神経痛・しびれ

上肢の痺れ、痛み

原因
脊髄が通るトンネルを脊柱管と呼びます。椎間板に変性が生じて、脊柱管や椎間孔が狭くなり脊髄や神経根が圧迫されて上肢に神経痛を引き起こします。
治療
痛みが強い場合は、消炎鎮痛薬(NSAIDS)や神経障害性疼痛治療薬を使用します。物理療法(牽引)やリハビリを行って、疼痛の軽減を図ります。
代表的疾患
頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症

手足の痺れ

このような症状でお悩みではないですか?
  • 手や足がピリピリする
  • 手や足の力が入りにくい
  • 手、足、指の感覚が鈍い
  • 首や肩、腰が痛い
手足の痺れとは
手や足の痺れとは手や足、指がピリピリしたり、感覚が鈍くなったり、感覚が過敏になったりします。
なぜ手足が痺れるのか
手や足、指が痺れる原因として考えられるものには神経の影響や血流の影響が考えられます。何らかの要因で神経が圧迫されたり、血流が悪くなるといったことで痺れが起こります。
手の痺れの原因疾患としては頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、肘部管症候群、手根管症候群、橈骨神経麻痺、正中神経麻痺など、足の痺れの原因疾患として腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など様々な原因が考えられます。また、糖尿病でも手足の痺れが出ることがあります。脳梗塞や脊髄損傷なは末梢神経だけではなく、中枢神経の病気でも痺れが出ることがあるので注意が必要です。
放っておくとどうなるの
痺れは放っておくと改善しにくくなってしまいます。感覚障害や運動障害が出てしまい、手や足の感覚が鈍くなったり、感覚が無くなったりします。
当院での手・指の痺れの治療
手や指の痺れの原因はいろんな要因が考えられ、原因が特定できないこともあります。まつもと整形外科では問診や診察から痺れの原因を特定し、投薬やリハビリで改善を図ります。
手・足の痺れでお悩みの方は是非一度「まつもと整形外科」へお越しください。

肋間神経痛

症状
背中や胸、肋骨に針で刺されたような痛みが突発的に出現します。
原因
肋間神経痛は肋骨の下に沿っている肋間神経が何らかの原因で刺激されて症状を発症します。肋間神経痛は疾患名でなく症状なので、原因となる疾患がいくつかあります。原因として、肋骨骨折や帯状疱疹ヘルペスなどが挙げられますが、原因がはっきりしないこともあります。
治療
肋間神経痛の原因となる疾患がわかった場合は、その原因の疾患を治療することで痛みやしびれを改善させていきます。ただ、原因がわからないことも多く、その場合は症状を緩和させるために消炎鎮痛薬や神経痛薬を内服して疼痛軽減を図ります。

坐骨神経痛

症状
坐骨神経に沿って、おしりから脚(あし)にかけて起こる痛みや痺れの症状を総称して「坐骨神経痛」と呼びます。
原因
坐骨神経は腰から足の先までつながっている、人体のなかでも最も太くて長い神経です。その坐骨神経が圧迫されることで症状が出現します。坐骨神経痛の代表的疾患として「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」、「梨状筋症候群」が挙げられます。
治療
レントゲン撮影で原因を特定し、必要に応じてMRI検査まで行います。
痛みや痺れを改善させるために、内服薬で疼痛コントロールを行い、さらにリハビリテーションにて疼痛軽減を図ります。

下肢の痺れ、痛み

症状
  • 腰やお尻の痛み
  • 下肢の痺れ
原因
脊髄が通るトンネルを脊柱管と呼びます。骨や靭帯の肥厚、椎間板の突出などで、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて症状を引き起こします。
治療
内服薬で神経の血流を改善させたり、鎮痛薬で痛みを軽減させます。また、物理療法(牽引、電気治療)やリハビリを行って、症状の改善と筋力の回復を図ります。
代表的疾患
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症

頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症は、頚椎と頚椎の間にあるクッションの役割を担う椎間板が変性して骨棘を形成します。この骨棘が神経根を圧迫することで肩甲骨や肩、腕に痛みや痺れの症状が出現します。加齢による椎間板や椎間関節の変性、長時間のデスクワークなど、一定の姿勢を続ける生活習慣が原因となることもあります。
症状
  • 首から肩、首から肩甲骨にかけての痛みや痺れ
  • 腕から手指にかけての痛みや痺れ
  • 巧緻障害(手指の細かな作業ができない)
  • 握力の低下
原因
  • 加齢に伴う頚椎の変性
  • 姿勢(長時間座位の仕事はうつむきになるため首への負担が大きくなる)
  • スポーツ(柔道やラグビーなど首に負担のかかるスポーツ)
起きやすい人
  • 40代~50代の中高年に多い
  • パソコンやスマートフォンの長時間使用で首に負担がかかる
  • トラックの運転手、植木職人で首に負担がかかる
  • ラグビー、柔道、レスリング、格闘技など首を酷使するスポーツ
診断
  • 問診と診察:痛みや痺れの部位を確認します。また、首を動かすことで症状が増悪しないか確認します。
  • レントゲン:椎間板や椎間関節の変性、骨棘の有無を確認します。
  • MRI:骨棘による神経圧迫の程度を確認します。(当院にはMRI検査がないので、検査が必要な際は総合病院へMRI検査を依頼します。)
治療
薬物療法
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  • 代表的な薬剤:ロキソニン、セレコキシブ、ボルタレン
    痛みと炎症を和らげるための薬です。痛みがある部位には炎症が起きています。炎症を引き起こす物質の産生を抑制し、炎症を抑えて頚部痛や神経痛を軽減させます。
  • 鎮痛薬
  • 代表的な薬剤:カロナール
    鎮痛薬として使用され、副作用が少ないため小児や高齢者でも使用しやすい薬です。腎機能が悪い方にも使用できます。
  • 神経障害性疼痛
  • 代表的な薬剤:リリカ、タリージェ
    神経障害性疼痛は、神経の圧迫や障害によって神経伝達物質が放出されると痛みを感じます。この神経伝達物質の放出を抑えて、痛みを和らげます。痺れが強い方には積極的に使用し、神経痛では最も重要な薬になります。
  • オピオイド系鎮痛薬
  • 代表的な薬剤:トラムセット、トラマール、ワントラム、ツートラム
    非麻薬性のオピオイド鎮痛薬はロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDS)などに効果がない場合に使用されます。脳内にあるオピオイド受容体という鎮痛に関わる受容体を刺激し、脳に痛みの信号が伝わりにくくする働きがあります。
リハビリ
リハビリ専門家の理学療法士がリハビリを担当します。リハビリによって、神経への圧迫を軽減し、痛みを和らげることが期待できます。また、首の柔軟性が向上することで、首への負担が減ります。 正しい姿勢を身につけることも、首や椎間板への負担を軽減できるために重要です。

