股関節の痛みについて
股関節に違和感を感じたら
痛みが増す前にご相談ください
立ち上がる・座る・歩くといった何気ない動作のたびに、股関節に「引っかかり」を感じる方はいませんか?足の付け根がつっかえるような感覚は、股関節の中で骨や周囲の組織の動きがうまくかみ合わず、一時的にズレたり挟まることで生じます。股関節に不調があると、足の付け根だけでなく、お尻のえくぼのあたりや太ももにも痛みを感じることがよくあります。加齢による関節の変化や筋肉・腱への負担、姿勢や動作のくせ、運動や仕事による負荷など原因はさまざまです。当院では、一人ひとりに合った適切な治療方針を立てるために、まずはしっかりと検査・診断いたします。
このような症状、
お悩みはご相談ください
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股関節に痛みがある
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股関節が痛くて歩けない
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足の爪切りが難しい
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正座やあぐらができない
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和式トイレが使えない
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車の乗り降りが大変
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歩き出しに痛みがある
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階段の上り下りに手すりが必要
など
主な症状・疾患
症状・原因
変形性股関節症は、股関節の軟骨が摩耗してすり減り、股関節が変形して股関節の痛みや動きの制限が生じる病気です。初期は立ち上がり時の股関節の痛みや違和感から始まり、進行すると夜間の痛み、歩行時の痛み、階段昇降のつらさ、股関節の硬さ(可動域制限)が目立つようになります。 長時間歩いた日や、負担のかかる動作の後に痛みが強くなることも多いです。 変形性股関節症には、加齢性変化や股関節の負担によって起こる「一次性変形性股関節症」と、生まれつき股関節の受け皿が浅い(臼蓋形成不全)ことが原因で起こる「二次性変形性股関節症」があります。特に日本では臼蓋形成不全による二次性変形性股関節症が多いとされています。
検査方法
問診にて、痛みが出る動作(歩行・立ち上がり・階段)、痛みの部位(股関節・鼠径部・臀部)、生活への影響を確認します。診察では、股関節の可動域、脚長差(左右の脚の長さ)を確認します。 画像検査では、レントゲンで関節軟骨の摩耗・股関節の変形・関節の隙間の狭さ、骨棘などを評価し、変形性股関節症の進行度を評価します。CT検査やMRI検査を行うこともあります。
治療方法
治療は基本的に保存療法から行います。痛みが強い時期には鎮痛薬や湿布で炎症を抑え、負担のかかる動作(長時間歩行・深い屈曲動作)を制限します。 リハビリでは、股関節周囲の筋力強化(中殿筋・腸腰筋)、骨盤と体幹の安定性向上、可動域の改善を目的に、徒手療法や運動療法を組み合わせます。股関節と腰の動きをスムーズにし、日常動作の負担を減らすことで、痛みの軽減と進行抑制が期待できます。 症状が進んで歩行が困難になった場合や、日常生活に大きな支障が出ている場合には、人工股関節置換術が選択肢となります。
症状・原因
大腿骨近位部骨折は、大腿骨の近位部(足の付け根)が折れる骨折で、高齢者の転倒によって最も多く起こる骨折の一つです。骨折する部位によって大腿骨頸部骨折と大腿骨転子部骨折に分けられます。受傷後は強い股関節痛が出現し、立ち上がりや歩行が困難になります。多くの場合、足を動かすだけで激痛があり、下肢が短く見えたり、外側にねじれて見えることがあります。 原因は転倒が圧倒的に多く、骨粗しょう症によって骨が弱くなっていることで骨折が起こりやすくなります。また、早歩きや段差でのつまずき、夜間の転倒、ふらつきなどが誘因となります。骨折をきっかけに歩けなくなることがあるため、早期の診断と治療が重要です。
検査方法
