交通事故後の外傷性頸肩腕症候群

福岡県久留米市安武町にある「まつもと整形外科」

こんにちは

久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です

交通事故によるケガの中で、外傷性頸肩腕症候群は比較的多くみられます。

交通事故が引き起こす外傷性頸肩腕症候群の原因や症状、治療方法からセルフケアの方法までを総合的に解説します。

外傷性頸肩腕症候群を理解し、適切な対処法を身につけることで、より健康的な生活を送ることができます。




頸肩腕症候群と交通事故の関係を知ろう

頸肩腕症候群は、首、肩、腕に痛みや痺れや倦怠感を感じる症状の総称であり、交通事故によって引き起こされることがあります。X線で異常がなく、他覚所見も乏しいにも関わらず首や肩、腕にかけて痛みや痺れを自覚することがあり、これを「頸肩腕症候群」と呼び、特に交通事故など外傷をきっかけとして発症した場合には「外傷性頸肩腕症候群」と呼ばれます。頚椎捻挫は首だけに痛みを感じる一方、外傷性頸肩腕症候群では首だけではなく、肩や腕に痛みや痺れを自覚するのが特徴です。交通事故が原因の場合、急激な衝撃により頸椎や肩周辺の関節や筋肉、靭帯、神経がダメージを受けて、痛みや痺れが発症すると考えられています。症状が悪化すると、日常生活や仕事に支障をきたすこともあり、早期の治療が重要です。

交通事故に実績のある整形外科を受診し、診断が付いた後は医師による処方や理学療法士によるリハビリを行っていきます。




交通事故が引き起こす外傷性頸肩腕症候群の原因

交通事故が引き起こす外傷性頸肩腕症候群の主な原因は、車の衝突や急停止による強い外力が首や腕にかかり、関節や筋肉、神経にダメージを受けて発症します。運転席の方はハンドルを握っているために、首だけではなく肩や腕に強い負担がかかるために助手席の方に比べても外傷性頸肩腕症候群が発症しやすいです。また、交通事故後のストレスや姿勢の悪化が症状を悪化させることもあります。一度損傷を受けた筋肉や神経は、時間と共に回復しますが、適切な治療がなされないと、慢性的な症状残ることがあります。




むちうちと外傷性頸肩腕症候群の違いとは?

むちうちと外傷性頸肩腕症候群は、どちらも交通事故によって引き起こされることがありますが、症状や原因に少し違いがあります。むちうちは、車の座席にヘッドレストが無かった時代に交通事故によって首が過剰に後ろに反る状態となり、首が鞭(むち)のようにしなっていたために「むちうち」と呼ばれるようになりました。むちうちは頚椎捻挫や外傷性頚部症候群とも呼ばれています。むちうちは首の痛みが強く、外傷性頸肩腕症候群では首や肩の凝り、肩から腕にかけての痺れ感が強くでます。しかし、厳密にむちうちと外傷性頸肩腕症候群を分けることはできず、両者も併発していることが多いです。

また、むちうちは衝撃による急激な首の動きが原因であり、外傷性頸肩腕症候群は首だけではなく肩や腕にかかる強い外力が原因である点が異なります。




外傷性頸肩腕症候群の症状を確認しよう

外傷性頸肩腕症候群の主な症状は、首、肩、腕に痛みや痺れです。これらの症状は、日常生活や仕事に影響を与えることがあり、放っておくと慢性化して後遺症として残る場合があります。

治療法には、投薬(内服薬、外用薬)や整形外科でのリハビリが重要となります。これらの治療により、症状や機能が回復することが期待できます。

首の痛みを訴える女性
首の痛みや腕のしびれなど症状はさまざま

 

首や肩の痛み、痺れが長引く場合の注意点

首や肩の痛み、腕の痺れが長引く場合は交通事故による衝撃の強さだけが原因ではなく、他に悪化させる原因があればそこを治していく必要があります。痛みの原因には、悪い姿勢や長時間のデスクワーク、ストレスなどがある。それらを改善することで、症状の緩和が期待できます。

まず、適切な姿勢を維持し、仕事中も適度な休憩を取ることが大切です。交通事故では、首にストレスがかかることで交感神経に異常が生じて自律神経失調症に陥ることがあります。自律神経失調症では不眠になったり、イライラ感が高まって、精神的状態も不安定になります。そのため、ストレスの軽減を図り、不眠に対しては睡眠導入薬を内服することも効果的です。また、筋肉の柔軟性を高めるストレッチや運動も効果的です。

症状が改善しない場合は、交通事故に実績と経験がある整形外科専門医の受診が必要です。初期段階での適切な治療が、症状の悪化を防ぐことができます。




診断と治療法

問診で交通事故の状態を把握することから始まります。そして、問診やレントゲン検査から診断を付けて治療を開始ます。

治療としては、薬物療法やリハビリテーションが重要です。患者様の状態や症状に応じた治療法が選択されますが、薬物理療では外用薬(湿布)だけではなく、鎮痛薬や神経障害性疼痛薬を使用して、ただ使用するのではなく薬物調整が必要になります。薬物調整とは、ただ決まった投薬をするのではなく、薬の効果や副作用を確認しながら薬の種類や薬の量の調整を行うことです。また、リハビリが後遺症を残さないために最も重要となります。




交通事故に遭ったら、リハビリが重要!!