頚椎症性脊髄症

頚椎が加齢に伴って変形していくことを変形性頚椎症といいます。頚椎症性脊髄症はこの変形性頚椎症がさらに進行して、脊髄が圧迫されて、さまざまな神経症状が起こる病気です。その結果、身体のさまざまな部位に不具合が出現します。主に手足の痺れや歩行障害、巧緻運動障害、膀胱直腸障害が認められ、日常生活に支障をきたします。 疾患の進行速度は個々で違い、自覚症状がある方とない方がいます。見過ごされがちな初期症状は、手のふるえやコーヒーカップを持つのが困難になる程度です。これらは日常生活の中で気付きにくく、時間が経つと疾患は徐々に進行し、症状が重くなります。 早期発見が重要です。
症状
  • 首の痛み
  • 手足の痺れ
  • 歩行障害
  • 膀胱直腸障害(尿や便が出しづらい)
  • 巧緻運動障害(指先の細かな作業ができない)
  • 握力低下
原因
  • 骨棘
  • 黄色靭帯の肥厚
  • 頚椎の変性とズレ
診断
  • レントゲン:頚椎の変性や骨棘を確認
  • MRI:神経の圧迫や脊髄の圧迫を確認
治療
保存的治療
手足の痺れのみで症状が軽度であれば、投薬とリハビリテーションが第一選択になります。
手術療法
神経症状の進行や歩行障害、膀胱直腸障害などみられる場合には手術が選択されます。
1~2椎間であれば頚椎前方除圧固定術、3椎間以上であれば頚椎椎弓形成術後が選択されます。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている椎間板が飛び出して神経を圧迫する病気です。
頚椎は7個あり、一つ一つの椎体の間に椎間板と呼ばれる柔らかくて弾力のある組織が存在します。この椎間板の線維輪が劣化などで損傷し、中にある髄核が椎間板から飛び出し、神経を圧迫すると頚椎椎間板ヘルニアと診断されます。 頚椎椎間板ヘルニアは年齢を重ねるごとに椎間板が劣化し、怪我や体の負担によって進行します。
症状
  • 首の痛み
  • 肩や肩甲骨の痛み
  • 腕や手の痛みと痺れ
  • 握力低下
  • 巧緻運動障害
  • 頭痛
  • 耳鳴りやめまい
原因
  • 年齢:老化により、椎間板が劣化してヘルニアになりやすくなります
  • 首への負担:パソコンやスマートフォンの長時間使用
  • 体型:肥満等により、椎間板にかかる負担が増える
  • スポーツでの怪我:ラグビー、柔道、レスリング、格闘技などのコンタクトスポーツ
頚椎椎間板ヘルニアになりやすい人
  • パソコンやスマートフォンの長時間使用
  • 喫煙
  • 重労働
  • ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツ
  • 30代~50代
診断
  • 問診と診察:痛みや痺れの部位を確認します。首や肩甲骨の痛み、腕や手の痺れなどがあるかどうか確認します。
  • レントゲン:椎間板の劣化を確認します。
  • MRI:椎間板の変性や突出、神経圧迫の程度を確認します。(当院にはMRI検査がないので、検査が必要な際は総合病院へMRI検査を依頼します。)
治療
薬物療法
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  • 代表的な薬剤:ロキソニン、セレコキシブ、ボルタレン
    痛みと炎症を和らげるための薬です。痛みがある部位には炎症が起きています。炎症を引き起こす物質の産生を抑制し、炎症を抑えて頚部痛や神経痛を軽減させます。
  • 鎮痛薬
  • 代表的な薬剤:カロナール
    鎮痛薬として使用され、副作用が少ないため小児や高齢者でも使用しやすい薬です。腎機能が悪い方にも使用できます。
  • 神経障害性疼痛
  • 代表的な薬剤:リリカ、タリージェ
    神経障害性疼痛は、神経の圧迫や障害によって神経伝達物質が放出されると痛みを感じます。この神経伝達物質の放出を抑えて、痛みを和らげます。痺れが強い方には積極的に使用し、神経痛では最も重要な薬になります。
  • オピオイド系鎮痛薬
  • 代表的な薬剤:トラムセット、トラマール、ワントラム、ツートラム
    非麻薬性のオピオイド鎮痛薬はロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDS)などに効果がない場合に使用されます。脳内にあるオピオイド受容体という鎮痛に関わる受容体を刺激し、脳に痛みの信号が伝わりにくくする働きがあります。
リハビリ
リハビリ専門家の理学療法士がリハビリを担当します。リハビリによって、神経への圧迫を軽減し、痛みを和らげることが期待できます。また、首の柔軟性が向上することで、首への負担が減ります。 正しい姿勢を身につけることも、首や椎間板への負担を軽減できるために重要です。
手術療法
薬やリハビリで改善しない場合に手術で椎間板を摘出します。
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会
院長 松本 淳志