足関節捻挫|久留米の整形外科|まつもと整形外科【西鉄安武駅徒歩2分】

足関節捻挫 ANKLE-SPRAIN

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足関節捻挫とは

足関節捻挫(そくかんせつねんざ)とは、足首の関節を支えている「靭帯(じんたい)」という強靭なバンドのような組織が、許容範囲を超えて強く引き伸ばされ、部分的に傷ついたり、完全に切れてしまったりするケガのことです。

足首の捻挫の約90%以上は、足の裏が内側を向くように強くひねってしまう「内返し捻挫(ないがえしねんざ)」です。この時、足首の外側(外くるぶしの下付近)にある靭帯に強烈な牽引力がかかります。外側の靭帯には主に3つの束がありますが、その中でも最も傷つきやすいのが、前側にある「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」です。ひねる力が強いと、さらに下側にある「踵腓靭帯(しょうひじんたい)」まで損傷が及びます。
靭帯の損傷具合によって、捻挫は大きく3つの段階(重症度)に分けられます。

1度損傷(軽症): 靭帯が一時的に引き伸ばされた状態。微小な損傷はあるものの、足首の不安定性はありません。数日から1週間程度で痛みが和らぎます。

2度損傷(中等症): 靭帯の一部が切れている(部分断裂)状態。外くるぶしの周囲に明らかな腫れと内出血が現れ、歩行時に強い痛みを伴います。足首にわずかな不安定性が生じます。

3度損傷(重症): 靭帯が完全に切れてしまった(完全断裂)状態。激しい痛みと著しい腫れ、広範囲の内出血が見られ、体重をかけることができません。強い不安定性が生じます。

症状

CONSULTATION

  • 足首をひねった直後から、外くるぶしの周囲がズキズキと激しく痛む
  • 足首の外側が腫れ上がり、徐々に内出血(青あざ)が広がる
  • 痛みのあまり足に体重をかけることができず、足を引きずって歩く
  • 足首を内側にねじったり、つま先を下に向けて伸ばしたりすると、強い痛みが走る
  • 過去に何度も捻挫をしており、常に足首がグラグラして不安定な感じがする

など

原因

足関節捻挫は、関節の可動域を強制的に超えるような外力が加わることで発生します。その引き金となる原因やシチュエーションは、日常生活から激しいスポーツまで多岐にわたります。

スポーツ中のジャンプの着地と切り返し動作

バレーボールやバスケットボールでジャンプした際、他人の足の上に誤って着地してしまい、足首を鋭角にひねってしまうケースが最も典型的な原因です。また、サッカーやテニスなどでの急な方向転換(切り返し)の際にも、足首の外側に遠心力がかかり靭帯を損傷します。

日常生活での段差やつまずき

階段を踏み外した、道にある小さな窪みや石につまずいた、といった日常の些細な動作でも捻挫は発生します。特に、ハイヒールなどのかかとが高く不安定な靴を履いていると、足首が内側に倒れやすくなり、捻挫のリスクが上がります。

身体的要因(柔軟性の低下と筋力不足)

ふくらはぎの筋肉やアキレス腱が硬いと、足首が上に反りにくくなり、常につま先が下がった状態(靭帯が緩みやすい不安定な位置)になりがちです。また、足の裏のアーチが崩れている「扁平足(へんぺいそく)」の方や、足首周りの筋力が弱い方は、着地時の衝撃をうまく吸収できず、捻挫を繰り返しやすい傾向にあります。

診断

問診と触診(徒手検査)

「いつ、どのような状況で捻ったか」「過去にも同じ場所を捻挫したことがあるか」を詳しく伺います。そして、外くるぶしの前側や下側(靭帯の付着部)を指で押し、ピンポイントで強い痛み(圧痛)があるかを確認します。

X線(レントゲン)検査

足関節捻挫の診断において、まず除外(否定)しなければならないのが骨折です。外くるぶしの骨折(外果骨折)や、靭帯が骨を剥がしてしまう「剥離骨折(はくりこっせつ)」、足の甲の骨折(第5中足骨基部骨折)などが隠れていないかを、レントゲン撮影で確実に確認します。