問診では受傷状況(転倒の場面、痛みの程度)、歩行状態、既往歴(骨粗しょう症・内服薬)を確認します。診察では、脚の変形、短縮、外旋位の有無をチェックし、股関節を軽く動かした際の強い痛みを評価します。 画像検査として、レントゲン撮影で骨折の部位(大腿骨頸部骨折/大腿骨転子部骨折)やズレの程度を確認します。骨折線が不明瞭な場合や、詳細な評価が必要な場合はCTやMRIを追加します。骨折の種類によって治療方法が大きく異なるため、正確な分類が大切です。
治療方法
大腿骨近位部骨折の治療は、手術が基本となり早期の手術が推奨されています。手術は骨折の種類によって、スクリュー固定、髄内釘固定、人工骨頭置換術などを選択します。 手術後は早期離床・早期歩行が非常に重要で、合併症(肺炎・血栓・筋力低下)を防ぐためにも、当日または翌日からリハビリを開始することが一般的です。歩行訓練、筋力強化、バランス訓練を段階的に行い、自立した生活に戻ることを目指します。また、再発予防には転倒予防・骨粗しょう症治療(薬物療法・栄養指導)が欠かせません。
症状・原因
大腿骨骨頭壊死は、大腿骨頭(大腿骨の一部)へ流れる血流が障害され、虚血により骨が壊死してしまう病気で骨頭が陥没して痛みが起きます。初期は歩いたときの股関節痛や違和感から始まりますが、自覚症状がないことも少なくありません。進行すると立ち上がり動作での鋭い痛み、歩行困難、股関節の可動域制限、夜間痛が顕著になります。壊死した部分が徐々に潰れると、痛みは強くなり日常生活に大きな支障をきたします。 正確な原因は未だに解明されていませんが、ステロイド薬の長期使用・多量飲酒・喫煙・外傷(大腿骨頚部骨折・脱臼)などが主な誘因として考えられています。進行性の病気であるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。厚生労働省の指定難病に指定されており、医療費補助の対象となります。
検査方法
問診では、痛みの出る動作(歩行・立ち上がり・階段)、既往歴(ステロイド使用歴・飲酒量)、外傷の有無を確認します。診察では、股関節の可動域、筋力、歩容の異常(跛行)などを評価します。 画像検査では、まずレントゲンを撮影して骨頭の圧壊や変形をチェックします。初期段階ではレントゲンに異常が出ないことも多いため、MRI検査が非常に有効で、骨頭内部の血流障害や壊死領域を確認します。必要に応じてCT検査で骨の陥没や変形の有無を評価し、進行度に応じた治療方針を決定します。
治療方法
治療は、壊死の範囲や進行度、年齢、生活スタイルによって大きく変わります。 初期〜中期では保存療法が中心で、痛みの軽減を目的に鎮痛薬や湿布を使用し、股関節にかかる負担を減らすための生活指導(荷重制限・杖歩行)が行われます。リハビリでは、股関節周囲の筋力強化(中殿筋・腸腰筋)や骨盤・体幹の安定性を高め、関節へのストレスを軽減します。可動域訓練や歩行指導を組み合わせ、痛みを抑えながら機能改善を図ります。 進行して骨頭が潰れてしまった場合や日常生活に支障が大きい場合には、人工股関節置換術が選択されます。手術により痛みの改善が期待でき、歩行能力の回復にもつながります。
症状・原因
ペルテス病は、股関節を形成する大腿骨頭(太ももの骨の先端)への血流が一時的に滞り、骨の組織が壊死して潰れてしまう疾患です。活発に動く5歳から7歳頃の男児に多く発症します。壊死の修復は2~3年かかります。 主な症状は、歩行時の股関節や太もも、膝付近の痛みと、それによる「足を引きずる(跛行)」ような歩き方です。初期は痛みが軽かったり、数日で消えたりすることを繰り返すため、単なる成長痛や筋肉痛と見過ごされやすい傾向にあります。原因は未だに解明されていませんが、血流障害が関与していると考えられています。
検査方法
診断には、まず歩行状態を確認します。ペルテス病では股関節を内側にひねる、外側に広げるといった動作が制限されるのが特徴です。 画像検査ではレントゲン撮影を行い、骨頭の潰れ具合や、骨の密度変化をチェックします。発症初期でレントゲンに変化が現れにくい段階では、MRI検査が非常に有効です。MRIでは骨の内部の血流状態や、ごくわずかな壊死の兆候を早期に捉えることが可能です。これにより、他の股関節疾患(単純性股関節炎など)との判別を行い、進行度に応じた方針を立てます。
治療方法
治療の目的は、変形した骨頭が再生するまでの間、骨頭が受け皿(臼蓋)からはみ出さないように保護し、免荷として骨頭が球形に回復することを待ちます。骨頭の圧潰(潰れ)が軽度な場合は、定期的な経過観察や、激しいスポーツの制限、可動域訓練などの保存療法を行います。 骨頭がはみ出すリスクが高い場合には、装具を用いて足を広げた状態を保ち、荷重を分散させる治療(外転免荷装具の使用)を行います。また、病期や年齢によっては、早期の回復を目指して手術(骨切り術)を選択することもあります。完治までには数年を要する場合が多いです。
