足の痛み、腫れ、しびれ
原因
足の形状が偏平足の場合、負荷がかかりすぎて足の裏や足全体が痛くなることがあります。
治療
足の形状が悪い場合は、アーチサポーター(足底版)をオーダーメイドで作成します。また、リハビリを行うことで歩行や姿勢の異常を改善させて足への負荷を減らします。
代表的疾患
偏平足、足底腱膜炎、足根管症候群、痛風発作
肉離れ
病態
ジャンプやダッシュな、スポーツ動作などの急激な筋肉への負担で筋肉がその衝撃や負担に耐えられなくなり、筋肉の一部が切れたり、裂けたりして炎症・内出血が生じます。
起こりやすい部位
腓腹筋(下腿後面)、ハムストリング筋(大腿後面)、大腿四頭筋(大腿前面)
診断
エコー検査では腱の断裂やそれに伴う内出血を確認します。
症状
治療
RICE処置。
R(Rest):安静
I(Icing):冷やす
C(Compression):圧迫
E(Elevation):挙上(患部を心臓より高い位置に挙げる)
弾性包帯で患部を圧迫して、内出血を防ぎます。この初期治療が、今後の早期回復期間に影響を与えます。
シンスプリント
シンスプリントは、主にランニングなどの運動時に脛骨周辺の筋肉や筋膜が炎症を起こすことによって生じます。
原因
その原因は複数存在し、適切なケアを行うことが重要です。
不適切な靴の使用
適切なサポートやクッションが無い靴で運動を行うことで、足や脚に負担がかかることがあります。
過度の運動負荷
急激な運動量の増加や、休憩が十分でない状態での高負荷の練習が続けられると、筋肉や靱帯に過度のストレスがかかります。
筋力や柔軟性の不足
下腿部の筋肉が弱い場合や、柔軟性が不足していると、シンスプリントが発生しやすくなります。
足の構造や歩行パターンの問題
扁平足や高アーチ、内反足などの足の構造や、歩行時のズレが引き金となることもあります。
これらの原因を把握し、適切な改善策を実行することで、シンスプリントを予防や治療に繋げることができます。
症状
脛骨周辺の痛み
シンスプリントの主な症状は、脛骨(シン)の周囲に生じる痛みです。運動中に痛みが始まり、休息すると一時的に軽減されます。
部位別の痛み
痛みは通常、脛骨の内側中ほどに現れることが最も一般的です。しかし、外側や下部にも痛みが現れることがあります。
痛みの程度
シンスプリントの痛みは、個々の状況や運動の強度によって異なります。軽度の症状から、歩行や日常活動に影響を及ぼすほどの激しい痛みまで幅広く表れます。
これらの症状に気付いた場合、適切な対処法を取ることが重要です。痛みを無視し続けると、より深刻な障害につながる可能性があります。
リハビリ
長期にわたる不適切な負荷や急激な運動量の増加が原因となることが多いです。
寒冷治療(アイシング)
炎症を抑えるために、脛骨周辺の筋肉に氷を当てて冷却することが効果的です。運動後すぐに行うことが望ましいです。
ストレッチ
ふくらはぎやアキレス腱のストレッチを行うことで、筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減することができます。運動前後に実施しましょう。
筋力トレーニング
脛骨周辺の筋肉を強化することで、負担を減らし、再発防止につながります。トレーニングは無理のない範囲で行いましょう。
マッサージ
筋肉の柔軟性を高めるために、セルフマッサージやフォームローラーを使用したマッサージが有効です。痛みのない程度に行いましょう。
適切な靴の使用
シューズが合わない場合、シンスプリントの原因となります。足の形や走り方に合った靴を選んで使用しましょう。
シンスプリントのリハビリは、痛みが治まるまで根気よく続けることが大切です。いきなり運動量を増やさず、徐々に負荷をかけていきましょう。
巻き爪(陥入爪)
症状
第1趾(足の親指)の痛みや赤い腫れ
原因
爪が周囲の組織に食い込むと、赤く腫れて炎症を起こします。放置すると、感染を起こして滲出液が出たり、不良肉芽を形成します。
治療
当院では再発を繰り返さないようにフェノール法で手術を行っています。
手術といって、メスで切ったりする訳ではありません。親指に局所麻酔を行ないます。局所麻酔の際は少し痛みを伴いますが、その後はまったく痛みがありません。食い込んでいる爪を端っこのみ部分的に抜去して、薬品(フェノール)を使用して根本から爪が生えてこないようにします。
手術時間確保が困難なために現在、手術を中止しております。
足底腱膜炎(足底筋膜炎)
このような症状でお悩みではないですか?
- 歩くと、足の裏や踵が痛くなる
- 扁平足だといわれたことがある
- 朝起きて歩き出す時が特に痛くなる
- 裸足で歩くと痛くなる
足底腱膜炎とは
足底腱膜とは足の裏にある組織で土踏まずを支え、体重などの衝撃を吸収する機能があります。この足底腱膜に炎症が起きると痛みが出ることを、足底腱膜炎や足底筋膜炎と呼ばれます。
足底腱膜炎が起きる原因として考えられるものとして
- アーチのあまりない靴を履いている
- 長時間の歩行や立ち仕事など疲労の蓄積
- スポーツなど激しい動きによる強い衝撃
- 扁平足など足の形態の崩れ
- ふくらはぎや足底腱膜の柔軟性の低下
- クッション性のない硬い靴を履いている
など、様々な要因が考えられます。
足底腱膜炎で痛みが出る部分としては①踵②土踏まず③指の付け根といわれています。起床時などの歩き始めに特に痛みが強いが出ることが多く、痛みのために歩く時に踵を浮かせて歩く方もいます。、足底腱膜炎は若年層から中高年、ご高齢の方まで幅広く生じます。
なぜ足底腱膜炎になるのか
足底腱膜炎とは踵の足底腱膜に負担がかかり足底腱膜に微細な損傷が起こることにより炎症や痛みを生じます。
足底腱膜になる要因
- 加齢や疲労により足底腱膜が硬くなり柔軟性を失います。その結果、足底腱膜がついている踵や指の付け根を引っ張ってしまいダメージを受けます。
- スポーツなどの激しい動きにより足底腱膜に過度の負担がかかり続け腱膜や筋膜が硬くなる。
- 扁平足や外反母趾により土踏まずのアーチが崩れやすくなります。アーチが崩れることで足底腱膜に負担がかかり硬くなり、硬くなった足底腱膜に衝撃が加わることで損傷が起きてしまう。
- ふくらはぎや足の柔軟性の低下は足底腱膜に負担をかけてしまい足底腱膜炎に繋がってしまいます。
放っておくとどうなるの
足底腱膜炎は足底の腱膜や筋膜の微細な損傷によって起こります。放っておいて負担がかかり続けると回復までの時間が長くなってしまいます。また無理して運動などを続けると痛みが強くなり歩くことが困難になってしまうこともあります。
治療
外用薬(湿布)や消炎鎮痛薬で炎症を取ります。疼痛部位へのステロイド注射が最も即効性があり効果的です。もちろん、注射が苦手な方もいますので、そういった場合は物理療法(電気治療やレーザー治療)を使用すると効果的です。
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会