久留米市安武町にあるまつもと整形外科
こんにちは!
久留米市安武町にある整形外科クリニック まつもと整形外科 院長 松本淳志です。
今回は『側弯症』についてお話させていただきます
脊柱を正面から見た場合、左右のどちらかに曲がっている状態を側弯症といい、早期発見することが大切な疾患です。学校健診は学校保健安全法に規定されている「学校医」が担当します。学校医は、近隣の開業医が担当することが一般的です。学校健診の項目は多岐に渡りますので、必ずしも学校医の専門の診療科目というわけではありません。学校健診はスクリーニング検査ですので、運動器検診で異常が見つかった場合は二次検診として、専門の診療科目の医師へ受診する形になります。側弯症は一般的に整形外科が担当する形になり、整形外科の開業医を受診することになります。学校での運動器検診を通して、子どもたちの健康状態を把握し、必要に応じて専門医の診察や治療を受けることが望ましいです。また、日本では成長期の子どもに多い側弯症を見逃さないためにも、定期的な姿勢チェックが大切です。
運動器検診での側弯症の検診は、成長期にある子供達の脊柱の変形を早期に発見し、成人となった時に変形や痛みのない日常生活が送れるようにすることを目的として実施されています。
運動器健診では、「前屈みになり、脊柱や肩甲骨の左右差、肩や腰の高さの違い」を観察することで、側弯症の兆候を発見します。
運動器検診で発見される側弯症の特徴として、肩や肩甲骨、腰の左右差が挙げられます。また、背中や腰に痛みが生じることもあります。
側弯症では個人差があり、症状が進行する前に早期発見が重要です。運動器検診で側弯症が疑われた場合は、専門医による診断や治療が必要となることがあります。治療方法は症状の程度によって異なり、軽度ならば経過観察、重度の場合は外科的手術が検討されることもあります。
運動器検診は、スクリーニング検査として側弯症の早期発見をし、適切に管理することで、子供達の健康な成長を支えます。
側弯症は、脊柱を正面から見た場合に、左右に曲がってしまう病気です。側弯症の早期発見が重要な理由は、早期に発見し、適切に管理することで成人となったときに安定した、痛みのない姿勢を獲得することです。
側弯症が進行すると、腰背部痛や、心肺機能障害(呼吸器や循環器に悪影響)を及ぼすことがあります。こうした合併症を防ぐためにも、早期に発見し適切な治療を開始することが望ましいのです。
学校や家庭での観察や運動器検診などを通じて、側弯症の兆候を見つけることが大切です。早期に整形外科や脊椎専門医に相談し、適切な治療法を選択することが重要となります。
側弯症を家庭でチェックする方法にはいくつかの手順があります。
1. 子どもの背中を確認し、肩の高さや背骨の直線性を観察します。肩の高さに左右差がある場合や、背骨が左右に曲がっているように見える場合は、側弯症の可能性があります。
2. 背中を丸めながら前屈して、脊柱のラインをチェックします。この状態で背中の左右に高低差がある場合や骨盤にねじれがある場合も、側弯症が疑われます。
3. 子どもが立った状態で、足の間隔を自然な位置に保ち、膝を伸ばしたまま前屈させる姿勢が正確にとれるか確認します。この時、腰の左右に凹凸がある場合は要注意です。
4. 子どもの普段の姿勢も観察し、片方の足に体重がかかりすぎている場合や、頭が傾いている様子があれば、側弯症の可能性を検討することが大切です。
こうしたチェックを定期的に行い、異常が見つかった場合は早期に専門医に相談しましょう。
専門医の受診が必要となる状況と時期は以下の通りです。
– 子どもの成長に伴い、症状が悪化していると感じられる場合
– 上記で述べた家庭でのチェックで、側弯症の兆候が見つかった場合
– 長時間の運動や活動により、痛みや違和感が生じる場合
– 定期的な健康診断や検診で側弯症の疑いが指摘された場合
専門医の受診は、早期発見と治療が鍵となる側弯症において、非常に重要です。成長期を迎える前に治療を開始し、症状の進行を抑えることが望ましいため、上記の状況が見られた場合は速やかに整形外科専門医に相談しましょう。また、治療は個々の症状や成長段階に応じて異なりますので、適切な診断と治療法の選択が大切です。
適切な治療法は症状の程度や年齢、成長段階によって異なります。軽度の側弯症であれば、経過観察と定期的な検査を行い、状態が進行しないように注意します。重度の場合、整形外科医による治療や手術が必要です。
運動に関してですが、側弯症の方に対して特定のスポーツや活動が禁止されることはありませんが、適度な運動が脊柱の柔軟性や筋力の向上に役立ちます。筋肉バランスを整えるために、運動療法やストレッチ、ヨガなどの活動がおすすめです。
側弯症患者におすすめの運動や療法は、筋力を向上させるものや柔軟性を高めるものが有効です。例えば、スイミング、ピラティス、ヨガは筋力バランスを整え、脊柱の柔軟性も高めます。
各療法で重要なのは、患者の症状や身体状況に合わせて適切なプログラムを選択することです。治療や運動を行う際は、必ず専門の医療機関での指導を受けるようにしましょう。
整形外科専門医は、側弯症の診断に視診、触診、X線検査を組み合わせて行います。また、脊柱の弯曲角度を測定する「Cobb角(コブ角)」という指標を用いて症状の進行度を評価します。
治療法は症状や成長段階によって変わりますが、一般的な治療法には、経過観察や運動療法、矯正用具(コルセット)の使用、手術があります。軽度の場合は基本的に経過観察で進行することはありませんがコルセットや運動療法が必要になったり、重症の場合は手術が選択されることが多いです。
側弯症は早期発見が大切であり、適切な治療法を選択するためにも専門医の診察が重要です。加えて、運動療法やストレッチ、ヨガなどの活動を取り入れることで、筋力強化や柔軟性向上が期待できます。今後の健康的な生活のために、定期的な運動器検診を受け、症状があれば整形外科専門医に相談しましょう。
当院は毎週土曜日9〜13時に脊椎専門外来を設けています。受診をご希望の方はご相談ください。
https://m-seikei.net/examination/examination04/
【参考文献】
・日本側彎症学会,側彎症とは https://www.sokuwan.jp/patient/disease/index.html
・日本整形外科学会,側弯症https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html