症状・原因
臼蓋形成不全は、股関節の受け皿である骨盤の寛骨臼(臼蓋)が小さかったり、浅かったりして、大腿骨頭を十分に覆いきれていない病気です。関節の接地面積が狭いため、局所的に大きな負担がかかりやすく、将来的に変形性股関節症へと進行する大きな要因となります。 主な症状は、立ち上がり時や歩行時の股関節に痛みです。成人男性の0〜2%、女性の2〜7%が寛骨臼形成不全と言われており、女性に多いことが知られています。多くは先天的な骨の形状が原因ですが、乳児期の股関節脱臼の影響が関係することもあります。
検査方法
診断の基本はレントゲン検査です。「CE角」と呼ばれる数値などを測定し、受け皿が骨頭をどの程度カバーできているかを客観的に評価します。これにより、形成不全の程度(軽度〜重度)を正確に把握します。 さらに、軟骨の摩耗具合や関節唇(関節の縁にあるクッション)の損傷を確認するためにMRI検査を行うことも重要です。痛みがある場合、骨の形だけでなく周囲の組織に炎症が起きていないかを詳細に調べることで、現状の痛みの正体を特定します。診察では、足の開きやすさや、特定の角度で引っかかり感がないかを慎重に確認します。
治療方法
根本的な骨の形状を治すには手術が必要となりますが、まず「関節の安定性を高める」ための保存療法を優先します。 最も有効なのは、股関節を支える深層筋肉のトレーニングです。筋力を強化して関節の「遊び」を減らすことで、狭い接地面積にかかる負担を分散させ、痛みの緩和と進行予防を目指します。あわせて、体重管理や過度な荷重動作の回避など、日常生活での工夫をアドバイスいたします。 保存療法でも痛みが改善せず、将来的な変形の進行リスクが非常に高い場合には年齢、変形の程度を考慮して人工股関節置換術(THA)や寛骨臼回転骨切り術(RAO)など検討します。
症状・原因
単純性股関節炎は、3歳から10歳くらいまでのお子様に多くみられ、何らかの原因で股関節に一過性の強い炎症が生じ、股関節液がたまることで股関節痛が生じる病気です。小児の股関節痛で最も多く、特に男子に多いと言われています。ある日突然、足の付け根の痛みを訴えたり、足を引きずって歩いたり(跛行)するのが特徴です。小さな子供はどこが痛いのか自分自身でわからず、股関節ではなく「膝や太ももが痛い」と言うこともあります。 はっきりとした原因は不明ですが、風邪をひいた後や、活発に動き回った後に発症することが多いため、ウイルス感染や小さな外傷が引き金になると考えられています。通常、後遺症の心配はなく、数日で回復する一過性の症状です。
検査方法
検査の主な目的は、他の重篤な疾患(ペルテス病や化膿性股関節炎など)との鑑別です。 診察では、股関節を動かした際の制限や痛みをチェックします。画像検査ではレントゲン撮影を行い、骨の異常がないことを確認します。また、超音波(エコー)検査が非常に有用で、関節の中に溜まった水(関節水腫)の有無をその場で確認できます。重篤な症例では、炎症の程度や他疾患との判別のために、必要に応じて採血による炎症反応のチェックやMRI検査を行うこともあります。
治療方法
基本的な治療は、痛みが落ち着くまで「安静」です。安静にして、痛みが強い場合はアセトアミノフェンを内服します。多くは1〜2週間ほどで自然に軽快します。
症状・原因
股関節唇は、股関節の受け皿の縁を囲むように存在する軟らかい組織で、クッションのように関節を安定させる役割を担っています。ここが損傷すると、あぐらをかく動作や車の乗り降り、靴下を履く、椅子から立ち上がる際などに、足の付け根に鋭い痛みや「ズレるような違和感」が生じます。 原因は、スポーツによる過度な捻転動作や繰り返しの負荷、転倒や事故、骨の形状(股関節インピンジメント)が影響して衝突が起きることが挙げられます。放置すると関節軟骨にも悪影響を及ぼし、将来的な変形性股関節症の原因となることもあるため注意が必要です。
検査方法
問診では、痛みが生じる動作を詳しく確認します。診察では「インピンジメント・テスト」と呼ばれる、股関節を深く曲げて内側にひねる手技を行い、損傷部位に特有の痛みが出るかをチェックします。 画像診断において、通常のレントゲンでは軟組織である関節唇は写りませんが、骨の形状に異常がないかをまず確認します。診断の確定にはMRI検査が有効で、亀裂の部位や大きさを把握します。
治療方法
