ランナー膝(腸脛靭帯炎) 症状や予防(ストレッチ)について

久留米市安武町にある「まつもと整形外科」の理学療法士の野口です。

 

最近、街中でジョギング等をされている方を多く見かけるようになりました。走っているときの膝の痛みでお悩みの方はいませんか?今回は、走っているときの膝の外側の痛み「腸脛靭帯炎」についてお話させていただきます。

腸脛靭帯炎は走っている動作でよく生じるために「ランナー膝」とも呼ばれます。

 

症状としては、走っているときに地面についた足の膝の外側に痛みや違和感がみられる状態です。

原因としては、オーバーユース(走り過ぎ)、急に走る距離を増やす、内反膝(O脚)、走り方が悪い場合などが考えられます。

このような症状がある場合はまずは整形外科を受診しましょう。

 

腸脛靭帯は、骨盤の外側から太ももの外側を通り、膝の下の骨(脛骨)の外側につきます。この靭帯は膝の曲げ伸ばしすることで膝の外側で前後に移動します。膝の外側で靭帯と骨が擦れることで炎症が起き痛みや違和感を起こします。

 

 

 

 

 

治療としては、まずは安静、冷やす(この時期に温めると炎症を増強する可能性があるので注意)、物理療法、湿布や内服などにより炎症軽減を行います。症状が強い場合は注射等による治療も行います。炎症が治まってきたらリハビリにより原因となる筋肉に対しストレッチや筋力運動を行い、膝周囲の安定性改善を行います。また、腸脛靭帯と膝の骨が擦れにくくなるようなランニングフォームも改善やテーピングなども行っていきます。

 

腸脛靭帯炎を起こさないためには、走る前に準備運動としてストレッチをしっかり行いましょう。特に行ってほしいストレッチは、足を伸ばした状態で座り片方の足をもう一方の足に膝を曲げて交差させます。その足を手で胸の方に押すことでお尻の筋肉を伸ばします。(右図)もう一つは立った状態で足を交差させ、後ろに引いた方の足と逆方向に体を倒すことで足の外側の筋肉を伸ばします。(図)

当院では症状に合わせて走ることを再開するためにその他のストレッチや筋力運動、フォーム指導等を行ってきます。

 

腸脛靭帯炎は我慢して走り続けると慢性化し治りにくくなる可能性があります。気になる症状があればお気軽にご相談ください。

2021年09月21日