BLOG
膝の内側の痛み! 鵞足炎

久留米市安武町にある「まつもと整形外科」、理学療法士の鶴元です。

 

膝の内側の痛みでお悩みの方へ。

今回は「鵞足炎」についてお話させて頂きます。

 

*鵞足炎とは?*

鵞足炎とは、膝の「鵞足(がそく)」と呼ばれる部位が炎症を起こしている状態です。この「鵞足(がそく)」とは、膝から5cmほど下がったすねの内側にあり、脛骨(けいこつ:すねの骨)に縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はっきん)、半腱様筋(はんけんようきん)といった3つの筋肉がくっついている場所のことです。

 

 

 

 

 

※こちらも右足です。

 

 

 

*原因・病態*

鵞足は膝の曲げ伸ばしや膝から下を外側へひねる動きで働きます。

スポーツで言えばランニングやサッカー、テニス等、

生活動作の中でも長時間歩くことや階段昇降、立ち上がり動作の時など

も働いています。

つまり鵞足炎は、膝の曲げ伸ばしを頻繁に行う動作や

つま先を外に向ける運動を行ったりする方に多く見られる症状です。

また、変形性膝関節症を患っている方に併用して起こる場合もある為、

膝の痛みの原因を明確にすることは重症化を防ぐ一つの対策となります。

 

 

 

*鵞足炎の主な症状*

主な症状は痛みです。鵞足部を押すと痛んだり、歩くと膝の内側が痛んだり、階段の昇り降りで痛むこともあります。その他にも腫れを伴うことや膝周りに熱を持つこともあります。さらに悪化すると安静にしていても鵞足部が痛むことがあります。

鵞足に付着する3つの筋肉は骨盤や膝の内側を安定させる筋肉です。痛みを我慢すると変形性膝関節症(膝の変形)を引き起こしたり進行させたりする原因となります。

 

*診断*

鵞足部を押した時の痛みや太ももの裏と内側を伸ばした時、鵞足部に痛みが生じると鵞足炎を疑います。そして、医師による問診や痛みのある場所を触って確認を行い、その他レントゲンで診断します。

 

*予防と治療*

運動の前には、下の写真(①、②)の様に太ももの裏と内側を伸ばすストレッチで予防を行い、鎮痛効果を得る為に貼り薬や塗り薬を使用することも効果的です。

鵞足炎と診断された場合、軽症であればスポーツを続けることも可能なので、『悪化させないこと』『長引かせないこと』『完治させること』この3つが大切になります。

 

  • 太ももの裏を伸ばすストレッチ

 

方法:

1.平らな床にあぐらで座る

2.ストレッチする方の足を伸ばす

3.伸ばした足の方へ両手を伸ばしながら体を倒す。

これを20秒程持続させます。

 

注意点:

・太ももの裏が伸びているのを感じながら行うこと

・伸ばす方の膝は曲げないようにすること

・息を吐きながら足先まで手を伸ばすこと(息を止めない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 太ももの内側を伸ばすストレッチ

 

方法:

  1. 両足を肩幅より少し大きく開いて立つ

2.片方の膝は曲げて腰を落とす

3.重心は膝を曲げた方に移していく

4.ストレッチする方の足の裏が浮かないように、地面につけたままつま先は前を向けて矢印のところを伸ばす

5.太ももの内側が伸びていることを確認出来たら、20秒程持続させます。

 

注意点:

・太ももの内側が伸びているのを感じながら行うこと

・バランスが上手く取れない方は壁にお尻を付けても行えます

・息を吐きながら、痛みを感じない程度までゆっくりと伸ばすこと

 

当院では電気治療を用いて痛みの軽減を図り、緊張して固まってしまった筋肉をほぐしていきます。また膝周りの痛みや筋力の低下に応じて、痛みの箇所に負担とならない運動と生活を含め動作指導をリハビリで行っていきます。その他、筋肉の柔軟性を向上させるために、ご自宅で簡単にできるストレッチを提供させていただきます。

お悩みの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。

2021年06月23日