超音波(エコー)検査

レントゲンには写らない「前距腓靭帯」などの軟部組織をリアルタイムで観察し、靭帯がどの程度切れているか、関節の中に血が溜まっていないかを、被ばくなく安全かつ正確に視覚化することができます。

セルフチェック

足首をひねってしまった直後、それが病院へ急ぐべき重症なケガ(骨折や重度の靭帯断裂)であるかどうかを、ご自身やご家族が判断するための「オタワ足関節ルール」をベースにした簡易セルフチェックリストです。

☑️ ケガをした直後から、全く体重をかけることができず、歩くことができない。
☑️ 外くるぶし、または内くるぶしの「骨の出っ張りから上6cmまで」の範囲を押すと、飛び上がるほど痛い。
☑️ 足の甲の外側(小指の付け根の少し後ろの出っ張った骨)を押すと激痛が走る。
☑️ 足首の形が、明らかに反対の足と比べて変形している、あるいは異常な方向に曲がっている。
☑️ 足首に力が全く入らず、関節がグラグラと外れそうな感覚がある。

治療

足関節捻挫の治療は、受傷直後の「急性期」にいかに適切な処置を行うかが、その後の回復スピードと後遺症の有無を決定づけます。まつもと整形外科では、従来の「RICE処置」を進化させた、最新のスポーツ医学に基づく「POLICE(ポリス)処置」を基本方針としています。

1. 急性期の処置(POLICE処置)

P(Protect:保護): 損傷した靭帯をこれ以上傷つけないよう、重症度に応じてサポーター、テーピング、シーネ(添え木)、あるいはギプスを用いて足首をしっかりと固定し、保護します。

OL(Optimal Loading:最適な負荷): 完全に固定して長期間動かさないのではなく、サポーター等で保護した上で、痛みのない範囲で早期から少しずつ体重をかけ、動かしていくことで組織の修復を促します。

I(Ice:冷却): 受傷後48時間程度の痛みが強い時期は、氷のうなどで患部を1回15分程度冷やし、炎症と腫れを抑えます。

C(Compression:圧迫): 弾性包帯(バンテージ)などで適度に圧迫し、内出血や腫れが広がるのを防ぎます。

E(Elevation:挙上): 座っている時や寝ている時は、足の下にクッションを入れ、心臓より高い位置に患部を保つことで腫れを引かせます。

2. 薬物療法(飲み薬・湿布)

痛みが強く日常生活に支障が出る場合は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソニンなど)の飲み薬や湿布を処方し、患部の激しい炎症をコントロールします。

3. 手術療法(重症・陳旧性の場合)

初回の中等症までの捻挫であれば、ほとんどが保存的加療(固定とリハビリ)で治癒します。しかし、プロスポーツ選手などで完全断裂(3度損傷)により強固な安定性が早期に必要な場合や、過去の捻挫の放置により靭帯が完全に機能しなくなっている「慢性足関節不安定症」の方で、リハビリをしても日常生活で頻繁に捻挫を繰り返してしまう重症例に対しては、靭帯を縫い合わせたり再建したりする手術が必要になることがあります。その際は、足の外科やスポーツ整形を専門とする連携病院へ責任を持ってご紹介いたします。

リハビリ

関節可動域の回復

固定期間によって硬くなった足首の関節、特に「つま先を上に反らす(背屈)」動きを取り戻すためのストレッチを行います。アキレス腱やふくらはぎの筋肉を丁寧にほぐし、正しい軌道で関節が動くように誘導します。

足関節周囲の筋力トレーニング

傷ついた外側の靭帯をサポートするために、足の外側についている「腓骨筋(ひこつきん)」という筋肉を徹鍛えます。ゴムチューブなどを用いた抵抗運動を行い、足首を外側に押し出す力を強化して、内返し捻挫を防ぐ自前のサポーターを作ります。

固有受容覚(バランス機能)のトレーニング

靭帯が傷つくと、足首の傾きを脳に伝えるセンサーが鈍くなります。そのため、片足立ちでのバランス訓練や、不安定なボード(バランスディスク)の上に乗るトレーニングを行い、無意識のうちに足首の姿勢をコントロールできる能力(固有受容覚)を再教育します。これがスポーツ復帰に向けた最重要のリハビリとなります。

