膝の痛み
症状
原因
体重や加齢の影響で関節軟骨がすり減って、痛みが出てくることがあります。また、女性に多く、体重の負荷がかかりやすい膝の内側に痛みがでることが特徴的です。
治療
的確な診断をつけて、薬、サポーター、注射、リハビリなどで治療を行っていきます。ヒアルロン酸注射の際は、痛くないようにできるだけ細い針を使います。
代表的疾患
変形性膝関節症、半月板損傷、靭帯断裂
変形性膝関節症
症状
原因
体重や加齢の影響で関節軟骨がすり減って、骨同士が衝突したり変形して痛みが出てきます。また、男性より女性に多く、体重の負荷に影響もあるため肥った方に多い傾向があります。
治療
コンドロイチンやグルコサミンなどサプリメンは現時点では科学的に証明できていません。
内服薬、サポーター、注射(ヒアルロン酸)、リハビリなどで治療を行っていきます。ヒアルロン酸注射の際は、痛くないようにできるだけ細い針を使います。
代表的疾患
変形性膝関節症
膝半月板損傷
膝半月板損傷は、膝関節内にある半月状の軟骨である半月板が損傷した状態を指します。
原因
膝半月板損傷の原因は多岐にわたります。
急な方向転換やねじれるような動き
このような動きは、半月板に過度のストレスをかけることがあり、特にスポーツ選手に多いケースです。
加齢による摩耗
長年の使用により、半月板の繊維が劣化し、摩耗が生じることがあります。これは中高年の方によく見られる原因です。
外傷
交通事故やスポーツ中の衝突など、強い衝撃が半月板に加わることで、損傷が生じることがあります。
体重の負荷
重量のある物を持ち上げたり、体重が重い場合、膝関節に負荷がかかり、半月板が損傷することがあります。
症状
膝半月板損傷は、膝関節内の半月板と呼ばれる構造が傷つくことによる痛みや不快感が現れる症状です。半月板は軟骨組織で、膝関節の安定化や衝撃の吸収に役立っています。
痛み
膝関節の内側や外側で感じる痛み。運動中や階段の昇降時、膝の曲げ伸ばし時に特に痛みが強まることがあります。
腫れ
損傷が重度の場合、関節内に液体が溜まり腫れが生じる可能性があります。
ためらい歩行
膝に負荷がかかるため、歩行時に痛みや違和感を避けるためためらい歩行が生じることがあります。
クリック感
膝を動かす際、音がする、または違和感を感じる場合があります。
リハビリ
膝半月板損傷は、膝関節内にある半月状の軟骨である半月板が損傷した状態を指します。適切なリハビリを行うことで、痛みの軽減や機能回復が期待できます。まず初めに、怪我の程度によってリハビリの方法や期間が異なります。一般的な流れとしては、以下のようなステップがあります。
1.炎症や腫れを抑える
2.筋力や柔軟性の回復を促す
3.日常生活やスポーツへの復帰をサポートする
炎症や腫れがある場合、まずは安静にして十分なアイシングや圧迫固定を行いましょう。状態が落ち着いてからリハビリを始めることが肝心です。筋力や柔軟性の回復には、筋トレやストレッチが効果的です。特に、太ももの前面にある大腿四頭筋や後面にあるハムストリングスの筋力強化が重要です。また、膝関節の可動域を広げるストレッチも行いましょう。日常生活やスポーツへの復帰をサポートするためには、徐々に負荷をかけるトレーニングを行います。ウォーキングやスクワット、そしてジョギングなど、無理のない範囲で負荷を徐々に増やしていきましょう。尚、リハビリは専門家の指導のもと、無理のない範囲で行うことが大切です。痛みが強い場合や状態が改善しない場合は、必ず医師や理学療法士の指導を受けるようにしましょう。
オスグッド・シュラッター病
オスグッド・シュラッター病とは、主に成長期の若者に見られる膝の骨と軟骨の痛みを引き起こす症状です。
原因
いくつかの要因が考えられます。
過度な運動
繰り返しのジャンプやダッシュにより、膝のストレスが蓄積される
成長スパート
急激な成長により、膝周りの筋肉や靭帯が緊張しやすくなる
競技スポーツ
サッカーやバスケットボールなど、運動負荷が高いスポーツに参加することでリスクが高まる
関節の柔軟性不足
緊張した筋肉や関節の柔軟性が低いと、膝への負担が増す
症状
オスグッドは、成長期に多く見られる膝周辺の疼痛や腫れといった症状が特徴的な病気です。
- 膝の痛み
- 膝の腫れ
- 起立や歩行時の痛み
- 長時間座っていると痛む
- 運動後に痛みが強まる
これらの症状は、成長期の子どもやスポーツを行っている方に多く見られることから、早期発見が重要です。適切な治療やケアにより、症状の改善や悪化の防止が可能です。
リハビリ
オスグッドの患者様に対しては、過重負荷の軽減やアイシング、または炎症止めの投与が検討されます。痛みの程度に合わせながら、筋力トレーニングなどのリハビリを行います。筋力トレーニングには、膝周りの筋肉をバランスよく強化することが重要であり、特に大腿四頭筋やハムストリングス、内外転筋の強化が効果的です。
その他のリハビリの方法としては、ストレッチングが挙げられます。適切なストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性を高めるだけでなく、筋力のバランスを向上させることができます。そのため、大腿四頭筋やハムストリングスなど膝周りの筋肉を伸ばすストレッチが推奨されます。また、リハビリに取り組む際には、無理をせず自分のペースで進めることが大切です。
オスグットのリハビリでは、症状が改善されるまでの期間や回数は個人差が大きいため、焦らず無理をせず、適切なアプローチを続けることが肝心です。適切な負荷でリハビリを進めていきましょう。
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会