外傷性頸肩腕症候群は、首や肩、腕の痛みやしびれが主な症状であり、神経や筋肉、靭帯、関節などが関係しています。むちうち、頚椎捻挫、外傷性頚部症候群、外傷性頸肩腕症候群では、軽度~中等度では約3か月、重度のものでは約6か月の治療期間がかかります、

リハビリでは、物理療法(電気治療、牽引)だけではなく、「人の手」を使って徒手的に施術を行うことで、患部の筋肉や神経のダメージを回復させ、症状を緩和させる効果があります。交通事故では、治療期間がある程度決まっていますので治療期間が打ち切られたあとは実費(健康保険使用して自分で支払い)になるために、可能な限り交通事故の保険が使える間にしっかり治療することをお勧めします。

衝突事故を起こす2台の車両
症状により治療期間が変わります

 

外傷性頸肩腕症候群に効果的なセルフケア

外傷性頸肩腕症候群に効果的なセルフケアとして、まずは日常生活でのストレス軽減を心がけることが重要です。長時間の同じ姿勢での仕事や運動不足が回復遷延の原因となることもあるため、定期的に休憩を取り、全身の筋肉をほぐすストレッチを行うことが効果的です。

また、痛みや緊張を緩和するためのマッサージや温熱療法を自宅で行うこともおすすめです。痛みが強い場合は、投薬にて、炎症を抑える薬を使用することも考えられます。

さらに、筋力のバランスを整えるために、適度な運動や筋力トレーニングが効果的です。特に、肩周りの筋肉や背中の筋肉を鍛えることが重要であり、筋肉の柔軟性を保つストレッチも取り入れることが望ましいです。

仕事中にストレッチをする女性
適宜ストレッチを行うことが重要

 

交通事故の治療費と補償について

交通事故では身体の怪我による不安やストレスだけではなく、加害者側や保険会社との関りでも、精神的および肉体的な負担を伴います。まずは後遺症が残らぬようにご自身の怪我の治療に専念することが大切です。怪我の治療に専念できる環境が必要となりますので、必ず交通事故の対応に慣れて、実績のある整形外科で治療することをお勧めします。交通事故で被害者側の場合には自賠責保険が使用できますので、基本的に治療費は無料(0円)でお金はかかりません。調剤薬局で処方される薬代も自己負担はありません。また、加害者側であっても任意保険である人身傷害保険に加入していれば、人身傷害保険を利用することで治療費はかかりません。交通事故による後遺症や症状の悪化を防ぐためには、整形外科専門医と相談して薬やリハビリのプランを立てることが望ましいです。

交通事故の治療では、自賠責保険や任意保険である人身傷害保険があり、被害者側は適切な補償を受けることができます。また、交通事故の相手や保険会社とのトラブルでは、弁護士特約に入っていれば交通事故専門の弁護士事務所に相談することで専門家の協力を得ることで、スムーズな手続きが期待できます。




交通事故後の手続き

交通事故後の手続きは、早急に行うことが大切です。交通事故の状況や損害を的確に把握し、警察への届け出や保険会社への連絡を行います。「現場対応」、「警察へ連絡」、「保険会社へ連絡」をする必要があります。

事故に遭ったら警察、保険会社へ連絡し、まつもと整形外科を受診しましょう
交通事故後の流れ

 

頸肩腕症候群と交通事故のまとめ

外傷性頸肩腕症候群は交通事故によっても引き起こされることがあり、首や肩、腕の痛みや痺れを自覚し、日常生活に支障が出ることが多く、適切な治療が必要です。交通事故では法律で加入することが義務付けられている交通事故の保険である自賠責保険や任意保険である人身傷害保険を使用することで自己負担がなく、整形外科の受診やリハビリ治療を行っていくことができます。

交通事故は法律や仕組みが難しいために、交通事故の治療に実績と経験が豊富な整形外科へ通院することで患者様の不安やストレスが減り、治療に専念できると思います。




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2024年10月25日
著者
執筆者 松本 淳志
まつもと整形外科 院長
<経歴>
福岡大学医学部卒
済生会福岡総合病院
九州大学病院
九州医療センター
福岡赤十字病院
<保有資格>
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本フットケア学会認定フットケア指導士
<所属学会>
日本整形外科学会
日本感染症学会
日本フットケア・足病学会
院長 松本 淳志