステサロンで「骨盤矯正でO脚が治る」と見ますが、整形外科との違いは何ですか?

A

整体やサロンで行われる施術は、筋肉をほぐして一時的に見栄えを良くすることを目的とした民間療法であり、医療行為ではありません。「骨盤が矯正される」「骨の歪みが治る」と謳われることがありますが、医学的には外からのマッサージや手技だけで、変形した大人の骨そのものが動いたり、根本的に矯正されたりすることは決してありません。整形外科を受診する最大のメリットは、「レントゲンやエコー検査を用いて、骨の病気や軟骨のすり減り具合を医学的に正確に診断できること」です。もし痛みの原因が「変形性膝関節症の進行」や「病的な変形」であった場合、無理な矯正やマッサージを行うと症状を悪化させる危険性があります。医師の正確な診断に基づき、保険適用のオーダーメイドのインソールや、国家資格を持つ理学療法士による医学的根拠のあるリハビリで治療することが望ましいです。

Q

大人になってからでも、リハビリやインソールでO脚やX脚は真っ直ぐに治りますか?

A

大人になって成長が止まり、すでに骨自体が変形してしまっている場合、リハビリやインソールだけで骨の形を「完全に真っ直ぐにする(治す)」ことは手術(骨切り術)を行わない限り困難です。しかし、筋肉のアンバランスや不良姿勢によって「脚がねじれて曲がって見えている」要素に関しては、リハビリで筋肉を鍛え、正しい姿勢を身につけることで、見た目のラインを美しく改善することは十分に可能です。さらに重要なのは、インソールとリハビリを組み合わせることで、「将来の膝の痛みを予防し、健康な関節を守る」という絶大な効果が得られることです。

監修

院長
松本 淳志 Atsushi Matsumoto

経歴

  • 済生会福岡総合病院
  • 製鉄記念八幡病院
  • 福岡市民病院
  • 九州大学病院
  • 九州医療センター
  • 福岡赤十字病院
  • 済生会八幡総合病院
  • 福岡青洲会病院

資格・所属学会

  • 日本整形外科学会 専門医(日本専門医機構)
  • 日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
  • 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
  • 日本フットケア学会認定 フットケア指導士
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
  • 難病指定医
  • 日本整形外科学会
  • 日本フットケア・足病医学会