こんにちは
久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です
今回は、母指CM関節症の痛みを軽減する効果的なリハビリについて解説します。
まず、母指CM関節症の症状と原因、正確な診断方法を理解しましょう。次に、自宅でできるセルフエクササイズやリハビリテーションについて詳しく説明します。
母指CM関節症の痛みを克服し、日常生活の質を向上させましょう。
母指CM関節症は親指の付け根の母指CM関節に痛みや変形が起きる疾患で、症状が悪化すると日常生活に大きな負担を与えることがあります。病状の進行を遅らせたり、症状を改善するために、リハビリテーションは効果的な治療法です。
リハビリでは、関節の動作範囲を広げるストレッチや、筋力を強化するエクササイズが行われます。これにより関節の痛みが緩和され、機能が改善されることが期待できます。
また、適切な装具を使用することで関節を固定し、日常生活での痛みや負担を軽減することが可能です。また、局部へのステロイド注射が必要な場合もあります。ステロイドの母指CM関節内への注射は関節の炎症を抑えて痛みを効果的に緩和する方法です。
これらのリハビリテーションや治療を適切に行うことで、母指CM関節症の痛みを軽減し、生活の質を向上させることができます。
母指CM関節症は、親指の付け根のCM関節が変形し、痛みや腫れが生じる病気です。主な原因は、加齢による関節の変形や、仕事での長年の使い過ぎ、関節リウマチによる炎症、外傷やスポーツなどでの過度な負担です。
この症状が進行すると、関節の可動域が制限され、日常生活の動作が困難になります。また、痛みが悪化すると、指の力が弱まり、物をつかむことも難しくなります。
正しく診断し、適切な治療法を選択することが重要です。早期に対処することで、症状の悪化を防ぎ、関節機能の改善が期待できます。
母指CM関節症の診断は、診察や検査によって行われます。痛みの部位や痛みの発生原因、関節の変形の程度によって、適切な診断と治療法が選択されます。
関節リウマチやドケルバン腱鞘炎との区別が重要で、レントゲン検査や血液検査などの検査が行われることがあります。これらの検査は、病変の進行や治療方針を決定する上で重要となります。
関節リウマチやドケルバン腱鞘炎は治療法が異なりますので、適切に母指CM関節症を診断することで症状の改善が期待できます。
母指CM関節症の治療には、まずは保存的加療(非手術治療)が選択されます。保存的治療には、内服薬、外用薬、リハビリテーション、装具の使用、ステロイド注射などがあります。一つを選択するのではなく、複数の治療を組み合わせる形になります。
リハビリは関節の可動域を改善し、筋力を強化することで、痛みを軽減する効果が期待できます。装具は、関節を適切な位置に固定し、CM関節の負担を減らして痛みを軽減するだけでなく、関節の変形の進行を防ぐ効果があります。
ステロイド注射は、関節の炎症を抑え、痛みを緩和する効果があります。ただし、繰り返し注射を行うと関節への悪影響があるため、適切な間隔と回数が重要です。
これらの保存的治療(非手術治療)を適切に行うことで、母指CM関節症の症状を緩和し、手術を回避できる可能性があります。
自宅でできるセルフエクササイズは、自宅で簡単に実施できる方法です。例えば、手や指の関節に問題がある場合、手首を回す動作や指の曲げ伸ばし運動が効果的です。また、関節リウマチの方には軽いストレッチやスポーツが症状の緩和に有効です。しかし、運動を始める前には必ず医師や理学療法士と相談し、適切なエクササイズを選択しましょう。 ステロイド注射や消炎鎮痛剤の使用と併せて、自宅でのリハビリが機能改善に役立つことがあります。
手術後のリハビリテーションは、関節可動域や筋力を回復させ、日常生活の質を向上させるために重要です。手術後は傷の状態や創部の腫れが緩和され、主治医の許可が出てから開始されます。
リハビリのプロセスは、手術の内容によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
・関節可動域を向上させるためのストレッチングから始めます。
・筋力を回復させるための運動療法が行われます。
・日常生活動作の訓練が行われます。
リハビリは患者様の努力と協力が不可欠で、継続的な取り組みが回復の鍵となります。
母指CM関節症の治療には、まずは保存的治療(非手術治療)が選択されますが、悪化すると手術が必要な場合もあります。手術後のリハビリテーションは、関節の機能を回復させるために重要で、患者様の努力と協力が求められ、継続することが大切になります。
【参考文献】
・日本整形外科学会,母指CM関節症 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/rhizarthrosis.html