扁平足とは?症状と原因、そして適切な治療の重要性

まつもと整形外科は福岡県久留米市安武町にある、整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科のクリニックです!!

 

こんにちは 



久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です

 

扁平足とは?症状と原因、そして適切な治療の重要性

 

私たちの足は、日常生活を支えるとても大切な役割を果たしています。その中でも「土踏まず」と呼ばれるアーチ構造は、歩行時の衝撃を吸収し、体重をうまく支えるために重要です。しかし、このアーチが低下したり消失したりすることで生じるのが「扁平足(へんぺいそく)」です。

 

扁平足は、単なる「足の形の問題」と考えられがちですが、放置すると膝や腰への負担を招き、全身にさまざまな悪影響を及ぼすこともあります。

今回は、扁平足の原因や症状、整形外科受診の必要性、そしてリハビリによる改善の可能性について詳しく解説していきます。

 

扁平足とは?

 

扁平足とは、足の土踏まず(アーチ)が低くなった、または消失した状態を指します。健康な足には、内側にしなやかなカーブが形成されており、これがクッションのような役割を果たしています。ところが、扁平足ではこのアーチ構造が崩れてしまい、歩行や立位時に足裏全体が地面に接触するため、衝撃吸収機能が低下します。

 

扁平足には大きく分けて二つのタイプがあります。



先天性扁平足:生まれつきアーチが形成されない場合

後天性扁平足:成長過程や加齢、ケガなどが原因でアーチが崩れてしまった場合

 



特に後天性扁平足は、成人以降に痛みや歩行障害を引き起こすことが多く、注意が必要です。

 

扁平足の主な症状

 

扁平足になると、次のような症状が現れることがあります。

 

・足の疲れやすさ

・足裏や足首の痛み

・すねや膝の痛み

・長時間の歩行や立ち仕事が困難

・靴底の片減り

・体のバランスが取りにくい

・腰痛や肩こり

 

特に、歩行時に足や膝に痛みが出る場合や、体のバランスに違和感を感じる場合は、早めの対処が必要です。単なる疲労と自己判断せず、整形外科で専門的な診断を受けることをおすすめします。

 

扁平足の原因

 

扁平足の原因はさまざまですが、以下の要因が関与していることが多いです。

 

・筋力低下:足底筋群や下腿筋群の筋力低下によりアーチを支えられなくなる

・靭帯の緩み:加齢や体重増加、怪我などによって靭帯が緩む

・外傷:骨折や靭帯損傷がきっかけとなる場合

・体重増加:肥満により足への負担が増大

・遺伝的要因:家族に扁平足の人がいる場合、発症しやすい傾向

 

扁平足の原因
肥満により足への負担が増大

 

整形外科受診の重要性

 

扁平足は自然に治ることはほとんどありません。痛みが出ている場合や、歩行障害がある場合には、速やかに整形外科を受診することが重要です。

 

整形外科では、以下のような専門的な診察が行われます。

・視診・触診による足の形態確認

・足のアライメント(骨配列)チェック

・レントゲン撮影による骨の状態の把握

・必要に応じた超音波検査

 

こうした詳細な検査により、単なる扁平足なのか、ほかに治療が必要な疾患(例:後脛骨筋腱機能不全、関節リウマチ関連の変形など)が隠れていないかを診断します。

 

自己流のインソールやサポーターだけでは根本的な改善にはつながりません。症状の進行を防ぐためにも、専門医による正確な診断と適切な治療方針の提示が必要です。

 

リハビリの重要性

 

扁平足の治療では、リハビリテーションがとても重要な役割を果たします。

 

リハビリの目的

 

・足部の筋力強化(特にアーチを支える筋肉)

・足関節・足指の可動域改善

・正しい歩行動作の習得

・バランス能力の向上

・足裏の負担分散

 

これらを目的としたリハビリにより、扁平足による痛みや機能障害を改善し、再発予防を目指します。

 

具体的なリハビリ内容

 

・足底筋トレーニング(タオルギャザー運動)

・足関節ストレッチ(ふくらはぎや足首周囲の柔軟性向上)

・バランストレーニング(片足立ち練習)

・インソール(足底板)の作成と調整

 



患者さま一人ひとりの足の状態に合わせた個別プログラムを作成するため、リハビリを専門とする整形外科クリニック(理学療法士が在籍)での対応が理想的です。

 

リハビリのメリット

 

リハビリを継続することで、アーチのサポート機能が改善し、膝や腰への負担も軽減されます。また、将来的な外反母趾や変形性膝関節症のリスクを下げる効果も期待できます。

 

具体的なリハビリ内容
インソール(足底板)の作成と調整

 

扁平足を放置するとどうなる?

 

扁平足をそのまま放置してしまうと、次のようなリスクが高まります。

 

・慢性的な足の痛み

・膝関節・股関節・腰椎への負担増大

・歩行能力の低下

・外反母趾、内反小趾の進行

・変形性膝関節症や脊柱変形のリスク増加

 

単に「足が疲れやすい」だけと軽く見てはいけません。体の土台である足を守ることは、全身の健康維持につながるのです。

 

まとめ:違和感を感じたら早めに整形外科へ

 

扁平足は、日常生活に支障をきたすだけでなく、将来的な運動機能の低下や慢性痛の原因にもなり得る疾患です。しかし、早期発見・早期治療、そしてリハビリによる適切なケアによって、症状の進行を防ぎ、快適な日常生活を取り戻すことができます。

 

足の違和感や疲れやすさを感じたら、まずは整形外科を受診しましょう。正確な診断とリハビリによるサポートで、より健康な未来を築くことができます。

 

健康な足で、これからも軽やかな毎日を送りましょう!



当院には理学療法士·作業療法士が計26名在籍しています。

患者様一人ひとりに合った専門性の高いリハビリメニューを提供させていただきます。



ご不明な点などありましたら、お気軽にご相談ください!



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2025年05月27日
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会
院長 松本 淳志