セルフケア・予防

足関節捻挫の発症や再発を防ぎ、日々の生活やスポーツ前後のセルフケアが大切になります。

スポーツ前の入念なウォームアップとストレッチ

足首やアキレス腱の柔軟性が低いと捻挫のリスクが高まります。スポーツ前には必ず足首を十分に回し、ふくらはぎのストレッチを行って関節の可動域を広げておきましょう。

適切なテーピングやサポーターの使用

過去に捻挫の経験があり足首に不安がある方は、激しいスポーツを行う際、予防として足首用のテーピングやスポーツ用サポーターを装着することをお勧めします。ただし、日常的に頼りすぎると筋力が低下するため、運動時のみの使用にとどめる工夫も必要です。

足に合った靴選び

かかとがすり減った靴や、サイズが大きすぎて靴の中で足が滑るような状態は、足首の軸がブレる原因となります。かかとをしっかりとホールドし、ご自身の足の幅や形にフィットした靴を選ぶことが、最大のケガ予防となります。

足の指と足裏のトレーニング

「タオルギャザー(床に敷いたタオルを足の指でたぐり寄せる運動)」などで足の裏のインナーマッスルを鍛え、健康的な土踏まずのアーチを保つことで、着地時の衝撃吸収能力を高めることができます。

Q&A

Q

捻挫と骨折はどうやって見分ければ良いですか?

A

外見だけで捻挫と骨折を100%見分けることは医師でも困難です。しかし、骨折の場合は「全く体重をかけられない」「外くるぶしなどの骨の出っ張りそのものを押すと激痛が走る」「安静にしていても痛みが一向に引かない」といった特徴があります。「足首を動かせるから骨折ではない」と思い込むのは非常に危険です。靭帯が骨を引っ張って剥がれる「剥離骨折」のケースも多いため、痛みが強い場合は必ずレントゲン検査を受けてください。

Q

ひねった直後は冷やした方がいいですか?温めた方がいいですか?

A

受傷直後から約48時間の「急性期」は、患部に激しい炎症が起きて熱を持っているため、必ず「冷やして(アイシング)」ください。氷のうなどで1回15分程度冷やし、痛みを感じなくなったら外す、を繰り返します。この時期にお風呂で長湯をして温めたり、アルコールを飲んだりすると、血流が良くなりすぎて腫れや内出血が急激に悪化するため絶対に避けてください。数日経過し、強い熱感や腫れが引いた後は、逆に温めて血流を促し、組織の修復を助ける段階に移行します。

Q

歩く時の痛みがなくなったら、すぐにスポーツに復帰していいですか?

A

自己判断での早期復帰は「捻挫の再発(癖になること)」の最大の原因です。日常生活の歩行で痛みがなくなっても、ジャンプの着地や急な方向転換に耐えられる強度まで靭帯が回復し、筋力やバランス感覚が戻っているとは限りません。まつもと整形外科では、理学療法士が筋力や可動域、片足でのジャンプ等のテストを行い、安全にスポーツ復帰できるタイミングを的確にアドバイスいたします。

Q

市販の足首用サポーターを巻いておけば自然に治りますか?

A

市販の柔らかいサポーターは、保温や軽い圧迫には役立ちますが、切れた靭帯を固定して安静を保つほどの「固定力」はありません。靭帯が中等度以上傷ついている場合、市販のサポーターだけで放置すると、靭帯が緩んだまま治ってしまい、足首のグラつきが一生残ってしまう恐れがあります。まずは整形外科で正しい診断を受け、損傷の程度に合った医療用の強固なサポーターやシーネ固定を行うことが大切です。

Q

何回も同じ足首を捻挫してしまうのはなぜですか?

A

過去の捻挫の際に、十分な固定やリハビリを行わずに放置した結果、靭帯が伸びきって緩んでしまっている(慢性足関節不安定症)ことが最大の原因です。靭帯のセンサー機能が落ちているため、足首が傾いた瞬間に筋肉がとっさに反応して守ることができず、何度もカクッとひねってしまいます。この状態を改善するためには、理学療法士と一緒に足関節周囲の筋力(特に腓骨筋)とバランス感覚を徹底的に鍛え直すリハビリが重要となります。