まずは保存的治療として、股関節への負担を減らします。一定期間のスポーツ制限や、消炎鎮痛剤による炎症の緩和とともに、リハビリが最も重要な役割を果たします。リハビリでは、骨盤周りのインナーマッスルを整え、股関節が正しい位置でスムーズに動くよう再学習させることで、損傷部への衝突を回避します。 こうしたリハビリや生活指導を数ヶ月続けても、引っかかり感や強い痛みが解消されない場合には、関節鏡を用いた低侵襲な手術(股関節鏡視下手術)を検討します。
症状・原因
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、股関節を形成する「太ももの骨(大腿骨)」と「骨盤の受け皿(寛骨臼)」が、動かすたびにインピンジメント(Impingement=衝突)してしまう状態を指します。主な症状は、あぐらをかく動作、深くしゃがみ込む姿勢、スポーツでの急な方向転換時に生じる足の付け根の鋭い痛みです。痛みで深く腰掛けられなかったり、靴下を履く動作が不自由になったりします。 原因は、骨の形状にわずかな突出(形態異常)があることで、本来スムーズに動くべき関節が物理的にぶつかってしまうことにあります。特にスポーツを熱心に行う若年層や働き盛りの世代に多く、繰り返しの衝突が股関節唇(クッション材)の損傷を招くことも少なくありません。
検査方法
診察では、股関節を内側にひねりながら深く曲げる「インピンジメント・テスト」を行い、意図的に骨の衝突を再現して痛みの出方を確認します。 画像検査ではレントゲン撮影が不可欠です。複数の角度から撮影を行い、骨の縁に余分な出っ張り(カム変形やピンサー変形)がないかをチェックします。さらに詳しく調べるためにCT検査を行い、骨の立体的な形状を把握したり、MRI検査で衝突によって傷ついた軟骨や関節唇の状態を確認したりします。
治療方法
治療の第一歩は、衝突が起こる動きを避け、炎症を鎮めることです。痛みが強い時期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や湿布を用いて、関節内の炎症と痛みを速やかに緩和させます。 リハビリでは、骨盤の傾きや股関節の柔軟性を改善することで、物理的な「ぶつかり」を最小限に抑える体の使い方を身につけます。特に関節を支える深層筋肉のバランスを整えると、骨同士が衝突しにくい隙間を作ることができ、症状の劇的な改善が期待できます。あわせて、日常生活や競技生活における動作改善のアドバイスも行います。 こうした保存療法を継続しても、歩行やスポーツ時に強い痛みが残る場合には、衝突の原因となっている骨の出っ張りを削り、形を整える関節鏡手術を検討します。
症状・原因
グロインペイン症候群は、主にサッカーなどのキック動作やランニングを繰り返すスポーツ選手に多く見られる、足の付け根(鼠径部)周辺の慢性的な痛みです。 キック時、ダッシュ時、腹筋運動時などの動作に伴う鋭い痛みや、運動後の持続的な鈍痛が挙げられます。痛みの部位は、足の付け根だけでなく、下腹部や太ももの内側にまで及ぶことがあります。 原因は、繰り返しの負荷に加えて、体幹や股関節周囲の筋力不均衡、柔軟性の低下などが複雑に絡み合っています。一つの動作によって急激に痛めるのではなく、全身の機能低下によって鼠径部周辺に過剰なストレスが集中することで発症します。
検査方法
診断では、まず痛みが出る動作や圧痛点を特定します。特に内転筋(太ももの内側)の付け根や恥骨周辺を押し、どこに強い痛みがあるかを慎重に確認します。 画像検査では、レントゲンで恥骨結合の状態や骨の異常を確認します。さらにMRI検査は、微細な疲労骨折、腱の付着部炎、周囲の筋肉のむくみ(骨盤の骨髄浮腫)など、レントゲンでは写らない軟部組織のダメージを把握するために非常に有効です。また、超音波(エコー)検査を用いて、痛みが出る動作の筋肉の状態を確認することもあります。
治療方法
治療の基本は、局所の炎症を抑えるとともに、根本的な原因である全身の機能改善を図ることです。 激しい痛みがある時期には、消炎鎮痛剤の内服や湿布による局所のケアを行い、炎症を鎮めます。並行して最も重要となるのがリハビリです。単に休むだけでは再発しやすいため、硬くなった股関節の柔軟性を高め、体幹(腹筋・背筋)と股関節周囲の筋肉が連動して動くように調整を行います。 いわゆる「コア(体幹)トレーニング」を取り入れ、骨盤周りの安定性を向上させることで、鼠径部にかかる負担を分散させます。慢性化して難治性となった場合には、ステロイド注射や体外衝撃波療法、稀に手術が検討されることもあります。
よくあるご質問















